『わが岩壁』古川純一著
なかなかに読みごたえがあった。
アルピニズムがよく語られた時代、本文にも度々出てくる。言いたい事は理解出来るし、自分にその技量があれば目指したくなる気持ちは分かる。だがそんな技量のない私は誰かが付けたトレースを辿るだけでも楽しみを感じる。里山では少しメインのトレースを外れてみたりもするが、それとて誰かが通った痕跡を辿っているのだけれどね。
なるべく情景を思い浮かべようと読んでみたが、経験値の低い私にはその凄さの本当のところは分からないんだろう。最終話の<積雪期前穂高東壁Dフェース>は奥山章氏の『垂直の上と下』に出てくる記録ともリンクしているので、もう一度読んでみようかな。