関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

一般質問(後半)

2007年12月07日 | 活動報告

 一回で載り切らなかった、一般質問の後半をお知らせします。
 これまた長~いですが、ご容赦下さい。

「軽度発達障害への支援施策について」
 軽度発達障害という名前がある訳ではないようだが、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、以上の三つは自閉症スペクトラムと呼ばれる連続性のあるとされる障害。これにLD:学習障害、ADHD:注意欠陥多動性障害、これらを総称して軽度発達障害と呼ばれている。
 かいつまんで特徴を言えば、
 自閉症は、社会性、コミュニケーション、想像力の三つの領域に障害が見られ、親しい人とも目を合わせられなかったり、人の物を突然とってしまったり、特定の物に異常な興味を示したりなどの行動があるとされてる。
 高機能自閉症とは、自閉症のなかで知的障害を伴わないもの、アスペルガー症候群とは、自閉症と同様の障害を持ちつつも、知的障害を伴わず、言語発達の遅れもないものとされている。
 ADHDは、極度に落ち着きや集中力が無く、社会生活に困難を伴うもの。
 LDは、知的障害はないのに、読み書き算などの特定の分野が極端にできないという障害。
 これらの発達障害の最大の特徴は、本人も周囲も障害に気づきにくく、見た目は普通の子どもと変わりないため、問題行動をわがままや、親のしつけの問題ととらえられてしまうことが多いこと、すなわち、周囲の理解が得られにくいということ。
 この問題に対する関心は、近年になってようやく高まり、発達障害者支援方が05年4月から施行されました。この法律によって、発達障害の支援体制づくりがようやく始まることになった。
 先んじて学校における特別支援教育が進められているが、今回はそのことにはふれない。
 軽度発達障害の方の支援の上で最も重要なことの一つは、幼児期から生涯に渡る支援体制とされている。その点で最初に伺いたいのは、早期発見と早期の支援開始、すなわち就学前からの取り組みの強化。具体的に3点。
 一つは、5歳児健診の実施。
 厚労省は、昨年10月に「軽度発達障害児に対するきづきと支援のマニュアル」を発表し、発達障害の子どもたちにいつ頃、どのような体制の中できづいていくべきか、そのモデルとなる体制は何であるのかを示した。
 それによると、「早期発見といっても早ければいいというのではなく、むしろ問題点が見えてくる時期に適正に発見するという適正発見という考え方が望ましい」として、3歳児健診以降から小学校に入学するまでの間、たとえば5歳児健診あるいは発達相談をおこなうのが良いという考えが示されている。
 その考え方の元となった研究の結果では、5歳児健診によって、小中学校で把握される軽度発達障害児のほとんどを5才の段階で発見できる可能性を示唆し、また発見された児童の半数以上が3歳児健診では何の問題も指摘されなかったことも上げて、「5歳児健診が極めて有用」と述べている。
 そこで、5歳児健診の有用性についての認識、本市における実施の可能性についての考えを伺う。
 就学前の取り組みの二点目は、
 幼稚園保育所の段階から、一人ひとりへの系統的継続的支援が開始されるようになることが望まれるが、そのための保育園・幼稚園への援助の問題。四つほど上げる、
  )幼稚園保育園への研修の場の提供、
  )幼稚園保育園への巡回指導
  )私立の幼稚園保育園への経済的援助。
  )公立保育園での療育訓練の実施と、園児受け入れ、
  就学前の取り組みの三点目は、幼稚園保育園から学校への、引き継ぎ・就学前に協議の場を持つこと。
 現在も2月頃に、幼稚園保育園を集めた連絡会をおこなっている学校もあるし、園を訪問している学校もある。これを全学校区毎におこなってはどうか。
 軽度発達障害への支援の大きな二項目は、幼児期から生涯にわたる。一貫した支援体制の構築。その必要性を否定する人はいないと思うが、例えば、
 旧朝日地区では、特別支援教育推進委員会というを設置していた。
 小中学校、保育園、大学、医療、教育、福祉の専門家チームに、職業能力開発市絵アドバイザーということで、社会に出てからのことも見据えた組織、こういうものをつくっていた。今求められる最善のあり方の一つではないかと思う。
 委員会の基本姿勢として、「行政の責任として、障害のある乳幼児から将来の自立・就労まで継続した一貫した手厚い支援をおこなう」と謳っている。
 朝日のこの委員会は、経過があって教育委員会が事務局となっていたが、生涯に渡る問題だとするとやはり福祉部局が責任を持つべき。
 教育委員会では、特別支援教育の新たな取り組みを開始している訳だが、教育委員会と健康福祉部との相談をすぐにも始めるべきと思うがいかがか。
 生涯に渡る支援という点でもう一つ上げたいのは、講演会の開催や、さまざまな機会を捉えて、市民に理解を広げる取り組み。
 以上、軽度発達障害児への支援強化の問題について。

