柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族を見送った経験はあるけれど・・・

2020年10月04日 | 
エンドオブライフ・ケア協会の研修を受け
看取りの体験レポートを提出します。

この研修は、看取りに携わる医療関係者や介護関係者が
死を前にした患者さんをどのよう看取るかの研修です。

多くの受講生は職場の日常に看取りの環境がありますが
私は一般人なので、自分の過去の体験を課題とします。
家族を見送ったことを思い出してみて気が付いたことがあります。

私の家族は「突然の別れ」ばかりでした。

儀母、私の両親、伯母の死に
私は立ち会っていますが
皆、死の直前まで普通の生活を送っていました。

義母は特別養護老人ホームに入所していましたが
私が義母を訪問し車椅子で庭を散歩した翌日に
呼吸が乱れ緊急入院をしました。
検査の最中に急変し
数分後にかけつけた時には息を引き取っていました。

父は臥せている時間が多かったのですが
食事は居間で取っていましたし会話もしていました。
昼に父は食事を喉に詰まらせ、仮死状態になり入院。
意識が戻らぬまま3週間後に亡くなりました。

伯母は夜中に心臓発作をおこし
私に電話をくれまましたが、駆けつけた時は虫の息。
心臓マッサージを受けながら救急車で搬送。
病院に到着した時に心停止でした。
発作を起こした日には美容院に行き、近所の人と話し夕食も済ませていました。

母は老人ホームにいましたが。
友人が訪ねてくれて
談笑している最中に腹痛を訴え緊急入院。
胆管炎と判明しましたが痛み止めで対処。
その直後からほとんど眠ているままで
会話もままならず2ヶ月後に眠った状態で亡くなりました。
老衰です。

全員が医師から余命の宣告を受けたり
家族が死を予感したりという時間がないまま
死に至るまでの看取りをしてないのです。

意識の戻らぬ父と母は
会話もなく容態の変化もなく
心電図や呼吸器の器機を見て過ごしていました。

母の時には
看取りの心得が少し身についていたころなので
反応のない母に話しかけ、手や体をさすることは出来ました。



最近では
治療が出来なくなった最終段階の患者に対して
医師や看護師、ケアマネージャー、介護士、薬剤師等
多くの関係者が身心の情報を共有しチームで、その患者の
不安や落ち込みや、痛みに対処するようになってきました。

死を目前にした数日、数週間から数か月
本人が穏やかな気持ちで過ごせるように
また家族の不安も支援できるようにと考えてのことです。

私が家族を送った体験には
その期間がありません。

亡くなり方は誰も選べないのですが
この研修を受けて
死を前にした人に、どう向き合えばよいのかを学び
私の亡くなった家族にもそんな環境で送ってあげたかったと
思っています。




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