いやあ今日は暑かった~。
こんな日は、溪にツェルトを張って、キンキンに冷やしたビ-ルとソ-メンでひとときを過ごしたい。夜は星を眺めつつ、ちびりちびりウイスキ-をなめながら一人孤独の時間を楽しむ。これが由緒正しい男の休日というものではないか?
昼までに仕事を終わらせて車に乗り込んだ。車には必要なものは何でも積み込んであるから思い立ったらいつでも旅立てる。途中でビ-ルと食材を買い込んで、先ずは秋山川の支流『阿寺沢川』に向かった。
ここから谷底に降りて、薄暗く涼しい溪でロッドを振ろうか。
谷底に降り立つと、下流はそのまま本流へと落ち込む滝へと流れ落ちている。
釣りは穏やかなこの流れから始まる。午後2時半、陽の光は繁った木々に遮られてひんやりとした空気が充ち満ちている。真夏の釣りはこれでなくちゃね。
自分で改造した6フィ-ト1インチのショ-トロッドに倍以上のロングリ-ダ-。夏の定番『ブラックパラシュ-ト』をティペットに結ぶ。
そして遡行開始です。いい雰囲気でしょ。
この溪はヤマメの溪である。あの白泡の消えたあたりからの流れ、あそこから出なかったら私は責任を取って党首を辞任する覚悟でございます。
でしょう。やっぱりヤマメは正直なんですよ。
薄暗い溪に住むヤマメはちょっと体色が濃い感じがしませんか?
一尾釣れたらもう満足。苔むした岩に腰掛けて一服つけて、この溪にひとりいる満足感に浸ります。
と、その時でした。すごいですねえ、文明の利器ですねえ。カミさんから電話です。山梨の谷底に遊ぶ男と東京にいる女が遠く離れて愛の言葉を交わせるなんて。『会津から馬刺しが届いたわよ』『えぇ~、今日だっけ~、明日の筈じゃなかった~?』『一日間違えたんじゃな~い』『そんな~、困るよな~』『仕方ないでしょ、もう届いちゃったんだから。帰るの?帰らないの?どっち?』
うぅぅぅっ、会津の馬刺しは世界一好きなんだけど、、、、今日は溪泊のつもりだったし、、、馬刺しでビ-ルなんてこんな旨いものはないし、、、冷たいビ-ルとそうめんは用意しちゃったし、、、馬刺しは今日中に食べないと鮮度が落ちちゃうし、、、溪でひとり孤独を楽しみたいし、、、。こんな時の男というものは実に優柔不断で決断力に欠けるものなんですよ。こっちの彼女とあっちの彼女とどっちにしようか?あぁ迷ってしまう、もてる男はこれだから困ってしまうのだ的な悩みをいつも抱え込んじゃう訳なのですよ。でも男というものは、人生の岐路に立ったとき、やっぱり決断が必要なのですね。
『やっぱり帰るぅ』。
悩みに悩んだ末の、これが私の決断でありました。この決断が正しかったのかどうかは、私が人生を終わるときには多分分かるのではないでしょうか。ふむふむ!
しかしですねえ、ケイタイは確かに便利なものだけど、ホントに罪作りなやつですなあ。
まあそれはさておき、あと1時間だけロッドをふりましょうね。
しばし釣り上がると大石ゴロゴロが出現してきます。
この辺りでフライをCDCウイングの『ムネアカオオアリ』にチェンジすることにしました。このフライも夏の必殺フライのひとつです。うぶなヤマメちゃんには馬刺しのような旨そうなフライに見えちゃうのでしょうねえ。
そしてそしてこの落ち込みからの流れだし。あの流芯に必殺ムネアカオオアリがナチュラルドリフト、、、、、、パック~ン、、、、ググゥ--ッ。なんじゃこりゃぁ、ちょっとぉ、でっかいんでないかい、、、、、。
引き寄せて、背中に手を回してランディングネットを、、、あれっ、ない、ランディングネットが、、、?『こら暴れるでない町娘』『あぁお代官様、それだけはお許しを』『なにもせんから静かにせんか』『あぁぁ、、、』
『むはははは、手の焼けるおなごよのう』
手に落ちたのは妖艶な9寸近いヤマメでした。この季節になると、このサイズに成長している訳なんですね。
ここで気分良く納竿。
ランディングネットを探しながら、もと来た溪を下り、崖をよじ登って林道へ辿り着きました。林道にはねぶた(田舎の呼び方です)の花が、幸薄い女のような姿で風になびいておりました。
ケイタイの便利さに感謝と恨みを感じながら、溪泊を一時中止して馬刺しの待つ我が家へと心うきうき帰って行きましたとさ。
こんな日は、溪にツェルトを張って、キンキンに冷やしたビ-ルとソ-メンでひとときを過ごしたい。夜は星を眺めつつ、ちびりちびりウイスキ-をなめながら一人孤独の時間を楽しむ。これが由緒正しい男の休日というものではないか?
