四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その88)

2023年06月14日 05時57分27秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その88)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「アジサイ 白」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」


【詞書】世界文化紀行で「日本フラワーパーク」を掲載しています。鹿児島から北海道まで
  全国津々浦々までありますが、今回はご当地長野県と山梨県のフラワーパークを詠んで
  みました。
 註)長野県「菜の花公園」
☆いいやまは唱歌の世界思わせる 豊かな景色心を癒す
 註)長野県「富士見高原リゾート花の里」
☆八ケ岳夏の高原涼しくて 見どころ満載カラフルな花
 註)山梨県「花の都公園」
☆広大な季節の彩り花畑 四季折々に堪能できる
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 長野県と山梨県のフラワーパークを詠んだ三首の詠歌は、いずれも豊かな色彩を感じ
 させる
公園の様子を的確に表現し、良く分かる歌となっています。

 一首目の「菜の花公園」は、詠われているように、唱歌『おぼろ月夜』の舞台となった
 場所で、
見わたす限り菜の花の鮮やかな黄色に覆われる花の公園でもありますね。
 その公園も夕月がかかるころ、菜の花の甘やかな香りが漂っていたことと思います。
 そんな様子も
含めて、ご参考として詠んでみましたが、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★菜の花に染まり香れる公園も 夕月かかり おぼろにかすむ

【詞書】実家に帰るといつも私の好きな花を生けて待っていた母を思います。紫の桔梗は
  特に私も母も好きな花です。
☆むらさきの霧のむこうに母が顕つ 桔梗咲く庭風の相聞
【詞書】遠くから見てもよくわかる白い花、風に煽られて翻る花はまるでダンスを
  しているようでした。

☆薫風に歓喜のダンスするような なんじゃもんじゃのこの白い花
【詞書】先日松本零士氏のお別れ会が、東京国際フォーラムでありました。
  祭壇は銀河葬、献歌は「銀河鉄道999」とnetで紹介されていました。
☆「戦争はもうやめてくれ!」と松本零士(れいじ)氏の祈りは今も銀河を駆ける
                          夕庵さん
【解説】
 一首目の「桔梗」を詠んだ歌は、作者の母恋の歌であり、お母様を偲ぶ想いが
 しっとりと
味わい深く詠われています。母は子にとって永遠の存在であり、まして
 好きな花を見るたびに
偲ぶ存在でもある事を、改めて想い起させる歌でもあります。
 二首目は、なんじゃもんじゃの白い花が風に揺れるさまを「ダンスするよう」と
 コミカルに詠い、
爽やかな歌になっています。
 三首目、松本零士氏の「銀河葬」を詠んだ歌は、ウクライナの現状を見る時、心に
 刺さります。
同じく松本零士氏の作品で『宇宙戦艦ヤマト』に登場する沖田艦長が、
 「人は生きるために生まれてきたのであって、死ぬために生まれるのではない」と叫ぶ
 場面が
あります。この叫びと祈りを、私たちは改めて心に刻む必要があると思います。
 こんな思いを
喚起する歌と考えます。

     「桔梗」

【詞書】夏野に寝転んだ事を二首詠んだのですが、どちらがいいか迷って二首とも
  出詠します。

☆草の香をまとひ夏野に寝転べば 母に抱かれしやうに安らぐ
☆寝転びて夏野は母と想ひけり 見上ぐる空は父とぞ想ふ
                         みっちっちさん
【解説】
 夏野と言えば、正岡子規の
  「絶えず人いこふ夏野の石一つ」
 の句が思い浮かびますが、私はニッコーギスゲが群れ咲く
信州、車山高原の宏大な
 野原を思い出します。高原の風が吹き渡る野原に寝転ぶのは
最高の癒しでもありますが、
 詠われているように「母に抱かれしやうに安らぐ」想いですね。

 私は、一首目の素直な歌い方に惹かれます。

【詞書】シャローナ  ザ・ナック「マイ・シャローナ」を聴きながら
☆どんどん行くよ😃
  君の笑顔😊がボクのエナジーだぜ😉
     my my マイ・シャローナ
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 いつも飲みに行く店で、いつも掛かっている誰もが知っている曲。でも曲名を知りません
 でした。
ふと聞いたままのいい加減な英語のマイシュローラーで検索してみたら⁉️
 ザ・ナックの
「マイ・シャローナ」と言う曲でした。
 こんな曖昧な検索でも、検索出来ると言うのに驚きました。私の英語ダメ🙅をGoogleも
 AIが
把握していて検索しているのかな?😱
 マイ・シャローナ(My Sharona)は1979年に発売されたザ・ナックのデビュー・シングルで、
 ビルボードホット100で5週連続1位を獲得、1979年を代表するヒットナンバーとして知られる
 そうです。
メンバーのギタリストが一目惚れした少女がSharonaと言う娘で、その娘を
 イメージして出来たとか。

