四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「桜」西行に寄せて

2019年03月30日 13時08分53秒 | 日々の歩み
今年のさくら(ソメイヨシノ)は、ここ横須賀でも平年より早く3月20日に開花が見られ平成最後の春を、
艶やかに彩りつつ、四月を待たず、今まさに満開の時を迎えています。

寒々しいまでに、枯れ枝に埋まっていた里山も、薄紅と白色の桜が一斉に花開き「花化粧」にも似た様相を呈し、
春の訪れを色濃く演出してくれています。
咲いている桜も様々な種類があるらしく、花の色と様相に変化が見られます。





ソメイヨシノの淡いピンク、大島桜の白い大ぶりの花、さらにミヤマザクラの新芽との絶妙なコントラスト等々、
眺める私達を楽しませてくれます。

桜と言えば、西行の
    「願わくは 花のもとにて春死なむ その如月の 望月のころ」

の歌が思い出されますが、かの西行も咲き満る桜を見つめて、心浮き立つ一時をもったものと推察されます。
西行の生きた時代から800年を越える歳月を経ても、桜に寄せる人々の心は、そう大きくは変わって
いないのではないでしょうか。

そんな桜に寄せて何首か短歌を詠んでみました。
  ☆ 西行の想いの底に咲きたるは 死へもいざなう山桜花
  ☆ うす闇を覆い尽くして咲く桜 哀しきまでの憂い秘めもつ
  ☆ 語り得ぬ思いつつむや山桜 咲き満ちてなお風情寂しき
コメント
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