健康福祉部長答弁
 近年、集団生活の中で集中できない、動きが激しい、怒りのコントロールができない、といったような、いわゆる気になるお子さんというのが増えている傾向。
 医学的には、自閉症、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などに診断をされるということだが、調査によれば全体の約6%の児童に特別な配慮をようするといういうようなことが言われている。
 市としては、1才半健診、3歳児健診を早期発見の重要な機会ととらえ、特に今年度から軽度発達障害の早期発見のために3歳児健診の問診項目の見直しを図り、言語能力や社会性、理解力の検査とともに、保護者からお子さんの普段のようすや、育児にあたっての困りごとが無いか、あるいは、育ちにくさが無いかというようなことについて、十分お聞きするようにしている。
 健診の結果、発達上のフォローが必要なお子さんについては、保護者の意向を確かめた上で、保健師が市内の認可保育園全園に訪問して、健診場面では確認できない集団場面での行動観察をし、園との情報交換を図り、保護者の方との話し合いをおこない、必要に応じて医療機関や児童相談所、療育センターなどの専門機関を紹介してつなぐということなど関係機関との連携に努めている。
 議員から紹介のあった、5歳児健診先進的な事例、これも厚生労働省の出したマニュアルには、健診に協力できる医師とか、専門知識を持った専門職の確保が必要事項だと書いているので、こういったところの課題もありますので、今後十分に研究をして参りたい。
 また就学にあたっては、幼稚園、保育園、小学校の連携のために、小学校区ごとに、幼保小ブロック研修会というものが組織をされ、幼保子一貫した教育にたっての指導をおこなう観点から、新年度入学予定の年長児について、小学校の教師が園に出向き、入学前の状況を確認し、情報収集をおこない、また個別に調整が必要な場合は、教育委員会が直接園に出向いたり、保護者の意向を確認するなどの対応がなされている。
 また、保育現場の担当者を支援するため、平成15年度から県教育委員会の特殊学級幼稚園保育園等指導支援事業を最大限活用して、鶴岡養護学校等で障害児教育にあたっている先生方から、夏休み期間中保育園に出向いてもらい、直接指導もいただいている。
 今年度は希望のあった保育園14カ所に、鶴岡養護学校の先生方8名が、31名の児童ついて、現場で直接児童と関わり、保育担当者や保護者との話し合いをおこない、個別に支援の方向性について確認。
 また、研修については、県の発達障害者支援センターなどの研修会の周知を図るとともに、市独自に保護者向けの養育口座や、保育士を対象とした実践的な研修を17年度から実施しており、保育園研修協議会と協力して学習を積み上げるなどの取り組み。
 民間保育園に対する財政支援については、発達障害児を受け入れた場合、県の補助に上乗せして財政支援をおこなっている。
 次に、幼児期から生涯に渡る一貫した支援体制は、平成17年4月に発達障害者支援法が施行され、国県でも発達障害への支援体制の整備がようやく動き始めた。
 本市としても乳幼児期だけでなく、学童期、青年期、成人期まで通して継続的に支援していくために、健康課社会児童課、教育委員会、福祉課それぞれの役割を再検討し、今後は、障害者の就労支援についても視野に入れ、県の療育専門機関や、社会福祉法人、NPOなどとのネットワークを強めながら、支援体系を充実していきたいと考えており、今年三月に策定しました鶴岡市障害福祉計画にも、発達障害者の支援の強化を掲げて、ライフステージに応じたコーディネートの中心機関を定めまして、支援の連続性確保のため、連携会議の開催や、幼児期に診断のついた障害児の個別支援計画について関係機関が情報を共有するためのカンガルーノート、それの活用が施策の方向性とあげられている。
 しかし、発達障害児について診断できる医師であるとか、具体的に指導できる専門知識を有する人材が全県的に不足をしているということもあり、支援体制は十分とは言えないことも事実。
 幼児期から学童期、青年期、就労にいたるまでの継続的な支援体制のあり方が、課題となっており、お話しのあった朝日地域でおこなっている特別支援教育の体制なども参考にしながら研究をして参りたい。
 いずれにしても、発達障害児支援については、社会全体の理解、協力が重要。
 今後発達障害者の自立、社会参加が進むための支援体制について関係機関と十分連携・協議の上、有効な支援体制が進むように方向で考えております。

