柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

7つのデス・ケア ③遺族のグリーフケア(死別の悲嘆)ケア

2009年07月27日 | 葬儀の世界
前回のブログは、削除です。
気持ち新たに、
「7つのデスケア 遺族のグリーフのケア」を紹介します。


(3)遺族のグリーフ(死別の悲嘆)のケア
 遺族の心情を理解したケアが大切である。
遺族は家族を喪失したことによる精神的傷を負った状況にあることを
正しく認識し、適切なケアをしなければならない。
前述したように死も多様化しており、グリーフの態様もさまざまである。
おそらく大切なことの一つは目線であろう。
遺族の目線に合わせ、遺族の想いに耳を傾ける姿勢が重要である。
よき聞き手、よき相談相手になれるか、こうした基本こそが問われるだろう。
遺族がグリーフの状態にあることを理解し、遺族が遺体の側にいて、思い思いに別れる時間と空間を提供すること。
できれば食欲減退や不眠に陥っていないか配慮したい。
(葬祭ジャーナリスト碑文谷創氏著)



ここからは私の考えです。

グリーフケアといえば、家族を亡くした時からのケア、
また、葬式後のケアと考えがちですが
あえて、私は葬儀前のケアをお話したいと思います。

ご家族の死が間近に迫ったとき
葬儀社に相談に見える方が、増えました。
「家族の死」と言っても様々です。
高齢の親を看取る方は、順番にやってくる死に
「自然の流れ。仕方が無い」と思われますが
「まだ早すぎる死」を抱えている方の胸中は複雑です。

ご相談に見えた段階では、比較的冷静なお話をされます。
この時点では、まだ遺族ではありません。
しかし、この時点からすでに家族を失う悲嘆は存在します。
先に起こることが見えているのですから
その時を迎えた自分にとても不安を感じている・・と思います。
未経験は「死」だけではなく
それに伴っておきる葬式という「大仕事」にも
未経験の不安と言う、大きな負担があるでしょう。

生前相談から、ご家族のグリーフは始まっていると
認識して相談を受けるのが大切です。
私は「何が一番知りたいことですか?」と尋ねて
先ず、その答えを差し上げます。
ずっと気になっていたことを初めに解決してあげ
それに関したプロとしてのアドバイスをします。
質問に準じた過去の例を話すのもいいですね。

相談者が「あ、この人なら安心できる。私の見方になってくれる」と感じて
くれたら、そこから先は葬式の説明をするよりは
話を聞き入れてあげる雰囲気を作り出すほうがいいでしょう。

場所がいい、会館が便利だ、価格が安い、だけの印象しか与えられなければ
他へ相談に行ってそれ以上の条件があれば、そちらに決めるでしょうね。

でも、人の死を扱う場所を決定するのには
「ケア」と言う大きな要因があることを忘れてはいけないのです。

ですから最後に必ず
「他の葬儀社も是非ご相談にいらしてください。
あなたにあった一番良いパートナーを探すことです」と付け加えます。

選択の自由を教えて差し上げるのも
ケアの1つです。