昼までに仕事を終わらせて車に乗り込んだ。車には必要なものは何でも積み込んであるから思い立ったらいつでも旅立てる。途中でビ-ルと食材を買い込んで、先ずは秋山川の支流『阿寺沢川』に向かった。
ここから谷底に降りて、薄暗く涼しい溪でロッドを振ろうか。
谷底に降り立つと、下流はそのまま本流へと落ち込む滝へと流れ落ちている。
釣りは穏やかなこの流れから始まる。午後2時半、陽の光は繁った木々に遮られてひんやりとした空気が充ち満ちている。真夏の釣りはこれでなくちゃね。
自分で改造した6フィ-ト1インチのショ-トロッドに倍以上のロングリ-ダ-。夏の定番『ブラックパラシュ-ト』をティペットに結ぶ。
そして遡行開始です。いい雰囲気でしょ。
この溪はヤマメの溪である。あの白泡の消えたあたりからの流れ、あそこから出なかったら私は責任を取って党首を辞任する覚悟でございます。
でしょう。やっぱりヤマメは正直なんですよ。
薄暗い溪に住むヤマメはちょっと体色が濃い感じがしませんか?
一尾釣れたらもう満足。苔むした岩に腰掛けて一服つけて、この溪にひとりいる満足感に浸ります。
と、その時でした。すごいですねえ、文明の利器ですねえ。カミさんから電話です。山梨の谷底に遊ぶ男と東京にいる女が遠く離れて愛の言葉を交わせるなんて。『会津から馬刺しが届いたわよ』『えぇ~、今日だっけ~、明日の筈じゃなかった~?』『一日間違えたんじゃな~い』『そんな~、困るよな~』『仕方ないでしょ、もう届いちゃったんだから。帰るの?帰らないの?どっち?』
うぅぅぅっ、会津の馬刺しは世界一好きなんだけど、、、、今日は溪泊のつもりだったし、、、馬刺しでビ-ルなんてこんな旨いものはないし、、、冷たいビ-ルとそうめんは用意しちゃったし、、、馬刺しは今日中に食べないと鮮度が落ちちゃうし、、、溪でひとり孤独を楽しみたいし、、、。こんな時の男というものは実に優柔不断で決断力に欠けるものなんですよ。こっちの彼女とあっちの彼女とどっちにしようか?あぁ迷ってしまう、もてる男はこれだから困ってしまうのだ的な悩みをいつも抱え込んじゃう訳なのですよ。でも男というものは、人生の岐路に立ったとき、やっぱり決断が必要なのですね。
『やっぱり帰るぅ』。
悩みに悩んだ末の、これが私の決断でありました。この決断が正しかったのかどうかは、私が人生を終わるときには多分分かるのではないでしょうか。ふむふむ!
しかしですねえ、ケイタイは確かに便利なものだけど、ホントに罪作りなやつですなあ。
まあそれはさておき、あと1時間だけロッドをふりましょうね。
しばし釣り上がると大石ゴロゴロが出現してきます。
この辺りでフライをCDCウイングの『ムネアカオオアリ』にチェンジすることにしました。このフライも夏の必殺フライのひとつです。うぶなヤマメちゃんには馬刺しのような旨そうなフライに見えちゃうのでしょうねえ。
そしてそしてこの落ち込みからの流れだし。あの流芯に必殺ムネアカオオアリがナチュラルドリフト、、、、、、パック~ン、、、、ググゥ--ッ。なんじゃこりゃぁ、ちょっとぉ、でっかいんでないかい、、、、、。
引き寄せて、背中に手を回してランディングネットを、、、あれっ、ない、ランディングネットが、、、?『こら暴れるでない町娘』『あぁお代官様、それだけはお許しを』『なにもせんから静かにせんか』『あぁぁ、、、』
『むはははは、手の焼けるおなごよのう』
手に落ちたのは妖艶な9寸近いヤマメでした。この季節になると、このサイズに成長している訳なんですね。
ここで気分良く納竿。
ランディングネットを探しながら、もと来た溪を下り、崖をよじ登って林道へ辿り着きました。林道にはねぶた(田舎の呼び方です)の花が、幸薄い女のような姿で風になびいておりました。
ケイタイの便利さに感謝と恨みを感じながら、溪泊を一時中止して馬刺しの待つ我が家へと心うきうき帰って行きましたとさ。