四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

花吹雪舞う

2020年04月04日 11時55分02秒 | 日々の歩み
 例年より10日近く早く開花した桜も、満開の時を過ぎ花吹雪を散らしています。
コロナ禍の喧騒の中で春を先取りして咲いた桜も、眺めることのかなわなかった上野の
桜も含めて、いずれも見事に咲き切っている感があります。



 目黒川の畔で春爛漫を演出する艶やかな桜も、今年は自粛要請のもと例年のような
人々の賑わいも少なく、静かに散り時を迎えていることと思います。
外出自粛要請を受け、今年は出かけることを控えましたが、かつて目黒川を上流に溯り、
桜吹雪を浴びた情景を今でも鮮明に思い出します。



目黒川は都市の中心部を流れる川として、最近は生活排水等の汚濁も減少し、清流の
面影を取り戻しつつあります。
 かの日・・・、この川の畔の染井吉野、大島桜等は咲き満ちて、一斉に花吹雪の
ときを迎えておりました。

川の畔を覆い、うす紅に染める桜のトンネルも圧巻ですが、花吹雪が目黒川を埋める
如くに舞い、花筏となって流れ下る様。そこには花の命が秘める情念にも似た、
凄さを感じさせられた次第です。



今回は、その折の感慨等を織り込み、短歌に詠ってみました。
☆ ゆく春の愁いとどめし花吹雪 目黒川埋めなおも逆巻く
☆ 咲き満る花も秘めるか情念の 想いのたけを散り際にみせ
☆ 縫う街の汚濁呑みても目黒川 瀬音清らに花いかだ乗せ
☆ 目黒川さくら逆巻く花いかだ 憂いまぎるる流れはげしく
☆ 散る花を浮かべ逆巻く目黒川 春の憂いも つつみ連れゆく
☆ 花びらで埋め尽くさんや目黒川 コロナの春の記憶留めて
☆ 花いかだ浮かべ流るる目黒川 かの旅立ちを見守りくれし
☆ 降り零す その営みも業なりや 花吹雪浴び老木に問う
コメント
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