さっぱり、あきまへんわ

2008年03月04日 | ふるさとの話
                       (ひだか商品券)

店のドアを開け、『Xさんこんにちは、会費をいただきに来ましたよ』と、声をかけます。
Xさんは町の酒屋さん、私が電器屋を始めた頃は元気いっぱいで、よく儲けておられるように見えました。
今日の集金は、日高町の商店が集まって発行している商品券加盟店会の会費です。
Xさんご夫婦、「さっぱりですわ、一人もお客が来ない時もあるよ」とか、
「店になんておっても駄目ですわ、外に配達がちょっとはあるだけ」とか、
「Yさんも同じこと言ってたし、Zさんはもう店やめるかも」とおっしゃる、
すると奥さんは、「お客どころか電話も掛かってこん、大型店が出来てからほんまにあきまへんわ」と、嘆きの二重奏です。
街のちっちゃな商店はどこもここも、Xさんと同じ事を吐露されます。
『まあ、まあ、まあ、まあ、そんな嘆いてもなんの役にも立ちません』、
『暇でも儲かって無くても、胸を張ってニコニコしてたら、他人(ひと)にはわかりません』と、いつも慰めます。
私はXさんに誘われて商店会に加盟し、商品券の会にも加盟、その上Xさんから役員をバトンタッチさせられてから、もう10年以上誰も替わってくれません。
Xさんも、Yさんも、Zさんも、皆~んな私の大先輩。
空(から)元気でも出して、意地でも不景気な話は金輪際しないことにしましょう、
それが一番だわ。