今月のチャンネルNECOでの旧作日活映画特集は来月と合わせて小林旭の特集
今月は4本、そのうちの一本がこの「花と怒涛」
鈴木清順監督で小林旭主演の着流しヤクザ映画なのに、私には何故か今まで見る機会に恵まれていなかった作品
ということで初見です。
実はこの作品の前に清純さんと旭さんとで、あの真っ赤なホリゾントで夙に有名な「関東無宿」が撮られていて、着流しヤクザ映画としての清順・旭コンビでは二本目
そして製作年代は1963年
っていうことで東映の任侠路線に追従して日活も
っていうような気もするが、実は東映さんの「人生劇場 飛車角」も63年ということで
実際には東映と日活とが違う場で同じような金脈を当てたってことだったんですね
いわゆる時代がこういった金脈をもとめていたってことですかねぇ
そして他社が追随していったってことですか

オープニングで花嫁行列の花嫁姿の松原智恵子を襲う旭さん
そこでタイトルインして、なんと土建現場のシーンに移ってしまい松原さんはしばらく登場してこない
その間を繋ぐ二番手ヒロインとして出てくるのは久保菜穂子さんの芸者
登場の仕方が実に粋
敵方に料亭で囲まれた旭に二階からホイって拳銃落としてくれる
その後の展開では明かに旭さんに気がある設定
一方旭は土建の人夫、東映でのマキノ雅弘監督作品だと人夫たちの集団群像劇的な人情劇で映画を動かしていくんですが
清順さんか、日活カラーなのかはわかりまでんが、日活さんでは旭さんのワンマン映画として進行させていくんですね
これはこれでありですよねぇ
清順監督としては前作「関東無宿」のような清純節的な映像美な部分を極力廃して、ある意味普通に撮っていたのが不思議なくらい
ただ川地民夫さんの風態だけは十分に清純映画だったかな
久保菜穂子さんの背中の刺青には度肝抜かれましたが
川地、久保以外の脇役としては玉川伊佐男の刑事、高品格の飲み屋の親爺といった役所も秀逸だったし
セットも実にしっかりと組んでいて清純さんの絵作りにも十分に応えていた時代だったんですね
一応録画してあるのでこれからはいつでも何回でも見られるんですねぇ
1963年製作、日本映画、日活作品
鈴木清順監督作品
出演:小林旭、川地民夫、松原智恵子、久保菜穂子、高品格、深江章喜、嵯峨善兵、野呂圭介、江角英明、玉川伊佐男、宮部昭夫、柳瀬志郎、玉村駿太郎、三崎千恵子、河野弘、長弘、雪丘恵介、瀬山孝司、高橋明、山本陽子、立川博、高瀬将敏、滝沢修、山内明
