100歳越してしまうがな

2013年02月12日 | お客さん宅で


昔から妙です。
寒い冬の季節になりますと、妙に次々とよく売れる商品ありますね。
コタツですか?、ストーブですか?、いやいや違うのです。実は何でもありません。洗濯機なのです。
ドラム洗やら全自動洗濯機のことですよく売れる、もう、ずっとずっと昔からです。一月や二月、雪が深々と降る中を、雪を掻き分け洗濯機、両手で運んだ重たいね雪降る思い出ばかりがいっぱいですね。

なぜでしょう、冬になりますと、衣類が分厚くて重いからでしょうか、水が冷たくてその性でしょうかね、寿命が来まして傷みかけ、トドメがどうも寒い冬にやってくるような感じです。
雪の中を運ぶと違って、今年は全くないです雪がない、配達し易いったらありません。

『Nさ~ん、こんにちわ~。ご注文の洗濯機をお持ちしましたよ』と声かけまして、じいちゃん、ばあちゃん二人暮しのNさん宅へ、今日は一人で配達します。
「アトムさん、この縁側のところから持ち込んでよ、座敷を通れば近いでしょ」と、ばあちゃんニコニコと優しく指図をいたします。
トラックを縁側そばにバックして、荷台から直接座敷に運びます。
日立の最高級の洗濯機です。大きいですよ重いです。両脇に手を掛けて運ぼうとしましても、かなり重いよ持ち難い、「じいちゃんでも役に立つなら、畑から呼んでこようかね」、『いやいや持ちます。電気屋さんは年をとっても持ちますよ』、「わたしでも片方持とうかね」、『大丈夫、何とかします』と云いました。

広い座敷は、ユックリユックリ商品を、右に左に傾けてコトコト歩かせ運びます。狭い通路の板の間は、敷物引きます滑ります。心配そうにばあちゃんは、じっと見ながらついつい持とうと手が出てきます。
『ハイ、ピッタリ納まりましたよ。日立の最高級の洗濯機です』と、使い方を説明します。
「じいちゃん、じいちゃん、あんたも聞いとんしゃあな、じいちゃんだって洗濯してもらってるもんね」と、ばあちゃんはじいちゃんを呼びます二人して、顔を突き出し覗きます。

『ハイ、この洗濯機は2012年製って書いてあるね。壊れた古いのもよく頑張ってくれて18年間も』と、じいちゃんに話す。
「今度の洗濯機も、18年頑張ってくれるかえ」、『もちろん持ちますよ、18年か15年か分かりませんが、84歳のじいちゃんがいつまでも元気なうちは持ちますよ』と話します。
じいちゃんは、「18年も持ったら100歳越してしまうがな、こっちが先だわ、洗濯機の方が長生きするわ」と笑ってお話いたします。

《じいちゃんよ 長生きしてね 100までも》