清運寺だより

ようこそいらっしゃいました。甲府市にある日蓮宗寺院の住職のブログです。日々の出来事、感想、行事などをご紹介します。

第16回ショパン国際ピアノコンクール入賞者ガラコンサート

2011-01-25 11:21:46 | クラシック

先日、今年のショパンコンクール入賞者によるガラコンサートに行ってきました。

出演者は一位になったユリアンナ・アヴデーエワを始め2位3位入賞の面々です。

これから一層活躍するであろう若手が一堂に会するコンサートです。

まず、一部は3位入賞のダニール・トリフォノフによる3つのマズルカ第一番ロ長調・第二番ハ長調、マズルカ風ロンドへ長調、タランテラ変イ長調と一位のユリアンナ・アヴデーエワによるピアノソナタ第二番変ロ短調「葬送」です。

トリフォノフは可憐で柔らかいタッチのロシアンリリシズム、対するアヴデーエワは男前でいながら女性的な柔らかさも兼ね備えた、いで立ちそのものの男装の麗人的な感じです。

第二部は五位のフランソワ・デュモンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ロ長調、二位のルーカス・ゲニューシャスによるピアノ協奏曲第一番。

デュモンはルイサダを思い起こさせるようなフランス風なタッチ、アンコールで弾いたドビッシーの月の光などは絶品、ぜひ今度はフランス物の演奏を聞いてみたい。

ゲニューシャスは情感たっぷり、特に第二楽章は思わずこちらも歌いたくなるような歌心あふれるショパン。

第三部はインゴルフ・ヴンダーのピアノ協奏曲第一番。完成度が高く安定感のある演奏。プログラムによるとこの人は前回のセミファイナリストだそうです。それで手だれた感じがするんでしょうか。アンコール曲もマズルカを引き始めたかと思ったらそこからアレンジして君が代に代わって拍手喝さい、拍手が鳴り止まず再度のアンコールはモーツアルトのトルコ行進曲、これもAヴォロドス編曲バージョンのかなりぶっ飛んだ演奏、なんだか最終的にはこのヴンダーの独演会になってしまったかのよう。

同じショパンの曲ながらそれぞれ全く違う個性的な演奏でした。

アブデーエワにはそれほど感じなかったけれど、 トリフォノフ、ゲニューシャスはロシアンピアンピアニズム、デュモンは洒脱なフランスピアニズムを強く感じました。

アンコール曲の選曲も様々、トリフォノフはリスト/パガニーニのカンパネッラ(鐘)、フジコヘミングの鐘が古い教会の年季の入った鐘とするならば、トリフォノフの鐘は少女が手に持って鳴らす小さな可憐な鈴といったところでしょうか。

アヴデーエワはバッハパルティータ第一番ロ長調よりジーグ、デュモンはドビッシーの月の光、ゲニューシャスはベートーベンピアノ協奏曲第一番カデンツァ(グールド版)、ヴンダーはショパンのマズルカとモーツアルトのトルコ行進曲。

なぜか客席からの花束等プレゼントの数が一番多かったのは一番最初に弾いたトリフォノフでした。

ただ、ピアノ協奏曲第一番を続けて二回弾くのはどうかと思いますね。演奏者が違うといっても結構聴くのはしんどい、演奏会というよりもコンクールを見ている感じ、もしかしてコンクールの雰囲気を出すためにわざとこの構成にしたのかな?審査員の苦労が少しだけわかったような・・・

彼らの今後の活躍を期待し、今度はそれぞれのコンサートにも足を運ぶことにしましょう。

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