華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

今夜、すべてのバーで 

2009年07月16日 | LIFE
著 中島らも
お酒好きの私には
非常に恐ろしくて、非常に面白かった。
お酒について真剣に考えてしまった。
自分のアルコールの心と体の依存度が非常に気になった。
が、現実を知るものもちょっと怖い。
(実際、作中にテストがありますが、、やってない、、)
読んだ後は冗談で自分や他人をアル中と軽口たたけない。。

主人公が経験するすべてがリアルすぎるが不思議に重くも不快感もない。
作中の主人公の豊富な知識と客観的な性格は著者そのもの、、、自伝的小説。
膨大な参考文献が最後に出て来ますが、経験無くして書けない作品。
そして著者がとても頭のいい人だったという事を再認識した。

薬物、アルコール中毒に染まった多くの有名人たちのエピソードが興味深い。
しかもエルビスプレスリー死亡時のくだりを読んでる時に、マイケルジャクソンが亡くなった。。。タイムリーすぎる、、
(青春時代、沢山の影響を与えてくれたキング・オブ・ポップ、ほんとに偉大です。心からご冥福をお祈り致します)

でもこの作品で一番の読みどころは
ユニークな登場人物と抱腹絶倒のエピソード
実はそこに人生の重みが沢山隠されてる。
読み返すとほんとに深い。

ますますら中島もさん好き人なった作品。

お酒好きな人、、是非読んで見て欲しい。

そしてお酒は楽しく飲める相手とおいしい料理を備えて、味わいながら飲もうと決めた。


もう一作、中島らもで大好きなのが 

『寝ずの番』 
落語界の話。師匠の臨終からお葬式、、、最初から最後まで大笑いの連続。
ちょっと、イヤ、、かなりエロい話の連続
それでいて下品じゃない。なんか粋なんですね。
私の地元の今里新地の芸者遊びが出てきたりします。

こちらは映画も是非、、、
中井貴一の演技が艶っぽくて好き。
めちゃっくちゃ笑えます。

落語の世界に興味があればなお楽しめる一作。

今更ながらにほんとに今更ながら”中島らも”の才能に目覚めてました。

私の中の”すばらしき大阪人”の一人。