What is wrong?
直訳すると「何が悪いんですか」とか、「何がまずいんですか」とか、「何がダメなの」など。
「いや~しまったなあ」と何かやらかした風な友人や、あからさまに落ち込んでいる友人に一言。
「What's wrong?」
日本語だと「どうしたの?」って訳されることもありますが、英語の「what's wrong?」は日本語の「どうしたの?」ほど汎用性の高い言い回しではない。
日本語の「どうしたの?」は、ヤッター!っと飛び跳ね喜んでいる友人に対しても使いうことができます。
いわば「right」と「wrong」の両面を持っているわけですが、それに対し英語の「what's wrong?」は、あくまでも何かしらの「wrong」が発生していると思わしきときに、心配な気持ちを込めて使うフレーズです。
What's wrong with you?
うしろに「with you」がつくとどうなるのか。
この「with you」は「wrong」に掛かっている。
つまり、ただ「wrong」ではなく、「with you な wrong」という風に限定しているわけです。
withという前置詞には色んな意味がありますが、基本的には「付随して一緒にある」というニュアンスです。
辞書には「状態の帰属先」ともあります。
「wrong」という状態が他の誰でもない「you」に帰属している、つまり「you」が抱えている「wrong」、それが「wrong with you」。
あなたが抱えている不具合は何ですか、あなたの間違いは何ですか。
「What's wrong with you?」っていうのは、いわば「you are wrong」という事実の上に成り立っている。
場合によってはもっと踏み込むんで、「あなたの頭の中の不具合」みたいなニュアンスが込められることも。
本当に「あなたの何がおかしくなっているのか」を知りたいわけじゃなく、相手の間違いを非難したり指摘したい意味合いを込めて言うこともある。
もちろん「with」のあとが「you」じゃなければ、文字通りに普通の疑問文となることもよくある。
ケータイが故障して調子が悪くなったときに「What's wrong with my phone?」と言ったりしますが、この場合は、本当にどこが悪いのかを知りたくて店員さんにそう尋ねています。
この文と比較すると、「my phone」の部分が「you」になっているわけですから、「What is wrong with you」は「you」を故障した扱いしているのがよくわかると思います。