関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

コールセンター問題2

2014年07月28日 | 市政全般

 鶴岡コールセンター(本社:DIOジャパン。東京)の問題で、会社の違法・異常な経営のために退職した元従業員が、「自己都合退職」として雇用保険の失業給付を3ヶ月「待機」とされていた方から、「会社都合退職としてすぐに給付を受けられることになった」と連絡がありました。 小さな前進ですが貴重です。
 普通の労働者が一ヶ月も収入が止まれば、立ちどころに生活が困窮しますから。
 従って、未払い賃金も極めて深刻です。「4月分は7月15日、5月分は18日、6月分は8月1日に払う」と説明されていたものの、4月分が1日遅れで振り込まれて以降、5月分は今日に至るまで支払われていません。

 DIOジャパン社は、東日本大震災からの復興のための国の緊急雇用創出基金事業を受託し、全国各地にコールセンター事業(14事業所)などを展開、昨年度一年間、コールセンターオペレーターの人材育成事業等をおこないました。
 しかし、「自分と同じ立場の人が講師で、名ばかりの研修だった」「他の会社に派遣され、コールセンターとは無関係の仕事をさせられた」などなど、鶴岡の従業員が告発したような事例が各地でもおこなわれていたことが、大門実紀史参議院議員や各地の日本共産党議員の調査で明らかになっています。
 鶴岡では、「にかほの会社に自分の車で出張し、『USBの袋詰め作業』をさせられた。『日報には書くな』と言われた」「講師がスキルの無い人で、全く意味の無い研修だった」等の実態が告発されていましたが、先日、県外の事業所の元従業員(実名記載)から「こちらから鶴岡に講師として派遣された人は、昨年春に採用された研修生」という情報がメールで寄せられました。
 鶴岡の方々の告発を裏付けるものです。

 厚生労働省は15日、同社の問題の調査結果を発表しましたが、ポイントは以下のようなものです。
 ○委託費 42億8600万円 (鶴岡は1億3900万円)
 ○事業受託期間終了後の大量退職発生について 
  「制度上、委託契約としての問題にはならない」「望ましい事態ではない」「今後、・・関係自治体に対し、事業の受託者の選択において、安定した雇用に繋がるか否かの判断をより重視する等について、指導してまいりたい」
 ○給与支払いの遅延について
  7月2日時点において、10県15市町16事業所において、4月分及び5月分の給与として計7320万円
 ○緊急雇用創出事業により発生した収入の取扱について
  「研修事業全体に要した経費を差し引いて、国庫に返還すべき利益が残っているか否かについて、さらに詳細な事実経過を自治体とも連携して調査・確認する必要が生じている。」「調査・確認の結果、適切でないと認められる場合には、関連費用を返還することを含めて対処する」
  
 給与不払いが確認されるとともに、「研修」であるはずの事業で利益を上げながら正当な報告をおこなっていない問題について、調査をおこなうとしています。
 しかし、「研修」自体がずさんであったり、不法なものであったことについては言及が無く、研修期間終了後にまともな雇用継続がなされていないことについても、「望ましい事態ではない」などという認識に止まっていることなど、不十分なものとなっています。
 鶴岡市でも「研修期間中は問題はなかった」(商工観光部長)などと述べており、実態を明らかにして、市・国の認識を正すことが必要です。

 被災地復興事業を悪用し、多くの労働者を踏みつけにした許し難い事件です。
 日本共産党市議団は、17日に鶴岡市・庄内労働基準監督署・ハローワーク鶴岡に対して、同件や不払い賃金の支払い等の解決を申し入れましたが、引き続き、国会議員団、渡辺ゆり子県議と連携して、実態解明と労働者の雇用と生活保護を図っていきます。

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