私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

「邪魔」 奥田英朗

2016年10月31日 17時47分14秒 | 読書感想
「このミステリーがすごい」のランキングに入っているから読んでみることにしました。

当然ミステリーだと思って読んだのですが、ミステリーとしてというよりか、単純に小説としておもしろかったです。

ミステリーを期待して読んでいて、何かアッと驚くトリックがあるのかと思ったら別にそうじゃない、それでもおもしろいっていうのがこの小説のいいところです。

「倫理という力」 前田英樹

2016年08月14日 07時25分35秒 | 読書感想
この本はずいぶん前、それこそ病気になる前に買った本です。

10年近く前、まだ二十歳前後のころです。

当時は、よくわからず最初の数ページをチョロっと読んだだけでした。

改めて最後まで読んでみて、やはりよくわかりません。

これは筆者の説明の仕方が下手なのか、私の理解力が乏しいのか、はたまた倫理というものがそもそも言葉で説明することのできないものなのか。

本文の中にも「人を道徳的に振る舞わせる力は、理論とは別のところにある」とあります。

これは言い換えれば、言葉で道徳を説くことはできないともいえます。

ではかつての仏陀やイエスはどうしたか。

本文では「彼らは、ただ端的にある行動をやってみせた」とあります。

そうなってくると、倫理や道徳に関して書籍から学ぼうとすることに、どれほどの意味があるのかしら。

「ガール」 奥田英朗

2016年08月08日 06時57分34秒 | 読書感想
久しぶりの読書です。

およそ一年ぶりでしょうか。

この本自体も去年の秋ごろに買ったものだと思います。

内容は会社勤めの三十代女性を主人公にした短編小説集で、描かれているのがあまりにも現実的な世界過ぎて非社会的な生活を送っている私には眩しすぎて読めず手つかずになっていました。

読んでいて心苦しいのは今でも同じですが、小説としてはおもしろいとおもいます。

興味深いのは作者が男性という点です。

男性がおもう女性の価値観が描かれているんでしょうか。

それともリアルな女性の感覚なのか。

そのへん女性読者はどう感じているのか、少し気になるところです。

「ジウ」 誉田哲也

2015年05月06日 13時03分02秒 | 読書感想
通常状態78日目。

誉田哲也の「ジウ」三部作を読みました。

ジャンルとしては警察小説になります。

二人の対照的な女性警官の活躍がおもしろいです。

推理物ではないので「事件が解決することによる爽快感」みたいなものはありませんが、事件を捜査する過程を楽しませるといった読みごたえのあるもので、こういうのも悪くないなって思える作品でした。

「世界の終わり、あるいは始まり」 歌野晶午

2015年03月23日 23時39分06秒 | 読書感想
久しぶりの読書。

今年に入って初の読書。


この本は、自分の息子が今世間を騒がしている誘拐殺人事件の犯人じゃないのかと疑い始める男が主人公のお話。

そしてとうとう息子の机の引き出しから事件の凶器である拳銃を見つける。

ここまでを事実として描き、ここから先、主人公はいったいどうすればいいのかとあれこれ妄想する。

しかしその全ての妄想がことごとくバッドエンドとなる。


なかなかおもしろかったです。

「黒田如水」 吉川英治

2014年11月29日 13時39分18秒 | 読書感想
吉川英治は好きな作家の一人です。

高校生のとき「宮本武蔵」を読んではまり、ほとんどの作品を読みました。

この「黒田如水」もいつか読むにきまってるとおもい何かのついでに買ったのですが、つい手つかずになっていて、家に読む本が無くなってどうしたものかと悩んでいたので、この本のことを思い出して手にとった次第です。

吉川作品に触れるのは実に久しぶりです。

改めて読んでみてやはりおもしろい。

ワクワクする感じ。

昔、16巻もある「新・平家物語」の一冊目を買った時、これからしばらくの間このワクワクが続くのかと思って嬉しくなったのを覚えています。

「さぶ」 山本周五郎

2014年11月26日 20時47分15秒 | 読書感想
この四日ほどゲームをやっていません。

ゲームしかやっていなかったのでそれを止めたとなると時間をもてあまします。

そこで本を読むことにしました。

山本周五郎の「さぶ」という小説です。

前に古本屋で52円で売られていたのでとりあえず買っておいた本です。

読まずにそのままだったので読むことにしました。

久しぶりの読書です。

さぶと栄二、二人の友情物語です。

「日蓮」 山岡荘八

2014年05月30日 09時15分38秒 | 読書感想
日蓮大聖人の生涯についてはそれなりに知っていました。

でも小説として読んだのはこれが初めてです。

理解が深まった気がします。

特にこの小説は日蓮の生涯ではなく、幼少期から立正安国論を北条時頼に提出して松葉ヶ谷の法難に遭うまでを描いています。

なので、布教活動の生き方を描いたというよりかは、いかにして日蓮が法華経にたどり着いたかという根本的なことが描かれています。

作者の山岡荘八はこの小説を書きながら、法華経に帰依しようという考えにはならなかったのだろうか。

そんんなことを思ったりしました。