再質問
 軽度発達障害への支援、研修についてはさまざまな取り組みをされていて、評価もされているということは私も承知。
 それから、私立の園への援助、何人いても882000円では保育士一人雇えないということですし、それから、ご承知の通り、この障害については親御さんがなかなか認めることが難しいということもあり、その場合は補助をもらえないということですから、そのあたりのことも補助制度については認識をしてもらいたい。
 3歳児健診について内容を研究して改善を進められているということ、私も承知。
 関係者の方も高く評価されているということで私も認めたい。5歳児健診の有用性については否定するようなことでないということですから、専門家の確保について引き続き努力していただきたい。
 次の巡回指導の問題、これは健診では障害がみつからないケースというものもたくさん発生するし、親御さんがなかなか受容することができないという場合、園の方ではなかなか十分に納得するまでお話しできない場合もあるということですから、公的に巡回してその際に回ってきた方が親御さんに助言をされるということも、非常に有効なことと思いますので、そんなことも含めて、検討していただきたい。
 もう一点伺っておきたいのは、幼保小連絡協議会、ブロック協議会、これが成果をあげているということはその通り。ただ、すべての学校区でおこなわれているということではないと思いますので、これはすべての学校区でおこなうということでどうか。
健康福祉部長答弁 
 巡回相談は現在も保健師が各保育園全園回り、気になるお子さん、集団でいる観察というものをおこなっておりますので、そういった面でなお充実を図って参りたい。
 ブロック研修会は、各小学校区毎に組織されているというふうに理解しておりましたけども、そういったブロックが無いところがあるのだとすれば、おこなってもらうように検討して参りたいと。
再質問
 巡回のほうは、3歳児以降の発見の向上ということで時期も含めて、5歳児健診できない中で補完するものとしてお願いしたい。
 それからブロック協議会については、園と学校の話し合いの場を就学前にすべてで持たれている訳では無いということですので、なお引き続きの検討をお願いしたい。

医療費の市独自助成について
 国の医療制度改悪、県の施策の後退の中で、負担増から必要な医療を受けられない人の増加が深刻な問題となっている。
 今回取り上げるのは、呼吸器疾患によって、在宅で酸素療法をおこなっている方への医療費助成制度について。
 呼吸器疾患で身体障害者手帳を持っている方への医療費助成制度がありますが、東北でみると、青森・秋田・宮城・福島は3級の方まで対象、山形県は2級までにとどまっている。山形県と同じく2級までとしている岩手では、多くの市町村が3級、または4級までの制度。県独自にも65才以上の一人暮らしの高齢者には独自の制度。
 2002年の老人保健法改悪によって、高齢化の医療費負担は大幅に引き上げられましたが、その結果として、経済的理由によって在宅酸素療法を断念する患者さんの増加が伝えられた。
 その数は、改悪後半年の間に、東北六県の保険医協会の調べによると、282件、山形県で38件に達した。
 呼吸器の専門医は、酸素をやめた人がすぐにお亡くなりになる訳ではないが、それは必ず寿命を縮める行為であり、お金の無い人が緩慢な自殺に追い込まれているということだと警鐘を鳴らしています。
 そこで伺います。市には何件こういう患者さんがいるのか、市はこの事態をどう認識しているのか、経済的に困難な患者さんに、市独自に医療費軽減の制度を創設する考えはないか。
市民部長答弁
 本市の在宅酸素療法を必要とする方々について、市町村別の統計データが無く、すべて把握できる状況ではありませんが、呼吸器疾患による障害の認定の方につきましては、本市においては165名ほどいらっしゃる。すべての方が酸素療法をしている方ではございませんで、そこで病院や酸素機器を提供している方々の情報では、本市では110名の方々が、酸素療法を受けている。ご高齢の方々が多い。
 酸素療法は、医師の診断が必要ですが、医師の指導管理料、携帯用の酸素ボンベ、酸素濃縮装置使用料の三点セットで、保険適用になっております。
 そのほかに、自己負担分につきましては、レセプトを見ますと、一律ではありませんが、自己負担が1割であるご高齢の方では、概ね月8千円前後、これに診察料が加算され、総額は約1万円ぐらいということになっております。
 ただ個々の症状によりまして診察料は相違することになります。
 高額医療費の制度がございますが、低所得者の方々につきましては自己負担月額8千円を限度としまして、これを超えた部分は償還払いされている。
 酸素療法の場合、福祉サイドでは、障害者等日常生活用具給付の制度によりまして、酸素ボンベの運搬車の補助というものもございますが、酸素濃縮装置というものを必要とする場合、別途電気料がかかる。
 酸素ボンベは常時装着する方がほとんどのようで、酸素濃縮装置の電気料はさまざまで、濃縮装置とか酸素ボンベは、新しいものであれば電気料については月2千円から3千円のものも。
 県の福祉医療給付事業による助成制度の適用にあたりましては、市町村負担が2分の1ということになっておりますが、酸素療法以外の他の疾患、障害におきましても、それぞれにさまざまな需要。装備とか助成とかのご要望がある訳ですが、要望は増加する傾向。従って障害の状況や医療費負担の状況との関わり、その調整の問題がございます。
 そうしたことにつきましては、一義的には国における医療費制度の枠の中で検討され、措置されるべきものと考えております。
 在宅酸素療法適用患者の方々に限定した対象拡大ということでございますが、医療費給付制度の適用は、他の疾病の方、障害認定の方、こうした方々の自己負担、それから認定の関係とか調整、それから均衡の問題とかございますので、現段階ではなかなか難しいものと考えます。また、市独自助成についても同様に考えております。 
再質問 
 最後に医療費の助成について、これは時間がありません。
 さまざま、るるのべられた訳ですが、結局市としては手だてをしないということでがっかりした訳ですが、命にも関わるものでありますので、しかも金額的にはさほどのことにはなりませんので、これから検討していただきたいと思います。 
 そのことを要望して終わりたいと思います。


