事実を元にした作品。
何せ彩プロ配給作品なのでほとんど期待してなかったんですが
事実の持ってる重みというか、実にアメリカ映画らしい感動をラストの山場に持っていってるんで、それなりに、そうアメリカ人ではない、日本人である私でもそれなりに感動が味わえる作品に仕上げており
こう言った作品に仕上げるのはアメリカ映画界の真骨頂でもあるようですね
時は1960年代のベトナム戦争で、戦死した一人のは空軍衛生兵ウィリアム・H・ピッツェンバーガーへの、名誉勲章授与がなんと30年もかかったって言うお話
なんですが、ベトナム戦争で死んだ兵士は数え切れんほどいるのになぜ彼だけに名誉勲章授与に拘って元兵士たちは30年もペンタゴンに働きかけたのか
っていうのがメインテーマですが
その彼に名誉勲章は常に見送られて来ていた理由まで映画では追求していってるんですが
実はベトコンに集中砲火を浴びて救助要請をうけた空軍救助ヘリ
現場は阿鼻叫喚の地上戦最中で、地上歩兵は戦死20名、負傷35名もいるんです
そんな地上では陸軍の衛生兵が戦死しており、ヘリから空軍の衛生兵ピッツェンバーガーはヘリから降りて
銃弾と砲弾が飛び交う中で、1人また1人と傷兵を助けヘリに上げていく
ヘリからはピッツェンバーガーにヘリ日本戻れと散々命令を下すものの
彼は助ける兵士がいるからとヘリに戻らず
戦闘が終わった時点でピッツェンバーガーは5発の銃弾を浴びて戦死していた
十字勲章は授与されたものの
兵士に与えられる最高位の名誉勲章に値すると、彼と共に戦った陸軍兵士が国防省に訴えるものの
常に退けられてきていた
そんな時に国防省エリート職員にたまたま訴えにきた元曹長に神聖を受けたスコット・ハフマンは、心ならずもピッツェンバーガーに命を救われた退役軍人や彼の家族たちに直接会い、なぜにウィリアム・H・ピッツェンバーガーに名誉勲章を授与して欲しいのかを聞いて回るうちに
退役軍人たちがそれぞれベトナム戦争でのトラウマを未だだかえていたり
実はこの戦闘は実は囮り作戦で、この戦闘に加わった陸軍兵士たちは捨て駒だったという真実まで浮かび上がる
さらに証言として現場指揮をとっていたサミュエル・L・ジャクソンの砲兵隊への爆撃指示の間違いから見方を砲撃で死なせたりの事実も浮かんだりと
国防省としては隠したい事実が浮き彫りに・・・
でも陸軍兵士が空軍兵士に対しての勇敢な話を聞くたびに心を動かされ、ウィリアム・H・ピッツェンバーガーに名誉勲章を与えるべきだと思うになっていく
そうベトナム戦争従軍の兵士に30年も前の話を聞くんですから
出演されてる方々はそれなりにご老体ですから、こんな布陣の出演者ばっか
トラウマ抱えて消えない苦悩に生きてるピーター・ホンダが実に素晴らしいし
エド・ハリスはどこにいくにも今の仕事のスクールバスって言うキャラも見事でした
そして癌で余命宣告されたピッツェンバーガーのお父さん役のクリストファー・プラマー
そうなんですピーター・ホンダとクリストファー・プラマーはこの作品が遺作になってしまわれたようですが
公開と死亡時期の問題でピーター・ホンダだけにエンドクレジットで献辞が出てくる
こういう骨太の作品を娯楽映画に仕上げるハリウッドってやっぱ映画を知ってるよね
ちゃんと戦闘シーンを回想として入れ込んで映画自体が緩まないように作って
最後にプロパガンダで盛り上げるという劇作法は見事です
2019年製作、アメリカ映画
トッド・ロビンソン脚本・監督作品
出演:セバスチャン・スタン、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、ジェレミー・アーヴァイン、ダイアン・ラッド、エイミー・マディガン、アリソン・スドル、ジョン・サヴェージ、ライナス・ローチ