(左の1色刷りは変更したキャストとお詫びの追加版)
メットのドンカルロに行ってきました。
開場の午後五時過ぎてもいつものような混雑もなく、入場口ではプログラムの配布が行われていました。通常プログラムは有料で千円から三千円ぐらいするのですが、今回のキャスト変更のお詫びのつもりで無料配布したのでしょう。
開演は午後6時、しかしその6時から5分程度メトロポリタン歌劇場の総裁の挨拶(弁明)がありました。これだけ大幅なキャスト変更があった場合は責任者が謝罪するということはよくあることなので当然と言えば当然ですね。(暴動が起きるかも)
そして開演、客席に空席も目立ちます。こうしたチケットの高い公演は比較的値段の安い三階のE,F席はほとんど空席がないのが普通なのですが、こうした安い席にも空席が結構ありました。震災の影響なのか、キャスト変更のためなのかはわかりませんが。
主役を代役で務めたヨンフン・リー、エカテリーナ・グバノヴァ、マリーナ・ポプラフスカヤはそれぞれ好演していましたが、やはり大舞台での経験の浅いヨンフン・リーは他のキャストと比べてちょっと貫禄負けという感じはしました。
さすがルネ・パーペ、ディミトリ・ホロストフスキーは期待どおりブラボーでした。
やはり当初のキャストで見てみたかったというのが正直な感想です。それか、いっそのこと公演中止にしてチケット代を払い戻してくれればよかったのに。
今回の演出では一幕冒頭にフォンテンブローの森での戦火による貧困にあえぐ民衆のシーンが盛り込まれていて、なぜエリザベッタがスペイン王との結婚を承諾せざるを得なかったかが分かるような演出になっています。
とかくこのドンカルロというのは話のすじの最初と最後がわかりにくい芝居ですからね。
観終わって総体的にどうだったかと言えば、まあまあといったところか。客席からのブラボーの声も盛り上がりも今一つだったような。期待が大きかっただけにメットの看板を背負っての公演としては物足りない感じでした。
悪くはないのだけれども、チケット代に見合わないというところでしょう。
結局、終演時間も予定の午後10時40分を3分超過、その時点で午後11時発の最終電車には間にあわないことが決定。昨夜は東京の親戚の家に泊まることに。
たとえ東京近辺に住んでいたとしても、この終演時間はちょっと遅すぎるのではないかな。23区内に住んでいる人ならともかくそれ以外ではやはり帰るのが大変ではないかと思われます。このあたりも空席が目立った原因かもしれません。
今年は、震災の影響で公演中止や、キャストの変更が相次いでいますから、しばらくオペラ公演へ行くのは見合わせにするのが懸命のようです。