華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

【お稽古】2007年3月13日(火) 桜 (瓶花)

2007年03月14日 | Flower
日本人が最も愛すると言っても過言でない桜
なぜこんなにも人の心を惹きつけて止まないのでしょうか、、、
そしてその美しさゆえ人を狂わせるとも言われます。

名前の由来は神話の一説『さきくにさくらん、ほきくにさくらん』の『さくらん』が『さくら』になったとも
古事記に出てくる神『木之花咲耶姫(このはなさくやひめ)』が最初の桜のタネをまいたと桜の霊とされ
さくやひめが”さくら”となったとも言われます。

ソメイヨシノや多くの種類は花が咲いた後に葉が出ます。
山桜は葉と花が同時に出ます。
果実(さくらんぼ)はつける種とつけないものがあります。

日本の国花 (正確には山桜  もう一つは菊)

百人一首に桜を詠った歌は数えると6首でした。
桜を愛でながら一首づつじっくり楽しんでみるのはいかがでしょう。

花はなの色いろは うつりにけりな いたづらに 我わがが身世みよにふる ながめせしまに 
小野小町(おののこまち)

久方ひさかたの 光ひかりのどけき 春はるの日ひに しづ心ごころなく 花はなの散ちるらむ 
紀友則(きのとものり)

いにしへの 奈良ならの都みやこの 八重桜やへざくら 今日けふ九重ここのへに にほひぬるかな
伊勢大輔(いせのたいふ)

もろともに あはれと思おもへ 山桜やまざくら 花はなよりほかに 知しる人ひともなし
前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん )

たかさごの 尾をの上への桜さくら 咲さきにけり 外山とやまのかすみ 立たたずもあらなむ
前中納言匡房(さきのちゅなごんまさふさ )

花はなさそふ 嵐あらしの庭にはの 雪ゆきならで ふりゆくものは 我わが身みなりけり
入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん )

先日行った友人の雅楽の発表会を思い出しました。
狩衣(かりぎぬ)姿に身を包んだ演奏家の姿はまるで万葉の世界にタイムスリップです。

桜の枝振りを活かして瓶花に活けてみました。
今回も個性的で面白い枝との出会いがありました。
お稽古で巡り合った一期一会を大事にしたものです。


イリス      3
薇(ぜんまい) 2
玉羊歯     5

お稽古の写真