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僕を育ててくれたテンダーバー

2022年04月23日 | 映画

ジョージ・クルーニー監督のノスタルジックなヒューマンドラマです。

僕を育ててくれたテンダーバー (The Tender Bar)

Amazon Studio オリジナル作品。先日、ブログフレンドの瞳さんがご紹介されていて、絶対私の好みの作品に違いない!と早速 Amazon Prime で見てみました。男の生き方というテーマは、今の時代には合わないかもしれませんが

ノスタルジックで、心に響く作品でした。こういうリアルなアメリカを描いた作品が大好きです。もうひとつ見たかった理由は、私がかつて住んでいたニューヨークの郊外、ロングアイランドを舞台にしていたから。

主人公が育った Manhasset は、映画では庶民的な町として描かれていましたが、実際にはユダヤ系のお金持ちが多く住む、美しい住宅街です。(撮影はボストンで行ったそうです) 

原作は、ピューリッツァー受賞のジャーナリスト、J・R・モーリンガーの自伝。主人公のJRは、両親が離婚したために、母といっしょに大家族である母の実家に移り住み、祖父母や叔父に見守られながら成長していきます。

バーを営む叔父のチャーリー (ベン・アフレック) は、父親に代わって歯に衣着せぬことばで、JRに本を読むこと、男の生き方を教えます。母に言わせれば父はクズだということだけど、自分のラジオ番組を持っている父は、JRにしてみれば遠い憧れの存在。

それでいて自分の名前がJr. (”息子”を指すことば) から来ていることが嫌でたまりません。父親を求めつつ嫌悪するアンビバレントな感情の中で、自分のアイデンティティの不在に悩むJRを、タイ・シェルダンが好演していました。

つかず離れずの距離感で愛情深くJRを見守るチャーリーを演じるベン・アフレックもとてもよかったです。ストーリーは全然違いますが、ベンの「グッドウィルハンティング」やベンの弟ケイシー・アフレックが主演した「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に

ちょっぴりテイストが似ているとも思いました。アメリカ東部を舞台にしたこの手の作品に、私はつくづく弱いです。

父の幻影を自分の中からいつまでも追い出すことができなかったJRでしたが、父を訪ねた先でどうしてもゆずれない場面に居合わせたことで、見切りをつけてようやく決別をはたします。そこに叔父の教えが伏線となっていたことにもグッときました。

叔父の愛車を餞別にもらって、育った家を旅立つシーンは、グッドウィルハンティングのラストを思い出しました。アメリカでは、車が特別の意味を持つことを再認識する場面でもありました。

エール大学での学生生活。肌の色の違うルームメイトたちと会った初日に意気投合したり、シドニーに恋するも身分違いであることを思い知らされたり。こんなところにもさりげなくアメリカの一側面を感じました。

他にもいろいろ語りたいことがありますが、きりがないのでこのへんにしておきます。^^

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