ものすごく寒かった16日の日曜日に今建て替え中の甲府市役所の遺跡発掘現場見学会に行ってきました。寒いにもかかわらずたくさんの人が見学に訪れていました。
この場所は舞鶴城の場内、追手組の役宅のあったところにあたります。
甲府城が勤番支配だった時代は勤番士を追手組と山手組とに分けて毎月15日ずつ交代で城を治めていたのです。(山手組の役宅は現在の甲府駅北口のNHK建設予定地あたり)
そして、ここは舞鶴城ができるずっと以前、古代から人の住んでいた形跡のあるところです。
古くは縄文時代(たしかそう聞いた気がするのですが)にはすぐ近くに古墳があったのでおそらくここにも人が住んでいたでしょうし、鎌倉時代には大田町に移転した一蓮寺がありその門前町として栄え、その後は舞鶴城内となり、城をおさめる柳沢氏の家老屋敷、勤番支配時代には大手組の役宅となりました。
明治時代には山梨県庁が建てられ、甲府郵便局、甲府水道局、甲府市役所本庁という変遷をたどった、いくつもの時代の記憶が重なり合っている土地です。
今回の発掘で出てきたのは追手組の役宅跡と、県庁時代の中央玄関あたりの痕跡です。
<山梨県庁中央玄関部分 南向き>
<役宅の住居部分から出土した桶、ふろ場とか台所とかでしょう>
<保存状態のよい柄杓 上と書いてあるのは何を意味するのか?上水用?>
<役宅の公用部分、玄関の横にあったお白州の砂利、ここで刑事事件が裁かれたそうです。
役宅の玄関は東向き、ちょうど談露館の正面と向かい合わせの位置になります。>
<出土品の数々。右上の4つの丸型はかわらけ、小さい丸型は碁石として使われた焼き物、右下隅は砥石、左隣は硯、真ん中下はてびねりの湯のみ?左側にあるのは釉薬のかかった焼き物の破片>
<茶碗やキセル、古銭など、茶碗のかわいいのでデザインは今でも使えそうですね。>
せっかくいろいろなものが発掘されていますが、いずれはここも埋め立てて市役所が建ってしまうんでしょうね。もったいない限りです。こういう文化資源が有効に使われるともっと地域が活性化されるかも知れないのに・・・
考えてみれば甲府駅周辺(甲府の中心地)はすっぽり舞鶴城内にあたるわけで、その特異性を活かせないものでしょうか。
たとえて言うならば、甲府の町はシンデレラ城を中心としたディズニーランドみたいなものだと考えることもできるんじゃないかと思うのですが。いろんなアトラクションがあって行くだけで楽しい、そんなストーリー性のある町になれば面白いのにね。
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