7月11日(水)、出羽商工会ソーシャルメディア研究会主催の、「庄内はひとつ!7.11全庄内ミーティングIN大山~地方の力にSNSを使おう~」に参加しました。
第一部、「庄内におけるフェイスブックグループ活用事例報告」は、地域の様々なテーマの取り組みをFBを活用して進めてきた事例の報告で、それぞれにとても興味深いもので、一人5分の時間ではもったいないお話しばかりでした。
続いておこなわれた、佐賀県武雄市長:樋渡啓祐さんのお話しは、大胆で、刺激的でした。
SNSのお話しとしては、杉山さんのお話も含めて非常に興味を引かれました。
が、しかし、市立病院(もとは国立療養所)民営化や、市立図書館をTSUTAYAに指定管理することなど、その政策と政治手法は、前もって調べてみるととても乱暴。
笑ってはいられないものでした。
「良かった」という話しは溢れかえるでしょうから、私は、多くの反発を承知で敢えて問題点だけ提起したいと思います。
民主的議論を深めるために、不興を覚悟で感想を述べます。
市長は図書館の問題について、計画を市民と議会に知らせる前に東京で打ち上げる、それを議会で追及されると、「賛成して下さる議員には事前に話した。偏見を持っている議員には話す必要が無い」などと開き直っているようです。
何よりも、「図書館とは何か」、「真に市民に役立つ図書館のサービスとは何か」について、市民が考える暇も無く議会の多数の力で強行されていることは問題と思いました。
「TSUTAYAのポイントがつく」などは論外として、「民営化でサービスが向上する」という主張を具体的に検証する必要があります。
図書館に求められるサービスとはなにかということです。
私は、「公務員がすべていい」とは思いませんが、「民間がすべていい」とも思いません。
今、「民間は公務員を上回る」という主張が幅をきかせていますが、それでも消防や救急車を民営化した方がいいという人は少ないでしょう?
公務労働とは、利潤を求めるのではなく、住民に奉仕することをそもそもの目的にするものであり、現状に色々問題はあるとしても、民間企業には代えられない役割を果たしていると思います。
そもそも論から、具体的に検証することが必要です。
真実をつかむためには時間がかかります。
地方自治体においては、市民が真実をつかむために必要な情報提供と説明・議論の場を提供し、その上に議会が審査し議決するという過程が必要です。
ただ、「議会にかけて議決した」などというのは議会制民主主義と地方自治の本旨から逸脱し、住民の利益を損なうものです。
武雄市長の言う「スピードは最高の付加価値」という主張は一見魅力的なものではありましたが、住民合意の形成よりも上位に位置づけられてはなりません。
それを踏み越えれば「独裁」です。
それから、自らの主張をアピールするために、「既得権益」などと敵を仕立て上げ、自分がそれと対決するという構図を描いて見せる手法も気になりました。
市立病院民営化問題で損害賠償を提訴した方々や図書館のTSUTAYA指定管理に疑義を呈する図書館協議会の方の(それぞれが懸命にみずからの主張を尽くしている人と思われました)を流して、「人の足を引っ張る人は人相が悪い」などと笑いものにする姿勢。
一方的にこきおろして笑い飛ばすやりかたは、下品な大衆扇動であり、真実の探求の妨げと思うところです。
鶴岡市では、長年図書館関係者の方々は専門職としてプライドを持った努力をされてきました。
学校図書館関係者は、全国一と言われるすばらしい業績を上げてきました。
いずれも公務員としての仕事です。
そして今、そうした蓄積を土台に、「鶴岡を読書の街に」という運動も広がっています。
私は、こうした長年の努力が活かされる市政を目指して、引き続き全力を尽くしていきたいと思います。
最後に、図書館の専門職のプライドを表す絵本として、「バスラの図書館員」を紹介します。
私が小学校の読み聞かせでも紹介している本です。
http://blackmamesu.at.webry.info/201001/article_55.html
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