関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

熱中症の悲劇はもうごめん~山形で、またしても~

2012年08月01日 | 子育て・教育

7月28日に山形中央高校ラグビー部員が練習中に熱中症の症状で倒れ、二日後に死亡したというニュースが報じられました。

毎年のように繰り返される、スポーツ中の熱中症死亡事故、とりわけ子どもの事故の痛ましさに胸が潰れる思いがします。

私はこれまで市議会本会議・委員会でこの問題を取り上げ、活動報告やブログの中でも地域への周知に努めてきました。
熱中症は、子どもの安全対策を考える上でも、影響が重大で、問題が頻発し、しかもその対策が可能な問題です。
関係者が対策をとれば防げる事故なのです。

昨日のテレビでの関係者の話を聞いて、暗澹とした思いになりました。
 県教委次長「熱中症対策の基準は35℃位、注意は30℃位からするんでしょうから」
 同高教頭 「活動内容は計画に基づいたもので問題なかった。」「ラグビー部は活動一時中止。他の部活には注意を指示した」

確かに、文科省は、「どのような状況の場合に、どのような対策をとるか」という基準は示していませんから、学校と県教委は「役所としての間違い」はおかしていません。
しかし、日本体育協会や日本スポーツ振興センターなどが示している基準から見ると、今回のケースは(報道の通りだとすれば)明らかに逸脱しています。

日体協「夏のトレーニングガイドブック」などには、「乾球温度31℃以上・湿球温度24℃以上(=WBGT28)」では、「熱中症の危険が高いので、激しい運動や持久走など、熱負荷の大きい運動は避ける。運動する場合には積極的に休憩をとり水分補給をおこなう。体力の低いもの、暑さになれていないものは運動中止」とされています。
テレビ報道の通り「坂道での50mダッシュ10本」なら論外でしょう。
そしてそういう論外なことが当たり前におこなわれている現実があります。


各種団体からも専門的知見が明確に示されているにもかかわらず、なぜ文科省はそれに基づく対策を具体化しないのか、なぜ文科省が言わなくとも必要な対策を打ち出す自治体が無いのかということです。
文科省は、今年6月15日にも、「熱中症事故等の防止について(依頼)」という文書を発行し、その中で「適切な措置を講ずれば十分防ぐことが可能です」などと言っています。
適切な対策を打ち出す責任はないのか!? と言わなくてはなりません。

熱中症は、H23年度の文科省の集計で、中学で2168、高校で2008件など、幼稚園、小中高で4642件も報告されています。
しかもこれは、学校管理下で、医療費が支給されたものだけであり(そんなに軽度のものは含まれていないでしょう)、「校外活動としてのクラブ」や「学校共済などの申請をしなかったもの」などは含まれていません。

重度になれば命に関わり、軽度から重度への境界が明確でない熱中症がこれだけ発生しているということを、子どもの命がこんなに脅かされていることとして受け止めなければなりません。

明日は、息子のサッカーの部活があります。
教育委員会に行く前に、まず覗いていきます。

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必見
  「日体協:夏のトレーニングガイドブック」http://www2.japan-sports.or.jp/medicine/pdf/guide2.pdf
   16ページ目に、「基準」が記載されています。

  日本スポーツ振興センター「知って防ごう熱中症」  
  http://naash.go.jp/anzen/anzen_school/anzenjouhou/taisaku/nettyuusyo/tabid/114/Default.aspx

  関とおる2007年9月議会質問 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/c8318c2701c7334cd2410b662c92b097

        2011年7月3日記事 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/96b3e55bbacf8f9e7dc07ac008b4eedf

  山形新聞  
  2012年07月31日 山形市内で猛暑日となった28日、山形中央高ラグビー部の2年生の男子生徒(17)が練習中に熱中症の症状を訴えて病院に運ばれ、30日に死亡したことが同日分かった。高気圧に覆われた県内は28日以降、厳しい暑さが続いている。山形市内は3日連続で猛暑日となり、30日は最高気温が今年1番の36.1度を記録。関係機関は今後も暑い日が続くことから、熱中症への注意を呼び掛けている。
 同校によると、ラグビー部は28日午前10時ごろから、山形市内の千歳山付近でランニングなどの練習をしており、死亡した男子生徒は1時間ほどたった同11時前ごろ、体調不良を訴えた。顧問の教諭は練習を中止し、休むよう指示。熱中症の疑いがあるため、119番通報するとともに、応急処置をした。顧問は車が近くにあったため、救急車で運ぶより早いと判断し、男子生徒を自分の車に乗せ、市内の病院に搬送。男子生徒は入院し、治療や処置を受けたが30日午前、死亡した。28日の山形市内は最高気温35.1度を観測し、今季2度目の猛暑日だった。
 同校の森政行教頭の話では、男子生徒に持病などはなく、新学期の健康診断でも問題はなかったという。森教頭は「練習前、体調が特段悪かったということもなく、練習内容も厳しいものではなかったと聞いている。水分補給なども適切にしていた」と説明した。
 県内では30日、3日連続で22の全観測地点で30度を超えた。山形新聞の各消防本部への取材では、30日午後6時までに熱中症で搬送されたのは11人を数えた。
注意求め文書送付・県教委
 山形中央高の男子生徒が熱中症で死亡したことを受け、県教育委員会は30日、小中高、特別支援学校に対し、熱中症への十分な注意を求める文書を送付した。
 通知では熱中症が野球、ラグビー、サッカー、柔道、剣道などの種目や、ランニングの際に多く発生していることから、特に注意するよう要請した。
 学校生活での熱中症予防では▽直射日光の下での長時間の運動、作業を避ける▽屋外でスポーツや作業をする時は帽子をかぶらせ、薄着をさせる▽小まめに水分(0.2%食塩水など)を補給し、休憩をとる-などを挙げた。