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ストックホルム・ケース

2020年11月21日 | 映画

ストックホルム症候群の語源になった、1973年にスウェーデンのストックホルムで実際に起こった銀行強盗事件を題材にしたクライムドラマです。

ストックホルム・ケース (Stockholm)

イーサン・ホーク、ノオミ・ラパスというキャスティングに惹かれて見に行きました。監督はイーサン・ホークがチェット・ベイカーを演じた「ブルーに生まれついて」(Born to Be Blue) のロバート・バドロー。

ストックホルム症候群とは、誘拐・監禁事件において、被害者が犯人と長くいっしょにいる間に心理的なつながりを築いてしまう状態を指す心理用語です。私が思い出したのはアル・パチーノ主演の「狼たちの午後」(Dog Day Afternoon)。

比べると、この2つの事件には共通点が多いです。「狼たちの午後」は1972年にブルックリンで実際に起こった銀行強盗事件をモデルにしていますし、場当たり的な犯罪で、犯人が人質を思いやる優しさを持っているところも似ています。

イーサン・ホークは、悪者なのにどこかぬけていて憎めない、犯人ラースにはぴったりのキャスティングでした。ラースが過去に起こした事件のエピソードも、彼が冷酷な極悪人になれきれない優しさと弱さがにじみ出ていてきゅんとしました。

ラースの相棒グンナーにマーク・ストロング。でも70年代風のロン毛にしていたので、映画が終わるまでわからなかったです。^^;

そして人質の銀行員ビアンカを演じていたのがノオミ・ラパス。70年代風大きなレンズの眼鏡がすごくかわいくてチャーミングでした。映画を見るまでは、犯人と心理的な絆を築くなんてあるか?!と半信半疑でしたが

いつの間にか、ビアンカに完全に感情移入していました。あの状況だったら、私もきっとビアンカと同じ行動をとっていたと思います。自分が生き残るためには、なんとしてもラースを助けなければならない、という気持ちが作用していたのだと思いますが

それ以上に彼女は、ラースは決して悪い人ではないと信じていたのではないでしょうか(母性愛に近いような??)。私もどちらかというと性善説を信じる人間なので、ビアンカの気持ちに共感できました。

むしろ警察のやり方が、犯人を逮捕するがために人質の人命を軽視しているように感じて、腹が立ったくらい。

ビアンカが、警察に連れられてきた夫に、魚の焼き方を一生懸命説明するシーンがとても好きです。ほろりとしてしまいました。

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