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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

天命の城

2018-11-07 23:43:01 | 韓国映画
1636年、清が中国で台頭し李氏朝鮮が明に仕えてることを不満に思ったのか
清の皇帝ホンタイジが李氏朝鮮をまず従わせんと朝鮮に攻め入り
李氏朝鮮16世仁祖がく1万3000人の将兵と共に南漢山に山城を形成し籠城して
清のホンタイジと対峙した冬の47日間の闘いを描いた時代劇ですねぇ

韓国の映画好きにはある意味たまらない時代劇
日本映画もそうですがもっと気楽な時代劇を撮ってもいいんじゃナイって思うくらい
敢えて重厚に作り上げて来るんですね
第一尺が2時間20分もあるンだけども
適当に戦闘場面があることはあるんですが
時代劇と言ってもこの清との戦争に反対の和平派大臣イ・ビョンホンと武闘派大臣キム・ユンソクの対立をメインプロットにしており

李氏朝鮮王朝を途絶えさせないように二人が己の信じる道を全うさせるために
奔走する映画でして
ある意味政治色の強い映画なんだけども
W主演の二人の火花散る演技に見いってしまわされたりで長尺映画苦手な私でも
飽きずに見てられた映画

しかし朝鮮民族は瀕死の体になっても己のプライドを守るための自分を捨てられない民族なんですかねぇ
李氏朝鮮王の仁祖が三排九頭の臣下の礼を尽くすシーンをあれだけ長く尺を使ってるのもある意味プロパガンダになってると言っても過言ではないんだろうな
ただ和平派と戦闘派の他に権力に追従する大臣とその臣下たちってのは
言葉を巧みに扱って己の権力を守るんですね
たとえ他人を殺しても権力に固執するのは韓国人って今も昔も変わらないんですね

王様に付き従って来なかった近衛兵も権力主義で役職の武将ではない
ただの民兵が死を賭して届けた檄文を信じずに
届かなかったことにしようとするのも現代の国民性に通じるなぁ

日本人の私にはよくわからん映画ではありますが、戦闘シーンで銃が出て来て
大砲まで登場するのも17世紀のこの時代なんですね
鉄砲は日本だけでなく朝鮮にも伝来していたと言うことで
こういった時代劇はある意味勉強になるなぁ

2017年製作、韓国映画(日本公開作品)
ファン・ドンヒョク脚本・監督作品、坂本龍一音楽
出演:イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス、パク・ヒスン、チョ・ウジン、ソン・ヨンチャン、イ・デヴィッド、ホ・ソン、キム・パブレ
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女賭博師みだれ壷

2018-11-07 17:42:32 | 邦画
一日一本任侠映画を見ていく企画
本日の一本は相変わらず江波杏子さん追悼の1本
そして江波杏子さんの代表作昇り竜のお銀さん「女賭博師」シリーズの第11弾

脚本を高岩肇が書いてるのでお銀に勝ちたいとの女賭博師長谷川待子になんと
尼さんスタイルですかでも本編では”あんたに勝つんだ”って言うだけで盆呉座での勝負はない
もう一人安田道代さんがこれまたお銀さんに挑戦し
勝ちを献上してもらう女賭博師として登場するものの
浪花千栄子との母子ものの古くからあるプロットでのサイドストーリーが組み込まれているんですね

この作品「みだれ壷」って言うタイトルなんですがメインとなるクライマックスの勝負は
花札を使っての"はんがん勝負"という親がきった花札を子がきって親に返し
後先の花札を開ける時に、相手に向かって手札を叫びつつ投げつけるものの
かけは後先ではなくて"まえ・なか"って言うんですね
不思議な勝負です

オープニングでののだるま大師での一年の利権勝負に、お銀が負ける名人"はんがんの友造"に長門勇でこれが実に芝居が古いんですがこのアナクロニズムの映画に実に合ってる
アナクロニズムと言えば主題歌が「女ひとり」から「女賭博師」に変わったのね
お披露目御祝儀を兼ねて本人が本編にも浪花千栄子の店の女店員で登場
あともう殆どレギュラー化出演してる鳳啓介・京唄子が芝居オンリーになっていて
なんとコメディリリーフはてんぷくトリオの三人でしたねぇ

善玉の親分には柳永二郎、悪玉には小松方正で、彼らは安定した演技で十分に映画を締めてくれてる
結構その他の配役も豪華でして劇中の台詞から鑑みるに69年初頭の正月映画ということだったのね

浪花千栄子の店で博奕打ちの命である耳を痛めたって言う長門勇の設定を強調していたのに
なんでしょうか江波杏子さんの札をきる音に変化をつけないのは・・・
相手の弱点をつかずに正々堂々と勝負してるンですね
ここいらが実にうまい

1968年製作、日本映画、大映作品
高岩肇脚本、田中重雄監督作品
出演:江波杏子、安田道代、浪花千栄子、長谷川待子、川津祐介、寺島達夫、柳永二郎、京唄子、鳳啓助、三波伸介、伊東四朗、戸塚睦夫、長門勇、小松方正、早川雄三、亀石征一郎、北城寿太郎、水原浩一
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女は二度決断する

2018-11-07 13:24:30 | 洋画
この映画WOWOWが輸入配給してるんですね
所謂WOWOWの番組で初公開せずに一応劇場公開させる目的で輸入配給してるようで
ある意味ダイアン・クルーガーにおんぶにだっこっていうのが正直なところか
って私もダイアン・クルーガーでなければレンタル後回しって言うか
月後半でセットに組み込む作品が見当たらないときにセットの一本として組み込むような印象ですし・・・

お話は実に単純で、ドイツ人のカティヤが、夫であるトルコ系移民のヌーリと6年前に刑務所で結婚し
そして6年後6才の子供と夫をネオナチ組織の一員の男女にテロとして爆殺され、
警察の努力によって逮捕され映画は裁判による法廷に罪の有無を託されますが、
なんと夫と子供を殺されたヒロインの精神を支えていたのがヘロインであったこととか
死んだ夫と結婚した時に夫は大麻所持での服役とか色々と不利な状況も裁判で暴かれ
結果証拠不十分でネオナチ犯人たちは無罪となってしまい、
ヒロイン自らの手で犯人に復讐するのであった

ヒロインの結婚した相手はトルコ移民だし
犯人はネオナチだしと
現在のドイツが抱えてる移民問題や偏見と差別をバックボーンに描いているようで
そちらの社会問題を直接に描いているわけではありません
あくまでダイアン・クルーガー演じるヒロインの家族を失った喪失感と
彼女を支える復讐心のお話と言うことになっていますねぇ

最後まで見ましたが邦題の「女は二度決断する」って言う意味は最後の裁判で無実になった犯人たちを追いつめ
夫と子供を殺したのとおんなじ方法で爆殺しようとする決断と
なぜかチャンスを捉え彼らの爆殺寸前までいくものの
鳥の平和の姿を見て一瞬の躊躇いで諦めた後に

最高裁に上告するという電話を受けて最終的には犯人たちを爆殺にいたる決断の2つなんでしょうかね

何となくラストの爆殺の経過を詳しくかけないのですが
あの決断力には感嘆しかなくて
家族を失った一人の女の孤独と喪失更に生き残っている自責の念まで・・・
って、あーあ書いちゃった(汗

2017年製作、ドイツ映画
ファティ・アキン脚本・監督作品
出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、サミア・シャンクラン、ヌーマン・アチャル、ウルリッヒ・トゥクール
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