嬉(うれ)しさは ゴールデンウィーク 前日の 今日が日本の はじめ知るとき
つばめになったら おおうえ〇〇お
ぼくはつばめになって、人を。のせて、
その人をみなみへつでていきて、
はなのある。ところへつでてはなを、とって、
また。その人をのしていえへ、つでて、
おかあさんにあげたら。よろこんで、
そのはなをそなえてくださった。
そして、そのはながちるとそのはなをとってそとえほって、
とらっくがふんでしまいました。
「つばめになってかんがえているうちに、おもしろいところですんでしまいましたが、。や、をかんがえてうつともっとよろしいですよ」(U先生)
64年も前の私の作文のコピーです。
府中小学校1年生の担任は、
二十四の瞳の大石先生を彷彿させる、優しいU先生でした。
受け持った私たちへ「(大きくなったら)なりたいもの」というテーマの研究授業があった時、
一生懸命に書いた作文が、この「つばめになったら」の一編なのです。
U先生は、文集「ひよこ」として退職後もずっと大事に保存されてたそうです。
6年ほど前にコピーを届けてもらったものです。
日記の日付は1月18日です。
今から64年前の、昭和27年1月18日なのです。
一年前の昭和26年4月16日には、
マッカーサーは、日本占領統治の最高責任者としての任を解かれて、アメリカに帰国します。
そして、
9月8日にサンフランシスコ講和条約が署名され、翌年の昭和27年4月28日に発効します。
7年弱の連合国占領の時代を終えて、
日本の主権は回復します。
日本に再び国としての始まりがスタートした日なのです。
そんな春の日を迎える新春一月に、
U先生の担任する一年生のみんなは、一生懸命に作文を書きました。
私の5年生の担任は、男性教諭のH先生でした。
主権が回復して3年目の昭和30年4月28日です。
H先生は凄く真面目な青年教師でした。
5年生になったばかりの子供たちに、サンフランシスコ講和条約の話をします。
そして、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の話を聞かせるのです。
4月27日のその日にですよ。
地獄に垂れ下がったクモの糸にぶら下がったカンダタは、自分だけが助かりたいために、下から上がってくる罪人どもに「下りろ下りろ」と叫んで、
何ともなかったクモの糸がプツンと切れてしまって、再び地獄に落ちてしまうお話です。
H先生はその話をした後に「みんなは、もしもお釈迦さまがクモの糸をさしのべて下さったらどうする」と言って作文を書かせてのです。
なぜなのか分かりませんが、4月27日に書かせたのです。
今日は4月28日です。
64年前に日本に主権が還った。日本の始まりの日なのです。
そして明日の29日は、昭和の初めからは天長節、戦後に改正なっても廃止を免れ天皇誕生日、
今では昭和の日と名を替え、ゴールデンウィークの最初の祝日ですね。