 


学童保育所、軽度発達障害、在宅酸素療法を質問

2007年12月07日 | 活動報告

6日(木)、12月議会一般質問で、軽度発達障害児への支援、学童保育所、在宅酸素療法を受けている方への医療費助成について取り上げました。
 全文を掲載します。長~いので一回の投稿に収まりません。2回に分けます。

 学童保育について
 共働きや一人親家庭の増加、子どもの安全に関する不安の広がりなどの中で、学童保育の必要性と期待がますます高まっている。
 1993年に全国で約7500カ所23万人だった学童保育は、2007年5月1日現在では約16700カ所745000人に達している。
 厚労省は07年度予算で、整備のスピードアップを図るとして、補助金総額を42%増やしました。10月には「学童保育を生活の場として子どもたちの健全育成を図る観点から」「質の向上を目的として」、学童保育のガイドラインを発表した。
 日本共産党は、1974年から法制化を求めるなど、いち早く学童保育の重要性を主張して来たが、鶴岡市議団も、継続的に取り上げてきた。
 鶴岡市の学童も全国と同様、狭く、老朽化した施設、保育料の負担と財政の困難、指導員の劣悪な労働条件などなど多くの問題を抱え、保護者、地域住民、指導員の皆さんが大変な苦労をしいられています。
 その中で、私が今回取り上げるのは大規模化の問題です。通告した質問テーマの「市の考え方、支援策」は、大規模化に絞って伺います。
 大規模化することによる弊害は何か、全国学童保育連絡協議会の見解にそっていうと次のようなことになります。
 第一は、学童保育の基本的役割である「安全で安心できる毎日の生活の場」の保障が困難となるということです。
 それは、子どもたちの落ち着いた生活、安心感のある関係づくりの困難、みんなが一人ひとりを大切にする気持を持つこと、一人ひとりがみんなに大切にされているという気持を持つことなどが困難となってしまうというようなことです。
 第二に、基本的役割を果たす上で必要な、指導員の仕事を十分におこなうことが困難となること。安全の確保、一人ひとりへの丁寧な関わり、子ども同士の関係づくりの援助、こういうことが難しくなるということです。
 第三に、保護者と指導員の関わり、保護者同士の関わりも希薄になりがちで、働く親を支え、励ますこと、共同して学童を充実させていくことが困難となっていくということであります。
 以上の三点が、鶴岡の大規模化した学童の中でも実際に発生しています。
 昨年の12月議会で、党市議団の加藤太一議員が大規模化の問題を取り上げています。保育所の設置基準であれば、子ども一人あたり必要な面積は2才以上だと1.98㎡のところ、旧市内の学童保育では、1㎡から1.7㎡、身体も大きく活発な小学生が、保育園児よりも狭い、畳1畳もない場所に置かれているということ、中でも星の子、三小の子どもの家、四小の太陽の子、六小のゆりの木は、大規模化の解消が緊急の課題になっているということを指摘をしている。
 状況の一端を示すと(写真提示)、これは一小の星の子の勉強時間の様子。議会の中継の画像では個人が特定されるようなことは無いのでお見せするが、登録児童80人強の内、この日は50人程度だが、一番広い部屋に机を並べると、まさに足の踏み場も無い状態。
 遊びの時間となれば、もう一つの狭い部屋と、廊下にもあふれ出して、一輪車が走り回り、ボールが飛び交う、大人などは怖くて立っていられないような状態。
 こうした中で、厚労省も、71人以上の学童への補助金を2010年以降廃止するという強い措置も打ち出して、大規模学童の解消、適正規模への分割を求めている。
