関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

 「まちキネ」にて「一枚のハガキ」に感動

2011年08月17日 | よろず

 まちなかキネマで、映画「一枚のハガキ」を観ました。公式HPhttp://www.ichimai-no-hagaki.jp/
 実にすばらしい映画でした。
 
 赤紙一枚でかり出された海軍二等兵松山啓太(豊川悦司)の一枚のハガキとの出会いとそれからの人生と、
 ハガキを書いた森川友子(大竹しのぶ)の人生が同時並行のように進み、そして破滅の縁での二人の出会い。
 
 百名の部隊の中で、くじ運によって生き残った6人の一人としての松山の苦渋、
 死んだ(殺された)94人の恨みであるかのような、松山に対する友子の罵倒、
  重く、息を呑むシーンが続きます。
 
 戦中の農民の極貧の暮らし、「家」の奴隷としての嫁、
 その中にも存在した夫婦の情愛、
 それを理不尽にも踏みにじる戦争、

 設定はリアリティーがあり、かつ人間と社会の本質的テーマを幾重にも重ねた分厚いものであり、それを、今を生きる私たちにどっぷり感情移入させる演出と演技。

 極限的な状況の中で見せるユーモアも特別な力を持っていました。
 それは何も上品なものでは無く、素朴な、愚直な笑いが、
 重苦しい状況から、最後に示される希望のシーンに、観る者の心を橋渡ししてくれたように感じられました。

  大竹しのぶの演技がスゴかった。
 運命に虐げられて、人間の感情を無くした貧農の嫁の姿
 巨大な運命の力に対して遂に激しい怒りを吐く鬼の形相、
 感情が破綻し炎に焼かれようとするおどろおどろしい姿。
 ずたずたになった自分を「こんなぼろくずみたいな女」と言うシーンがありますが
 どん底の暮らしの中でも亡夫への愛情をそこはかとなく漂わせる姿には、松山を(男心を)引きつけるものが確かに表現されていました。
 私は、強烈に惹きつけられましたね、正直言って。

 映画を観て心に残ったものは、「戦争」と「(庶民の)幸せ」ですね。
 前者が絶対的な権力であり、最悪の人間破壊であることが暴かれるとともに、
 後者が戦争に簡単に踏みにじられる儚いものであるけれども、美しく希望に溢れたものとして力強く復活します。
 
 夫婦が、一歩いっぽ踏みしめながら生み出そうとしている「幸せ」の姿は、私が観てきた数ある映画の中でも出色のシーンでした。

 感動したという他ありません。
 
 以上、映画評論(?)をしようとは毛頭思っていませんで、多くの方に是非とも観て頂きたいというメッセージにさせて頂きます。

← 「ブログ村鶴岡」ランキング参加のためワンクリックのご協力をお願いします。(何のご負担も発生しませんのでご心配無く)