関とおるの鶴岡・山形県政通信

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議会最終日に討論

2010年03月25日 | 市政全般

  3月議会最終日、日本共産党仕儀段を代表して、市長提案の議案を審議した結論としての討論をおこないました。その要旨をご報告します。

 一般会計予算、国民健康保険特別会計予算、後期高齢者医療保険特別会計予算、介護保険特別会計予算、集落排水事業特別会計予算、公共下水道事業特別会計予算、病院事業会計予算、、市立病院への地方公営企業法全部適用に関する二つの条例に反対。

 総選挙から半年、新政権への大きな落胆が広がっている。マニュフェストの労働者派遣法抜本改正や後期高齢者医療制度廃止など、格差と貧困を解消し国民の暮らしの安定を図る施策も、沖縄米軍基地問題など非核平和の施策も道筋は示されず、消費税増税がほのめかされ、政治と金の問題にも無責任。
 こうした中で、市民の暮らしと福祉を守る自治体の役割の発揮と市民の力を最大限に生かす施策がいよいよ求められるが、各予算と関連条例は、その要請に応えることができない、前市政の基本的問題点を継承したもの。

 第一は、暮らしを守る施策の立ち後れと後退。
 国保滞納世帯が3千世帯・加入世帯の14・2%し、高すぎる国保税が暮らしを脅かす。
 国庫負担減が根本問題だが、本市独自でも17億円にのぼる財源留保額の内、約4億円取り崩せば一人平均1万円の引き下げが可能。
 所得の高い階層の増税が提案されたが、国保税の全体の引き下げを図るべき。
 後期高齢者医療制度を無批判に受け入れる特別会計予算も容認出来ない。
 介護保険では、小規模特養と小規模多機能施設各1カ所整備の計画だが千人に上る特養入所待機者の解消には不十分。増設目標の大幅上乗せが求められる。
 利用料負担軽減で、誰でも必要な介護が受けられる制度に。
 社会保障の分野で「安心文化都市」に違わぬ独自の施策を。

 第二に、行政改革・合併調整という名の市民負担増とサービス削減。
 市立保育園民営化は東部保育園で3園目。市立私立それぞれの役割を認識し、充実を図っていくべき。
 保育所保育料も、24年度の統一に向け、藤島・羽黒・朝日・温海で21年度に続いて引き上げ。
 学童保育保育料は、藤島・羽黒・櫛引・朝日の料金統一で、長期休暇中の料金引き上げになる地域も出る。旧市の施設も含めて保育料軽減を実施すべき。 
 大規模校の図書館司書は、正規職員から臨時職員への置き換えが進み、22年度で全校が非正規雇用。
 羽黒中学校改築で、給食の自校方式をやめ外部からの配送に。教育の一環としての学校給食の後退。
 学校適正規模検討事業は、小規模校の保護者・関係者の総意積み上げを。
 下水道使用料は、合併前と比べて大幅に引き上げ。
 旧町村で、敬老会への公費負担や老人クラブの補助が削減。
 市営青柳団地など老朽化が進む市営住宅の改築・新築も放置。

 第三に、市立荘内病院の給食を病院給食最大手である県外業者に委託。
 経験を積んだ正職員が誰もいなくなり、委託業者の劣悪な労働条件では、雇用の安定と士気の確保も難しく、調理職員の技能を確保・向上させていくことは困難。
 食材費削減で食材の質の低下も懸念。
 委託業者が上げた利益は、地域の外に流出し、地域経済にもマイナス効果。
 「問題がおこらないよう業者に求める」と言っても、何の保障にもならない。
 市が業務内容を細かく指示・管理する契約は、偽装請負となる可能性。
 「民間業者は悪」とは思ってもいないが、利益本位の県外大手業者では多くの弊害が懸念。
 このような委託は、地産地消を謳う創造文化都市宣言や安心文化都市宣言の趣旨とも全く矛盾。
 荘内病院への地方公営企業法全部適用も、病院経営の採算性重視、将来的な独立行政法人化にも道。
 市長が掲げる行財政改革が、民間に委ねてはならないものも民間に投げ出し、削減してはならない市民サービス削減を評価する「事業仕分け」のようなものにならないか、重大な危惧を感じる。

第四に、産業と雇用政策の基本方向。
 地場産材を使い地元業者が建築する住宅は地域経済振興に効果が大きいが、市は消極的。
 地球温暖化対策も含めた森林資源の活用と、1万人住宅関連業者の活性化を合わせた、戦略的施策を。
 農業、市生産調整配分で有機特別栽培に対する傾斜配分が減、有機農業推進にマイナス。
  米価暴落と、不十分な「米戸別所得補償モデル対策」などについて、国に発言もしながら、本市施策の充実を。

 産業政策の誤りの大本は、先端研のバイオ研究偏重。それは、産業政策だけにどまらない市政の根本問題。

 10年前「バイオ産業での企業40社の創業と一千人の雇用創出」と計画されたが、市長自身も「難しい」と発言する中で、16億4千万円の第四期事業が提案。
 「約100社の企業との共同開発の実績」「研究がいよいよ実用化段階に入った」と言っても、本市の産業と雇用には、大きな効果が見込まれない。
 世界最先端の研究は、地場産業・中小商工業との関連が薄い。
 研究の進展は期待するが、それは国の支援でおこなうべきで、本市の税金投入は、地域経済の振興と雇用拡大の効果に見合ったものに。
 最近では、「若者の流入」「ガン医療」「農産物の付加価値」など、色んな効果を強調するが、当局説明でも38億円の市税投入、22年度も9億近い投資する事業としては、市民の理解得られない。
 市議団アンケートでは、バイオ研究への支援を「廃止すべき」「縮小すべき」62.4%、「継続」「拡大」5.2%。

 市政の前向きな面もある。
 副市長2人制廃止、審議会の公募委員導入など広く市民の意見を聞く姿勢、合併の弊害に目を向けて地域庁舎に予算と権限の配分、などは、先進的施策ではないが、これまでの市政への市民の批判を受け入れたもの。
 子ども医療費軽減、臨時職員賃金の引き上げなど、党市議団主張でもあり、市民の声への前向きな対応。

 最後に、先端研への一極集中を見直し、市民の暮らしを守る施策の拡充、地域資源の活用と鶴岡で頑張っている市民・団体の支援に全力を尽くしていく道こそが、鶴岡の未来を拓く大道であることを強く訴える。

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