 先にあげた大規模学童の一つ、三小学区では、今年もう一つの施設を建築して二カ所に分割したが、当面、あと三カ所の学童が分割を求められている。市は、大規模化した学童の問題点について、分割のための保護者・関係者の苦労についてどう認識しているか、どう対応しようとしているのか。
 第二に、星の子の分割についてどう答えるのか。星の子運営委員会は、コミセン振興会長、社会福祉協議会長など地域ぐるみの運営委員会だが、そこで議論を重ねて、子どもたちのためには大規模化は弊害が多いため、適正規模に分割しなければならないという結論に達し、今年の春にはプレハブを建設するという計画を策定するに至った。ところが、市の方から「プレハブはダメだ」と待ったがかかった。安全基準上の問題だが、待ったはかけたけど、建設への援助は無かった。
 そこで改めて検討を重ね、先月になって施設確保の陳情を提出議会・市当局に提出。市長も時間をとって話し合った。
 一番良いのは、専用施設を市が建設すること。それも、これから改築が始まる一小校舎内に設置あるいは学校敷地内に設置すること。
 なお、この学校校舎内または敷地内への設置という方式については、H18年12月議会で教育長が「担当課と協議をしながら検討したい」と答弁している。
 二つ目は、既存の公的施設を貸与するということ。
 以上のようなことが考えられるが、考えを。
健康福祉部長答弁
 現在鶴岡地域に12カ所、そのほかの地域に7カ所と、合計19カ所の学童保育所が設置。近年、少子化で児童数が減少しているにもかかわらず、核家族化等児童を取り巻く環境の変化で、放課後家に帰っても誰もいない、留守家庭の割合が年々高くなっている。
 学童保育所の登録児童の数は増加の一途をたどり、19年度は901名の児童が登録。
 本市の学童保育所は地域によって運営方法が異なり、鶴岡・温海地域の学童保育所は民間での運営、藤島・櫛引・羽黒・朝日地域は、市の直営。
 また、実施場所もさまざまで、学校内で実施しているもの、児童館で実施しているもの、市有財産の公的施設を使用しているもの、その他、貸家だとか学童保育所所有の専用施などさまざま。
 ご指摘の通り、近年登録児童数が増加をしている中、とりわけ、鶴岡地域の市街地の民営学童保育所では、施設の老朽化や保育スペースの確保など、さまざまな問題を抱えながら厳しい運営を強いられているものと認識。
 特に、スペースの問題に関しましては、市街地の学童保育所の切実な問題で、児童数の増加に施設面で対応し切れていないという厳しい現状。
 こうした状況をふまえ、市では国・県補助単価にもとづく補助金の他に、保育内容の充実を図るという観点から、市単独の補助制度を設けて、職員の加配補助、家賃に対する補助、高熱水費に対する補助などをおこなっている。施設面でも、学校、近隣の公的施設の活用を図り、児童の放課後における生活の場がいくらかでも保障できるように努めてきた。
 また10月には、お話しにあった厚生労働省の放課後児童クラブガイドラインが作成され、開所時間・保育スペース・職員体制など基準が示された。施設の最低基準という位置づけではなく、国の技術的な助言にあたるもの、一つの方向性として示されたというものなので、本市の施設と照らし合わせながら質の向上に努めたい。
 こうした状況だが、本市の放課後児童対策の基本的な考え方としては、近年の核家族化と子どもを取り巻く環境の変化により、留守家庭児童の割合が極端に高くなって来ている今日、従来の放課後児童対策に加え、何らかの施策を講じる大きな転換期に来ているものと認識。
 昨年国では放課後子どもプランを打ち出し、放課後児童対策として学童保育所である従来の放課後児童健全育成事業に加えて、全児童居場所づくりとして放課後子ども教室事業を推進。
 この事業は全児童を対象に、放課後における体験活動、学校活動の場を提供するというものであり、現在、市の教育委員会でも地域の意向をききながら模索をしているところ。
