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「覇道か王道か」選択するのは国民の意志『孫文 百年先を見た男』

2022-06-13 07:45:15 | 歴史から学ぶ
孫文の「百年先を見た男」はまさに現代でも通じるところがある、ことに驚愕する。「覇道か王道か」の選択はそれぞれの国の史実で分かるが、「覇道は他国のみならず自国内でも同じ事をする」は現代のロシア、中国に見られることでの驚きと、孫文が唱える「三民主義」は実現できれば、どこの国も他国に干渉されない「自由自主」政治の根幹になるに違いない。
『孫文 百年先を見た男』田所武彦
「第一に革命、第二にウーマン…」近代中国を創った革命家・孫文。彼にかかわった女性たち、知られざる私生活、日本・欧米との深いかかわり、その思想の先見性を、コンパクトにまとめた二十一世紀の中国、台湾を理解するための一冊。
孫文:革命の先駆者・三民主義(民族・民権・民生)
    1911年10月に起きた辛亥革命(300年続いた満州族の王朝大清帝国)指導者
    その後袁世凱に総統職を譲り、国民党による全国統一を目指すが1925年3月病死
ー孫文は身長150cm程、容貌は整っていたが目立つ存在ではなかった、純粋、熱弁者
    人種や国境をも乗り越えて聴く人の心に訴える熱弁者であった
    国際性感覚も豊富で日本、英、仏、ベルギー、オランダなどヨーロッパ諸国滞在歴有り
    アジアでは香港、シンガポール、ベナン等での滞在、人脈豊富もあり読書家・インテリ
    (役割は資金調達が主で日本での支持者は犬養毅、宮崎滔天など)
    ハワイの兄での教養(キリストの礼拝に通う)で人格形成
    女性関係と結婚は中国人、日本人を繰り返し最後に中国人の妻を娶る(妾旺盛な時代)
孫文の志:覇道文化ではなく王道文化を推奨
    社会主義における経済建設の方法、階級闘争を「社会の病気」と見做し、中国の伝統思想に立って調和を重んじ、平和的方法で社会を豊かにする道を探り続けた
    (中国の経済改革、対外開放路線を先取りした提言をしていた)
孫文の予測
「ヨーロッパ」
    「もし西洋文明が傲慢に陥ることなく、冷戦に勝つ原動力となった民主主義や人権種層などの「鮮度」を保つことができれば、非西欧社会を取り込みながら多様な文明の共存を図ることができる」「武力で人間を圧迫し、覇道を行なってきたヨーロッパの文化には真の意味での未来はない。西欧の物質文明、機械文明は2つの世界大戦を含む数々の戦争の惨禍を拡大し、広大な未発達地域に対する先進国の侵略、圧迫、収奪の道具となった」
「ロシア」
    「ロシアは公正な道をあくまで主張し、総数が多数を圧迫することに賛成しない」
「日本」
「日本民族は欧米の覇道の文化を取り入れていると同時に、アジアの王道文化の本質も持っている。日本がこれからのち、世界の文化の前途に対して、一体西洋の覇道の番犬となるのか、東洋の王道の干城となるのか、あなた方日本国民がよく考え、慎重に選ぶことにかかっている」
「世界」
「冷戦後の急務は格差是正、人権も生活向上も必要だ、とした上で最後に大国主義は自他に有害である。覇道を行う国は外の民族を圧迫するだけではなく、自分の国もで同じ事をする。」
ー孫文の三民主義 
    民族主義:自国の民族が自国を治め、管理すること
    民権主義:国民大衆が問題を処理し政治を行うこと
    民生主義:国民が国民の生活、生存、生計、生命を守る立場を持つこと
奇しくもリンカーンの「Of the people, By the people, For the people」と同じ
ー「中国の存亡問題」
    国家は外交手段を尽くすことが国の運命を分けることになる
    中立を継続し、軽々に宣戦布告や国際的な団体の加盟に踏み切るべきではない
    (弱い国が災いを避けるには中立しかない、外交手段を尽くすこと)
    中国が求める友好国は米国と日本の双方である、決して一国ではない
    (とりわけ日本は同文同種であり中国を援助する能力が大きい)
    中日両国が調和を維持してこそ、双方の安泰が保障される
    (中国の旧官僚は「夷を持って夷を制す」が多く、日本は言うべき事を言わない)



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