柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

こども病院の霊安室「いのりの部屋」

2009年03月15日 | 赤ちゃんのお葬式
『いのりの部屋』

どんな部屋かと思ったら「霊安室」でした。

ステキな名前です。

宮城県立こども病院にあるそうです。
先日、新聞で知りました。

その部屋は
レースのカーテンとあふれる光。
部屋の形は六角形
天井は階段状に中心に行くほど狭くなっていくデザイン。

この天井の意味は天国へのステップだそうです。

すごーーく、ステキな部屋ですね。

病院の霊安室はとても淋しい部屋が多くて。

確かに元気になる為の施設だけど
人間として当たり前に迎える「死」を
毛嫌いしているように見えてしまいます。

頑張って生き抜いて、その最後の部屋が
誰の目にも触れない
裏口に近い目立たない
質素な部屋がほとんど。
部屋の前は物置みたいな所も・・


私が提案した霊安室のひとつは
オレンジのドア
中もオレンジ系の壁紙でした。

葬儀社でご遺体を預かるようになると
遺族の方が、ずっと付き添うことがよくあります。
そのときに、寒々しくない部屋を考えました。


もうひとつは
ワインレッドの棺型冷蔵庫を特注して
棺の前には仮眠できるように
ソファーベッドを置きました。

以前、ご家族が小さなイスひとつで一晩中、付き添っていたのが
お気の毒で、少しでも横になっていただきたくて
ソファーベットを支度しました。

病院の霊安室も、もう少し工夫してくださると
遺族にとって、病院での最後の温かみを感じる場所だと思うのですが・・・

子供病院に限らず
大人だって、遺族の思いは同じです。

これから霊安室を作られる病院は是非、いい部屋作りをお願いします。

宮城県のこども病院の「いのりの部屋」を見学された方が言ったそうです。
「ここは病院の良心ですね」

本当にそう思います。