 子どもを取り巻く環境が激変している今日、さまざまな施策を取り入れながら、総合的に放課後の子どもの居場所づくりを推し進めていくのが理想であると認識しており、今後教育委員会と関係機関と十分に連携し、さらに他市の事例なども調査・研究していきながら、時代の変化に応じた、かつ実効性のある支援策を講じていきたい。
 次に、第一学区学童保育所星の子は、昭和62年4月に開設をされ、現在85名の児童が登録。施設は旧鶴岡第三中学校の校舎を使用し、教育研修所と同じ棟。施設がかなり老朽化をしているため、施設の補修が必要となった時は、県の紅花ふれあい基金などの基金制度を活用しているが、議員からご指摘あったように、近年の登録児童の増加により、施設はかなり狭隘で厳しい状況にあると聞いている。
 こうした中、先日、第一学区コミュニティー振興会等各種団体の連名で、早急な施設整備、また新設の朝暘第一小学校に学童保育所二カ所併設してもらいたいという要望を受けた。
 ただ、学校建設計画に学童保育スペースを確保するということは、都市計画の用途区分が第一種低層住宅専用地域ということで、施設の面積に制限があることや、放課後の居場所の整備は補助対象にならないということ、あるいは管理上の問題があるということから、学校建設計画に組み入れることは極めて困難な状況。
 また学校近隣の使用されていない市所有の施設の活用も検討しているが、近隣には適当な建物が見あたらない。こうしたことから、現在の学童保育所が入っている、教育研修所内に使用されていないスペースがあるとも聞いているので、当面はそこを利用できないか考えている。今後、教育委員会と十分協議をしながら検討して参りたい。
再質問
関 まず学童保育の問題について、時代の変化に応じた対応をしていきたいということで、放課後子ども教室のことなども上げられたが、全国的には一部で放課後子ども教室でもって学童保育所の整備を省略しようとしう動きもあるようだが、厚労省自体もそうではないと、学童保育所も放課後子ども教室もそれぞれ充実させなければならないということを改めて通知もしている。そういうところはしっかりとお願いしたい。
 いずれにしても、大規模化が問題であるということを今回はしっかりと確認をされたので、そしてそれぞれの運営委員会の困難についても認識をしているということなので、そこに対する暖かい援助を市として、子育て支援に不可欠の施策という位置づけでの援助をお願いしたい。
 一つ参考にしてほしいのは酒田市の施設の確保の取り組み。酒田には12カ所の学童、10カ所は公設で多くが専用施設として整備。
 これは(以下、写真提示)、昨年度酒田市が建設した宮浦小の学童「きらめきクラブ」だが、学校の敷地内に校舎に隣接して建てられている。
 これが、勉強などで静かに過ごすスペース、こちらがプレイルーム、体育館のようなもの、そしてこちらが指導員の部屋があって、この奥には具合の悪いお子さんが休む静養室も備えられている。
 鶴岡の学童の状況から見ると、大規模学童が二つぐらい入るという感じがしたが、55名程度の施設としてつくられているということで、現在の利用は33人。
 利用料は月7600円、保護者会費1000円。酒田はどこの学童もこのぐらいの水準のようで、酒田市の福祉全体の評価はしないが、学童に関して言えば、これは是非とも大いに参考にしてもらいたい。
 それから星の子、ただいまの答弁でよしとするのかどうかは、運営委員会の皆さんにゆだねられるべきこと。
 いずれにしても、市の責任でもって公的な施設の確保を図りたいということは確認させて頂きたい。
 しかし、教育研修所というのも老朽化した施設なのであくまで当面の策ということになる。次の策について引き続き検討してもらうということをお願いしたい。