山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

奈川 二泊三酒二人旅

2007-07-24 23:15:11 | フライフィッシング
釣友に『ホリさん』と言う男の中の男がいる。
この男、本業は『必殺ほぐし屋本舗の仕事人』で小説家でもある。
3週間働き詰めで煮詰まっていた私は、身も心もゆるゆるにほぐしてもらおうと、ホリさんが20年来通い続ける癒しの里『奈川』を案内していただいた。目的はもちろん釣りに決まってるのでした。

奈川に入る前夜、信濃の地酒を堪能しようとわざわざ松本に宿を取ったのでした。
一足先に松本入りしていた小説家は、一人で路地裏を探索して感じの良い小料理屋を見つけていましたよ。午後7時にその店『卯屋(うさぎや)』に腰を落ち着けることになりました。カウンタ-に並ぶ地酒の多さに思わず顔がほころんでしまうのですねえ。



酒肴を注文して、先ずはイッパイ。おっとっとっとっと~。
ママにお酌されて、思わずデレデレ~っと相好をくずす小説家なのでした。



うみゃ~!
適度に冷やした地酒をグビリと一口、小説家はこのあと何回昇天したことでしょう。小説家たる者『このくらいの表現力を身につけておらんとダメだべさ』とのたまっておられました。さすが小説家でごじゃりまする。ヘンナヒト、向こうのお客さんが不審そうな顔して見ていませんか?



正しい日本男児なら、先ずはお刺身の盛り合わせに限ります。馬刺し?もちろん頂きましたさ。



あまりのペ-スの速さに、ママは次の地酒を抱えて出番を待っています。
岩手のわんこそばじゃないっつうの。でもホントに旨いんだから仕方ないよね。納得なっとく。でも、色々たくさん呑んじゃったので地酒の銘柄は記憶にございませんのです。



地酒の冷酒を5杯ほど飲み干して、最後は七笑(ななわらい)の2合瓶を一人1本づつ頂いて〆。これもなかなか旨かったですなあ。



そして遂に小説家は、悪い人に変身しながらママを口説き始めたのでありますが、変身半ばでパワ-が尽きて良い人に戻ってしまいましたとさ。残念だべさ~。



夜も更けて日付が変わる頃、すっかり仲良くなったマスタ-と蕎麦談義が始まります。マスタ-が食べ歩いた信州絶品そばのお店を懇切丁寧に教えていただきました。お蕎麦に目がない私と小説家にとっては垂涎ものの時間となりましたねえ。



真剣に聞き入る小説家。



さあ、お開きにしましょうか。でも〆のラ-メン食べないとね。卯屋特性なつかし味のラ-メンだったような、、、、とんと記憶にございません、うぅぅぅ。



さあホテルへ帰りましょうか。長々とおじゃましてしまいました。また寄らせていただきますね。




またひとつ、松本に『帰れる場所』ができました。うれしいなあ。
旅って、目的の地から始まるものではないのだと思うのです。旅って『旅の途中を遊ぶこと』なのかな?


そして翌日21日、ぐっすり眠って奈川に入ったのは午前10時のこと。迎えてくれたのは優しい自然と野の花たちでした。本物の釣り師なら5時には溪に立っているのでしょうが、我らの目的は釣りであって釣りではないのですから溪に立てるだけでいいんですよ。なんたって旅の途中を遊ぶ旅人なんですからね。



じゃあちょっとだけやりましょうか。
奈川本流の里川区域に立ちました。小説家が腰に手を当ててテンカラ竿を振り始めます。テンカラって、腰に手を当てて振るのが正しいのかな?



野麦峠に向かって釣り上がって行くと、滝が現れたりして次第に険しい流れに。



やったべさ~!
岩魚を釣り上げた小説家が自慢げに、、、、、ぽとり、、、、、ありゃぁ!



私はシッカリこのとおり。
ムッヒッヒ、これ腕の差、人格の差、、、、?



更に溪は溪らしく、美しさを増して、、、、。



小説家の真剣勝負の図。こんな顔、今まで見たことないべさ。人は見かけで判断してはいけないのですよ。



さあ昼飯の時間です。釣りは飯より好きなのですが、冷たいビ-ルは釣りより好きなので、優先順位はビ-ルと言うことになるわけでして。



溪畔にこんなところがあるなんて。小説家がビ-ルのつまみをチャッチャと作ります。



これで軽くビ-ル3本いけちゃうのです。いやぁ冷たいビ-ルは嬉しいですねえ。ウインナも一味唐辛子でピリカラに、目玉焼きも塩コショウで大人の酒肴にヘンシ~ン!



