(冬の夕べ、帰りを急ぐ車のライト、南へ向かう列車の汽笛)
正月の挨拶に来られた住職さんが、「一年の始めに・あなたに出会えてしあわせです感謝」のパンフレットを、「今年もよろしく、読んでください」と云って、置いて帰られました。
パンフレットには、前年を反省して悪を正し、新年の国家安泰、五穀豊穣などを祈願する、仏教の修正会(しゅしょうえ)の話から始まって、人と人との出会いや役割の大切さをお話しています。
「曼荼羅が示すように、全ての人には価値があり、それぞれに大切な役割がある。そのそれぞれの役割を成しながら、一人一人が紡ぎ合っていくことが、この世界だと私は考えております。」と書いてあります。
人はみな、それぞれの役割をもって、この世に現れてきて生きています。どんな縁であっても、あなた出会えて幸せです。良かったですと、感謝する心の大切さを説いておられます。
別の本を読みました。
その本には、会うのが一生に一度かもしれない、一度限りかもしれない出会い、因縁の大切さを「一期一会(いちごいちえ)」の言葉で説いていますお話です。
「一期一会」とは、茶道の世界で、生涯にただ一度のめぐり逢いを、誠の念で主客が相対することから出た言葉だと解説しています。
仏法の世界でも同じこととお話です。
出会いや因縁を大切にして、毎日毎日が二度とやってこない一日であり、一回一回がただ一度の機会であると思い、今日会う人はもう再び会わない人かもしれない、やり直しがきかない、その時が真剣勝負と思い、その時を大切にしなければならない、それが「一期一会」の心得ですと説いています。
「明日ありと思う心のあだ桜、夜半(よわ)に嵐のふかぬものかは 親鸞聖人」とお話が続きます。
「あなたに出会えてしあわせです。感謝」の心をもって、「一期一会(いちごいちえ)」の心がけで、大切に一日一日を過ごしたいものですね。
《縁あって 出会えた感謝 する心》