ブクログより
男性は一歩家の外に出ると、7人の敵がいる と言われますが、今の世の中女性もなかなか、5人ぐらいはいるんじゃないでしょうか? と思わせる本作品。
女性は結婚して家庭に入ると、なかなか名前を呼んでもらえません。○○の奥さんとか、○○のママとか・・・
まあ八百屋さんや魚屋さんに「奥さん!」ト呼びかけられるのはいいとしても、なんだか寂しい気がします。
先日も自宅に電話があり、出てみると何かの勧誘の電話で、いきなり「奥さんですか?」と問いかけられました。この人は何を知りたいのだろうと、結婚はしていますが、と答えると今度は「御主人はおられますか?」と、留守です、とか適当に言って切りましたが、見ず知らずの人にいきなり奥さん、なんて呼びかけられて、なんだか気持ちの悪い休日の昼下がりの出来事でした。
さて、戻ります。この話の登場人物は、就学前の子供を持つ若いママたちで、子供を通じての付き合いなので、○○ママと呼ばれることに違和感はないみたいです。
毎日子供を遊ばせながら、親同士心の探り合い、見栄の張りあい、誰かのささいな言葉、行動に傷ついたり、落ち込んだり。
家に帰ったらその家々の事情がやもめごとがあり、心の休まる暇もありません。
今の時代、群れるではないけれど何かの集団に属していないと不安、という風になっているのかなと思います。
人それぞれ、何らかに属していると思いますが、どこでも気の合う人たちと、楽しくやれるばかりではないのがつらいところ。
桐野さんにしては今回の作品、おとなしめ、無難にまとまっています。また度肝を抜かれるようなのを読んでみたいです。
「ミロシリーズ」はもう無いのでしょうかね・・・
ハピネス / 桐野夏生
★★★☆☆