ビ-ルのあとは、ほろ酔い状態でちょっとだけ。
小説家のテンカラに八寸岩魚が来てくれました。




これで今夜は、心おきなく酒が飲めるぞと言うことで、気分良く納竿。
今夜の宿『民宿岩花荘』に向かいます。



民宿では、今夜の料理の準備が、、、、。

アミタケ。どんな料理になるのでしょうか?



どっひゃぁ~ビッグサプライズ、、、、マツタケですよ!
まさか7月に本物のマツタケが採れるなんて、知りませんでしたねえ。



そして刺身用にさばいた鱒。




まったり温泉に浸かって、いよいよ本日のメインイベントの時間です。
先ずはビ-ルで乾いた喉を潤しましょうね。突き出しはミズのキンピラで。



アミタケのおろし和え。赤紫色の美味しい茸でお酒がすすみます。ここからは地酒の『大雪渓』に変わります。さあ至福の時が始まるのです。



鱒のお刺身。シアワセ~。



じっくり焼き上げて、薫製のような岩魚の塩焼き。絶品でしたね。



本日のメインディッシュはこれ。マツタケ入りのきのこ汁でした。
もう部屋中がマツタケの香りで充ち満ちて、豊かな山の幸を堪能して、またまた昇天してしまいました。あゝこんなに幸せでいいのでしょうか?



この後も、山菜の天ぷらなどが3品追加されて、、、いくら食いしん坊でもこんなには食べられませんて。

大雪渓で酔っぱらいながら釣り師の宴会は続きます。次は『岩魚の骨酒』の回し呑み。はじめて出会った男たち、それが釣り人ならば話題は次から次へと湧いて出てこんな風になってしまうのです。楽しいものですなあ。



民宿のおじちゃんとおばちゃんも一緒に呑んで楽しんでました。



夜が更けるまで呑み語り笑い合って楽しいときは過ぎて行くのでした。
素朴で豪華な料理とこの雰囲気、小説家が20年も通い詰める魅力はこんなところにあるんですね。納得のひとときでした。


そして3日目の朝。
ぐっすり眠って散歩に出ると、すでに釣りから帰った釣り師たちが情報交換しています。中央が80才になる民宿のおじちゃん。釣り名人で、今でも岩から岩へと忍者のように飛び移り、激流も難なく渡る技は若い釣り師たちにも決して真似できない達人技なのだそうです。脱帽。



朝食は9時過ぎ。こんなぐうたら釣り師はおらんでしょうが、これで良いのです。
釣れなくても溪に立てるだけで幸せなのですからね。朝食も9品、ご飯二膳食べたのは久しぶりのことでした。美味しかったなあ!



ふぁぁぁ~あ、退屈じゃワン。オラも釣りに連れてっておくんな、、、ダメっ!
おじちゃん、おばちゃん、お世話になりました。今度はもう少しゆっくりしたいなあと小説家と話しながら、後ろ髪を引かれる思いで民宿を後にしたのでありました。



折角だからちょっとだけやって帰ろうか。
と言うことになり、支流の黒川に入りました。まだ1週間前の台風の影響で可成りの増水状態です。しっかし良い溪相じゃないですか。



ティペットに天使のフライを結びます。



天使のフライに食らい付くなんて、やっぱり岩魚は悪食だったのね。hanさんの言うとおりだったな。きれいな八寸岩魚が顔を見せてくれました。よし、これで満足、帰ろ!小説家も1尾釣り上げたことだし、満足の納竿となりました。



岩魚、山菜、きのこ、栗、アケビ、くるみ、奈川はとても豊かな山村でした。村のおじいちゃんやおばあちゃんとも話しをさせていただきました。今度はもっとじっくり話を聞かせて頂きたいと思います。沢山の方とふれあえたことで、とても心豊かな旅になりました。ありがとうございました。



野麦峠のお蕎麦屋さん『峠路』で『とうじ蕎麦』を頂いて旅を締めくくりました。
話題が豊富で、話し上手なホリさんとの旅、ホントに楽しい旅となりました。心おだやかな旅にしていただき心から感謝感謝です。是非また誘ってくださいね。




そして、みんなみんなアリガトネ!






















コメント (10)
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