通常状態30日目。
先日から、また例の倉庫作業の派遣アルバイトが始まりました。
行くかどうか迷いました。
なんせまだ通常状態に復帰して間もない。
ついこの間まで過食状態だった私のいまの体は醜く、外に出たくない。
そんな気持ちが行くのをためらわせた。
それでも以前の私だったら、特にお構いなしにお金を稼ぐべく行っていたでしょう。
別に後腐れない職場です、誰に見られたってかまいやしない。
そう思えていた。
それがいま、ためらわれるのは、ある程度職場の人とも面識ができてしまったから。
もうその場限りの人ではない。
それに例の彼女がいる。
彼女に今の自分を見られたくない。
そう思うと今回は行くのをやめておこうかなんて考えたけど、それじゃあ以前の私に逆戻りだ。
この職場は失いたくない。
過食症という病気持ちの私にとっては、ありがたく適した職場だと思う。
長期の職場じゃないから途中で飛んで退職ってことになりにくい。
もし過食状態のときに仕事が舞い込んだとしても、勤務の予約さえ入れなければ出勤する必要はない。
私向きの貴重な職場、そう思えるから、これくらいのことでこの職場と距離をとりたくない。
だから行くことにした。
でも、初日に現場で嫌なことを耳にしました。
ここの職場がなくなるらしい。
ホントだろうか。
私にとって唯一の社会とのつながり。
ホントだとしたらお金も稼げなくなるし、彼女とも会えなくなる。
なんか過食衝動が疼く。
初日と二日目は、彼女は出勤しておらず平和な勤務だった。
しかし三日目、職場に向かうバスの中で彼女の姿を発見した。
見た瞬間、急激に緊張した。
なんだろうこの感覚、思っていた以上だ。
知らない間に膨れ上がっていたのか。
いや違う、きっと今の私を見られることに怯えていたんだ。
でも現金なもので、やっぱり彼女に会えたことが嬉しくなってくる。
彼女もここの現場に何回か入っているので、もう職場の人とちらほら会話するくらいの仲にはなっている。
それに引き換え私はどうだ。
未だに独りだぞ。
たまにおばちゃんとかが、ちらっと話しかけてくれることはあっても、上手く会話も出来やしない。
勤務を終えた帰り、バス停で一人バスを待っていると、車で出勤していた同じ職場のおじさんが前を通りかかり「駅まで送ってあげるよ」と声をかけてくれた。
こんな一人の私を。
ありがたく乗せてもらうことにしたものの、結局車内でもあまりうまく会話をできなかった。
私に関する質問を投げかけられたところで、自分のことを話すのはどうもためらわれる。
私自身が他人に対して堂々とできるような存在じゃないから。
この一点が私と他人との間に壁を作りだしている。
私は自分をさらけ出せない。