山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

中央線の呪い

2007-07-06 00:27:01 | 書籍
高校を卒業するまでの私は、まるで本とは無縁の男であった。
無縁どころか、本を読む男なんぞは軟弱極まりない人間であると決めつけ、そんな男は絶対に信用できんと信じ込んでいた。つき合う友も本とは無縁の男ばかりで、勿論めがねをかけてるヤツなど一人もいなかったのである。

それがどうだろう。
大学生になり哲学をかじったばっかりに本の虫になり、本を読まない男なんぞは信用できんヤツだと逆転してしまう始末である。もっとも、昔の友は本は読まないが酒は呑む。酒を飲める友は必要不可欠である。だから今もって深い友人関係が続いている。腐れ縁というヤツか。

まあ前置きはこのくらいにして本の話をしよう。

『中央線の呪い』
この本を手にしたのは1994年10月、13年前のことである。
中央線沿線の本屋にしか置いてない中央線人限定本であり、中央線人気質と中央線文化が見事に描かれているのである。長いこと中央線人をやっている私も『う~む、なるへそぅ!』と唸ってしまう。そして、中央線人の心と文化を忘れないために3年に一度はこの本を引っ張り出して読みふけってしまう。これも中央線の呪いかも知れない。




生粋の中央線人は新宿を中央線文化圏とは認めていない。
超限定的に言えば、高円寺、吉祥寺、国分寺を結ぶ区間を中央線文化圏としている。なるほど、この区間にはヘンな呑み屋や古本屋といった個性的な中央線文化がワンサカある。中央線文化の魅力に引き寄せられた貧乏学生や売れないア-ティスト、反骨精神むき出しの地元人間たちが集まっては田園調布の金持ち族を嘲り、カラッカラに明る過ぎる東横線お嬢さんをイケスカネ~と侮蔑しながら酒を呑む。能書きをたれ、屁理屈をこねながら呑む酒がこれまた旨いのだ。

我々は選ばれた民である、超一流主義を排撃する、和食が一番、儲からなくても好きな道、なんぞと言いながら安い呑み屋で酒を酌み交わす。まあ、可愛くも幸せな中央線人ではある。

中央線人の深層心理
中央線には10の呪いがある
中央線の呪いとタタリ
中央線人の七つの大罪
中央線魔界ガイド

これらの目次を見ただけでもおもしろい。
中央線人の皆さん、一度この本を手に取ってみませんか?
そして、中央線人としての誇りと自負を抱いて生きようではありませんか!

『中央線の呪い(三善理沙子著、二玄社発行)』










コメント (8)
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