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人材を見抜く力ー新たなリーダー組織

2018-08-09 08:26:08 | 歴史から学ぶ

@「安政の大獄」。井伊直弼と補佐役としての長野主膳が主に執行した大事件。川路聖謨、岩瀬忠震、大久保忠寛、永井尚志、水野忠徳等、次世代に活躍できそうな優秀で多くの逸材を失くした事件である。 井伊直弼もそこまで見抜くことができなかったことは時代の成り行きだろう。 さて「人材を見抜く」はどの世代でも、どの会社でも誰かが果たさなければならない責務である。様々な人間力(思考力、企画力、実行力、交渉力等)を持った万能人間は、しかしながらいない。それをお互い補い合いながら得意範疇の「能力」で「協力」し合い、築いていくものだと思う。よって「チームワーク」(協働・協調)の重要性がここにある。「人材を見抜く」はそれぞれの能力のある人材を選び出し、結びつけれる人(一人でなくても)と事なのである。 一人で出来る事は、限られているがチーム・協働(知恵を絞り、共有する事で有益かつ効率よい製品・サービスを生み出す)は今後も新たな世界も創り出せると思う。 それにはチームを率いる人格が優れたリーダーの存在が重要となる。(人格的優秀さはスマートさとは違う)新たなリーダー組織とは、複数(最低2名)のリーダーを相互に切磋琢磨する環境を作り部下は最後にどちらかの提案・アイデアを評価、決定したことを皆で実現させる事だ。常にリーダー組織は交代制を取り、過去の蟠り、慣れ、癒着等の環境にさせないようにする。(今の課題は、過去の成功例、経験でふんずり返っている上司は、タイミング・先見性を見逃しがちで、リスクを負わないからである。リスクが無いことは進展がなく、人材も伸びないと考える。)

『安政の大獄』松岡英夫

  • ペリー来航以来、揺らぎ始めた幕府の牽引を維持強化するため、大老井伊直弼が断行した安政の大獄は、吉田松陰、橋本左内ら英才俊傑のみならず、幕府内の人材も一掃することとなった。侘しい埋木舎時代の井伊直弼と国学者長野主膳との異常に親密な師弟関係があった
  • 井伊直弼は彦根藩35万石の藩主、長野主膳は前半の半生の素性はっきりしていない一介の浪人だった。その二人が安政の大獄という歴史的な大事件を強行することになる。
  • 1815年井伊直弼、14男として出生、同年長野主膳も出生
  • 1842年同じ年の二人を結びつけたのは本居宣長の国学だった
  • 1850年13代藩主になり、52年に主膳を彦根藩に召しかかえる
  • 1853年ペリー来航・将軍家慶死去。将軍継承一橋擁立話がでる
  • 1854年阿部正弘、日米親和条約調印する
  • 1857年主膳、京都朝廷との連絡役、老中阿部正弘死去、後任には堀田正睦。岩瀬忠震、井上清直・ハリスと日米修好通商条約つめる
  • 1858年条約特使川路聖謨、岩瀬忠震を京都へ派遣、京情報・松平春嶽家臣橋本左内、島津斉彬等の動き「生きた書状」を主膳は直弼に送付。直弼、大老に就任。将軍家定「将軍継承は紀州の慶福に決めた」と報告、主膳の情報元九条尚忠が関白辞任に追い込まれる、7月将軍家定死去。16日斉彬急死。京都西町奉行小笠原長常、梅田雲浜、梁川星巌(急死)を逮捕、西郷隆盛・月照は京都脱出
  • 1859年吉田松陰、橋本左内死罪、岩瀬忠震、永井尚志罷免
  • 1860年桜田門の変にて直弼暗殺される、46歳
  • 1862年将軍家茂と和宮婚儀。主膳・宇津木100石加増。7月島田左近斬首、主膳牢獄にて斬首、宇津木もその後斬首される
  • 橋本左内と主膳は同じ目的、開国派で京都に滞在していたが、主膳は橋本含む島津斉彬等の将軍継承問題で衝突。 直弼の将軍継承条件は、血筋の近いこと、家臣が論議することではないこと、一旦決定した後家臣はその命に従うこと、と正当論者であった。よって水戸斉昭、島津斉彬、松平春嶽等の一橋慶喜を避けた
  • 朝廷の人事、密勅行為など含め直弼は幕府の権威を見せるため武力弾圧を決行することになる。主膳の役割は直弼に変わって影の指導者となり、条約勅許の他、将軍一橋慶喜問題を潰すこと、幕府協調派の関白九条を擁護、攘夷・反幕派の高級公家らの一掃すること、水戸の徳川家に下った天皇の密勅問題の事後処理すること、慶喜擁立運動や水戸密勅に関わった幕府批判者を逮捕し重慶を科すこと。「安静の大獄」に指導適役割を果たすことであった。
  • 水野忠徳は事後「井伊大老が橋本左内を殺したるの一事、持って徳川氏を滅ぼすに足れり」と嘆いた
  • 井伊直弼は幕府の高級官僚(才能と経験から選ばれた誠忠誠実人材)を左遷・蟄居させた、よって幕末には幕府に優秀な人材がいなかった
  •             川路聖謨、岩瀬忠震、大久保忠寛、永井尚志、水野忠徳
  •             (としあきら、ただなり、ただひろ、なおむね、ただのり)