@今の社会から逃避した人々、いじめに遭い閉じ籠りの人、生まれながらに、或いは身体障害者、不治の病気持ちの人々が求める幻想空間「普通の世界」(虐待者も居ない、介護人もいないごく普通の人間として安心、安定した暮らしができる社会)を探究し集まった異空間「紅紹館」は、全く違った発想の幻想社会ミステリー事件小説だ。現実社会において「社会の弱者を助ける」といった内容を含めた興味深い小説だ。 今後「孤独社会」が生み出す人間差別のない、ごく普通の人間として暮らせる幻想空間社会、少し前あったような「セカンドライフ」(仮想の世界)がVRデバイスの進化と共に発生しても不思議ではないし、存在してほしい。
『Butterfly World最後の6日間』岡崎琢磨
「概要」人型のアバター=バタフライが生息するVR空間〈バタフライワールド〉にログインしたアキは、ログアウトせず現実世界に戻らない者たちが暮らす〈紅招館〉に向かう。アキはある事情から〈紅招館〉に住み続けたいと願うのだが、非暴力が徹底されているはずの〈館〉で住人の死体が発見される……。現実世界とVR空間を行き来するパラレルワールド・青春本格ミステリ。
ー幻想の世界、妄想に夢を追う、そんなVRデバイスからの「救われる」異次元世界に入れる世が来るのだろうか。暴力もいじめも無い、さらに思いのまま自由にさまよえる幻想の空間(BW)でのびのびと行きたい人々が集まった館「紅紹館」(四六時中滞在できる)に異変が起きる。
ー十人が住む不思議で孤立した館を探し求め二人が新入するとたの空間と隔離され事件が発生していく。犯人を求めて住人含めて現象を検証していくハイテク幻想世界のミステリー小説だ。