東京ステーションギャラリーで開催中の「開校100年 きたれ、バウハウス―造形教育の基礎―」を見に行きました。
1919年、ドイツのヴァイマールに開校した造形学校バウハウス。ナチスの弾圧を受け1944年までのわずか14年という活動期間でしたが、実験精神に満ちた革新的な造形教育から生まれたデザインは、現代のアートとデザインに大きな影響を与えています。
私もバウハウスのモダンで機能的なデザインが好きで、カンディンスキーやクレーが教壇に立った独特の造形教育にも興味があり、過去に何度か展覧会を訪れています。
バウハウス・デッサウ展 @東京藝術大学美術館
バウハウス・デザイン バウハウス・キッチン @パナソニック電工 汐留ミュージアム
今回は開校100年を記念して全国を巡回した回顧展で、バウハウスで行われた基礎教育に注目しているほか、その成果となるさまざまな作品、またバウハウスで学んだ4人の日本人についても紹介しています。
(撮影不可のため、画像はいずれもネットからお借りしたものです)
私が特に興味をもったのは「バウハウスの教育」のコーナーです。入学した学生たちが最初に学ぶ基礎教育が、各教官ごとに紹介されています。写真はカンディンスキーの授業風景の再現です。端正に構成される道具たちは、その佇まいだけで美しい。
私が一番気に入ったのは、ヨゼフ・アルバースの授業です。色彩構成で知られるアルバースですが、切込みから生み出される立体のおもしろさに、飽きることなく見入ってしまいました。
フォントが好きなので、シュミットのレタリングの授業にも興味を持ちました。
「工房教育と成果」のコーナーでは、バウハウスで学び後に教官となったマルセル・ブロイヤーのワシリー・チェアのコレクションが圧巻でした。
同じくブロイヤーのトレードマークでもある、金属パイプを使ったネストテーブルや、テーブル&チェアー。
東京ステーションギャラリーは、東京駅丸の内駅舎の中にあり、八角形のドームや、古い赤レンガを生かした展示室も魅力。ここではバウハウスデザインのキッチン用品の数々が、ドームに合わせた八角形の大きなテーブルの上に展示されていたのが心憎い演出でした。
広告の授業の習作。こういう身近なものから、当時のドイツの暮らしぶりがうかがえるのも楽しいです。
なお、当展はコロナ感染予防で密を避けるために、事前にインターネットあるいはローソン、ミニストップでの予約が必要です。ネットは入館時間の3時間前、ローソン、ミニストップでは30分前まで予約可能です。詳細はホームページをご確認ください。