柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

ガンは痛くない、と教わりました

2009年03月27日 | 
母が先月まで入院していたが、食事ができず
毎日、点滴を受けていました。

それと同じ点滴液をこの前、ご馳走になりました?

「飲んで、美味しいですか?
ポカリスエットを何倍にも薄めたような味でしょう」

『自分の死を考える集い』を主催されている中村仁一先生の講演先でのことです。

先生は医師で、老人ホームで診療所長をされています。

その中で話されたことです。

老人が老化してくると、当然身体にもガタがくる。
だから故障して、病気になって死んでいく。
年老いてガンになるのも老化をしたから。

もう生殖期が終われば、役目も終わり。
いつ死んでも良いのです。
だから、ガンと戦ってはいけない。
がん治療はがん細胞をやっつけるだけでなく
身体全部をいためつける。
その上、ガンは仲間を殺された仇・・とばかりに
どんどん強くなる。
人は、ガンで死ぬのではない。
ガン治療の結果で死ぬ人がほとんど。
老人にガンが見つかったら、治療は一切拒否すると
痛みは出てこない。
ガンが痛い!と思っている人が多いが
わたしのホームではがん治療は一切しないが
全員が痛みもなく、安らかに死んでいく。
その上、死の直前まで意識はハッキリしている。
無理に点滴もしない。
死が近づくと自然に食べれなくなる。
点滴なんて、大した栄養がある訳ではない。
点滴で水分を多くとると
痰が出やすくなる。
吸引機で痰を取り出しているが
あれは死ぬほどの苦しみ。
今の医者は、ガンの自然死をみていない。
ガンは治療するのが当たり前になっている。
『自分の死を考える集い』に参加した人は
79歳で肺ガンが見つかった。
医者から80歳なら手術はしないが79歳だからやりましょう!と言われ
その1歳の差が納得いかないと、『自分の死を考える集い』に参加された。
話を聞いて、治療拒否を実践された。
そして85歳でなくなったが84歳まで卓球をしていたそうだ。
ガンはぎりぎりまで普通の生活が送れる。
だんだん体力が落ちてきた時
近所の医者に初めて診てもらった。
但し治療拒否は貫いた。
医師はガンの数値に驚き、慌てたそうだ。
しかし本人の強い意志のお陰で、この医者は
がん患者の自然死を見ることが出来
その安らかさに、驚いた。
歳をとり、最後に近づくと食が細ったり飲み込みが悪くなる
胃ろうや、鼻からのチューブ栄養は
死にゆく年寄りを痛めつけるだけ・・・


この他にも、色々なお話を聴かせて頂きました。
確かに、母のいた、病室では80歳前後の老人が8名
殆どが寝たきりで点滴をしてました。
そして、定期的に痰の吸引をしてました。
そのときのうめき声は本当に辛そうでした。
でも側に居る家族は「痰が切れて、楽になった」と思い込んでいます。

母の入院時に先生から
「決してよくない状態なので、もしもの時に呼吸器をつけるかどうか
家族で決めてください」と言われました。
そのとき「本人にとっては、呼吸器はとても苦しいものです」と
いわれました。
母が高齢だった為のアドバイスだとわたし達は感謝しました。
そして呼吸器はお断りしています。

おかげさまで、無事に退院し、そんな心配もなくなりなした。

わたし達は今まで、せめて1時間、1分でも長生きさせることが
家族の務めみたいに思ってきましたが
老化を受け入れ痛みだけをとるために医学の力を借りて
自然に死を受け入れたほうが良いような気がしてきました。