もう一週間前になりますね。日曜日の昼過ぎに店に寄られたSさんが、「一人暮らしのお母さんの家に、テレビを持って行ってよ」と、ご注文でした。
『今見ておられるテレビが25型ですから、地デジの26型ではちょっと小さすぎますよ』、『32型と云っても、26型と値段はほとんど変わりませんよ』と説明します。
「任せるから、32型で新型の地デジの安いの頼むわ」と云って、都会のお家に帰られますね。
Sさんは、ご高齢のお母さん一人残して心配なのです。
ふるさとに残したお母さんを案じて、都会から何回も何回も帰省されるSさんからは、冷蔵庫がいためば「同じ大きさの冷蔵庫と取り替えてね」とメールをいただき、コタツの調子悪くて駆けつけますと、「ちょっと耳が遠くてすみません。黙って上がって耳の傍で話してね」と申し訳されます心遣い、お母さん思いのSさんなのです。
『こんにちわ~』と、耳に近付き大きな声で、おばあさんに説明します。
『息子さんに頼まれましたよ~、あさって、新しいテレビを持ってきますよ』と、月曜日に説明訪問いたします。
「えぇ~~、何ですか~。テレビはきれいに映ってるよ」、「息子がきのう帰りしなに、頼んだんだって、そんな事何んにも云っとらんかったで」と、なかなか話が通じませんね。
それでも説明続けて、なんとか分かってもらいます。
水曜日、一緒に頼まれているオール電化の下見を兼ねて、32型液晶テレビを配達します。
テレビを見たおばあさんは、何回も何回もキリがないほどに、「こんなきれいに映ってるテレビをほって、大きなテレビを置いてもらうなんて、わたしゃあ、もったいないですやあな」、「こんなええテレビ、わたしゃあ、もったいないですやあな」と云われます。
『息子さんが、新しいええテレビ見たらと云っとんなるんだから、安心して見たらええがな』と、こちらまで但馬弁になりますね。
火の元案じて心配される、息子さんから聞いてます。オール電化の事もちょびっと話しをします。
すると、「わたしゃあ~、な~んにもわかれへんですや~な、息子に、な~にも任せとるんだっしゃあ~、息子がそない云っとるんだったら、ええようにしておくれんしゃあ~な」と、返事です。
その後、テレビを見ながら又々、「わたしゃあ、もったいないですやあな、わたしゃあ、もったいないですやあな」が続きます。
《親思う 優しい気持ち もったいない》