市は、朝日保育園、本郷保育園の園舎の建て替え計画と同時に、大網保育園と大泉保育園の統廃合を打ち出しました。
5月に保護者を対象にした説明会がおこなわれましたが、当該地域の保護者の参加はわずかでした。
関係者に聞くと、「どうせ何を言ってもムダ」という、あきらめ感から、参加しなかった人が少なくなかったようです。
合併後のランドセル支給の廃止から、今春から実施された学校給食センターの民営化に至るまで、住民の声を無視して、旧朝日村時代からの子育て施策を次々と切り捨ててきたことが、保護者の意欲を大きく損ねています。
私は、改めて大網・大泉両保育園も訪問しながら、関係者の方々から状況聞き取り、旧朝日村時代からの経過などを調査していますが、ここでは、特に大網保育園についてご報告します。
園の概況(7月末現在)
☆園児
2歳児2人(一人は里帰りで来ている子)、3才5人、4才1人、5才2人 計10人
☆同職員体制
園長(保育士業務あり)1、保育士1、調理員1、臨時保育士1、臨時保育補助員1
☆保育時間 AM8:30からPM3:45まで。
☆保育内容
「森の保育」を掲げて、自然の中での保育。雨の日でも外に出たり。
日常の保育と共に、七夕、巣箱作り、川遊び、きのこ汁など年6回の行事も実施。
☆地域のお年寄りが「調整員」として、保育園の運営に参加。
お年寄りが教えるきのこ・山菜取りや、巣箱作り、森遊びなどの中で、子ども達が
「命の大切さ」「自然の中でのルール」など大切な学び。
また、お年寄りは、園周辺の草を刈ったり、保育園に色んな協力も。
☆市内のいくつかの保育園も、年何回か訪れて「森の保育」を実施。
非常に好評。
大網保育園の子たちが、虫を捕まえたり、「やってみせる」。
「森の保育」はまだ二年目、先生方にとっても模索の最中のようですが、すでに地域住民の参加の中で、古(いにしえ)からの森の文化の継承が始まっているようです。
子どもたちは敬老会に行っても大歓迎。「歌ったり、踊ったりしなくてもいい。いてくれるだけで嬉しい」と、保護者はもちろん、地域の人みんなの「たからもの」です。
「たからもの」として大切にしてくれる地域の中で育つということは、子どもにとって何よりの保育環境ではないかと思います。
ところで市は、「森林文化都市」を掲げながら、森の整備をボランティアでやりたくてウズウズしているように見えます。
それはそれで良いことではありますが、ボランティアで森を守るのはムリでしょう。
山に暮らす人、山に集落があってこそ森は守られます。
「森の保育」も、市内の子どもが、誰かが守ってくれる森に行っておこなうものではなく、地域の人が育てる森と、「森の保育園」=森の子どもがあればこそ可能なものに違いありません。
もちろん、過疎地に住む保護者が、森の保育園を選ぶか、統合保育園を選ぶかは、保護者が子どもを思って決めることです。
「森の保育」の理念を押しつけることもできなければ、ましてや市の財政事情で過疎地の保育園を奪ってしまうことがあってはなりません。
私は、子どもらに最善の保育が与えられるように、力を尽くしていきます。
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