清運寺だより

ようこそいらっしゃいました。甲府市にある日蓮宗寺院の住職のブログです。日々の出来事、感想、行事などをご紹介します。

葬儀の花はどんな色?

2010-02-17 10:18:55 | 

<祭壇中央、写真の脇に飾られた花。>

皆さんは、葬儀の祭壇の花というとどんな花を想像するでしょう。

 最近、葬斎場の葬儀で気になること。

祭壇の花が派手すぎやしませんか?

以前は、葬儀といえば、白い菊を使うというのが一般的でしたが、だんだんその白い菊に淡い色調の花が混じるようになり、そのうち色の濃い派手な赤系統の色の花が使われるようになりました。

そして、ついにほとんど真っ赤と言ってもいいほどの色合いにまでエスカレートしています。

以前、私も祭壇の花は節度を持って、葬儀なのかお祝いなのかわからないような花は使わないようにと注意したこともあったのですが、そう言うと、これ見よがしに真っ白な花だけにしたりされたりして、いやみな感じを受けたこともあったので最近は何も言わないでいたのですが。

祭壇の花については、坊さんの間でもいろいろな意見があります。

 祭壇にお店の新装開店のような派手な色の花を使うと、葬儀の施主さんが家族が亡くなったことを喜んでいるみたいに思われるので、絶対に使わせないという強硬派や、別にどうでもいいんじゃないという無関心派、やはり葬儀なのだから節度を以ってほどほどにという中庸派等さまざまです。

 施主さんによっては、故人は派手なのが好きだったから、花も派手にと考える方もいるかもしれません。

ただ、たいていの施主さんは他に気を回すことが多すぎて、花にまで気が回らない方のほうが多いとは思いますが。

いぞれにせよ、祭壇の花が派手になった理由は別のところにありそうです。

葬儀でよく使われる菊の花は、花屋さんでは固い蕾の状態で保存されていて、使える状態にするには2,3日の仕込み期間が必要なのだそうです。

しかし、葬儀はいつあるかわかりません。

そのために菊の花をいつでも使えるようにしておくのはロスが出ます。

それに対して、洋花は仕込みが不要なので多くつかわれるようになったのではないかという説があります。

それに洋花は白よりも鮮やかな色のほうが多いですからね。

特に葬斎場に出入りしている花屋さんは葬斎場にマージンを取られますから、利益率を上げるためにも、そうせざるを得ないという事情もあるのかもしれません。

 でも、私が葬儀の祭壇に花を飾れといわれたら、いくらなんでもこんなに赤色や色の濃い花を使うことはありません。

家族の葬儀にも、自分の葬儀にも、こういう色の花を使ってほしいとは思いません。

しかし、人によってはいろいろな考え方があるでしょうし、どういう人の葬儀かによっても感じ方は違うかもしれません。

たとえば、若くして不慮の事故や病気で亡くなった人だとしたら、御長寿を全うしてむしろあやかりたいという方の場合だとしたら、あるいは女性か男性かによっても違うかも知れません。

価値観も時代によって変わっていくということもあるかもしれませんから、一概に何が良くて何が悪いと決めつけることはできないかもしれません。

でも、やっぱり個人的には葬儀と祝いの花は分けてほしいですね。

一体祭壇の花は今後どうなっていくのでしょう。

皆さんはどう思われますか。

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コメント (4)
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