@「わしらの役目はのう、ヤクザが堅気に迷惑かけんように、目を光らせる事じゃ。あとは、やりすぎた外道を潰すだけでええ」を自ら実践した一人の敏腕マル暴刑事とその部下となった巡査の探偵小説だ。警察は警察幹部の不祥事と悪事を消し、警察の知名度を堅持しようと警察の捜査範囲を超え暴力団に深入りしたその刑事を犠牲にしていく物語は、まさに現代の「忖度」(今だけ、金だけ、自分だけ)を選択している上層部の傲慢主義に映る。
『狐狼の血』柚月裕子
「概要」常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。
ー「庶民の命を守ることが最優先」極道のいざこざに堅気が巻き込まれ死傷者を出さないことが捜査官暴力団系の使命だと仁義なき極道の争いに巻き込まれていく。その刑事が命をかけて組長、若頭等との交渉をしていく。その裏には、過去に極道の家族の仕打ちと警察内での裏切りがあると睨に捜査を続ける。