 下記URLに曲をリンクさせておりますので、ああの曲ねとお聴き頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/0a7d13f06a71229c551a389771a6e8a3
【解説】
 Googleも最近「Chat GPT」と同様な機能を持つ、「Bard」の試験運用を開始しました。
 従って検索機能にもその種の機能を包含しているかも知れません。
 ユーチューブで「マイ・シャローナ」の曲を視聴させて頂きました。結構ノリノリの曲で
 ビールが
進みそうですね。「止められない、あきらめない、抑えられない」とのギタリストの
 叫びが
共感を誘います。こんな曲を聴きながら気の合うメンバーで杯を傾け合うのは最高
 ですね。

 「君の笑顔😊がボクのエナジーだぜ」を歌のみでなく、素敵な方にささやいてみたいもの
 ですね。
そんな想いにさせられる詠歌でもあります。

【詞書】ブログ友のことを詠った三首でございます。
  今週も詞書なしで、わかる方にわかっていただけたらと思います。
☆虫めづる姫の爆発富士山の噴火にも肖て貴かりける
☆虫めづる姫は瀬織津姫のごとこの世清めるため存在す
☆虫めづる姫は汚い沼に咲き汚い人らの汚物吸ひあぐ
                          水仙さん
【解説】
 三首の歌は、何れもブログ友を詠んだものと拝察します。その方はご自分のブログで
 言われないコメントに傷つきながらも「私は、虫を観察することをエネルギーにし、
 生き抜いてやるぞ!」と前を向く聡明な方とお見受けしております。
 二首目の「瀬織津姫」とは、川に坐す水の神で、すべての罪を海にながしてくれる
 女神とのことです。大ヒット映画『君の名は。』は瀬織津姫をモチーフにしていると
 指摘する人もいますが、人の世のけがれや、罪をすべて受け入れ水に流してくれる神の
 存在は有難いですね。そんな神にもたとえられるブログ友は得難く、大切な方と思います。
 このような歌は、苦しみの中にいる友への何よりのエールになるのではないかと思っています。

【詞書】「ダム爆破」はどっちがやったとか関係ない、ウクライナの人達もロシア(系)の人達も
  助ける事が最優先とちゃうんか?その地域だけでも停戦したっていいやろうに、なおも
  砲撃とか、ええ加減にせえよ!…って感じです。…あまりにも罪深い所業です。
☆人間も動物も家も押し流す
    ダム爆破など言語道断!
【詞書】初めて映画館で観た洋画が「奇跡の詩」でした。そのストーリーは…飛行機事故後
  たった一人でジャングルを彷徨って、色々危ない目に遭い…ボロボロになりながらも、
  生物学者の父親の「川に沿って下れば人の居る所にたどり着ける」という言葉に従って
  歩き続けて、ついには人に出会えて助かって、会いに行くはずだった父親と再会を果たす…。
  一緒に乗っていた母親をはじめ、乗客は皆亡くなって、主人公の少女も亡くなっている
  だろうと思われていただけに、「奇跡だ!」と、当時大騒ぎになり、事故から三年後の1974年
  に映画になったとのことです。
  今回の事故とその後の経緯から、人間の「生きる力」について改めて考え、少し懐かしい
  記憶がよみがえった出来事でした。
☆子供たち飛行機事故から生還し
   アマゾン「奇跡の詩(うた)」が再び
【詞書】6月11日に甲子園球場で、甲子園球場100周年記念事業として行われた
  「ブラスバンドフェスティバル2023」。
  この日はスタンドはもとより、フィールドでも「プレイヤー」は吹奏楽部員!智辯学園、
  智辯和歌山、習志野高校、龍谷大平安等々、名だたる8校の生徒たち。こういうイベントは
  100周年だけでなく、またやってほしいです。
  「高校野球」は最早、日本の文化だ!と、楽器も出来なきゃスポーツ音痴な私は思うわけです。
☆梅雨空に響くブラスや甲子園
    吹奏楽部がこの日は主役に
                          ちがやねこさん
【解説】
 ウクライナでは6日、南部・ヘルソン州にあるカホフカ水力発電所のダムが決壊しドニプロ
 川下流域一帯に水が押し寄せて住宅が浸水するなど大きな被害が出ています。
 さらに、ウクライナ軍の幹部は11日、地元メディアの取材に対し、ロシア軍が東部・
 ドネツク州と南部・ザポリージャ州の境界に位置する、ウクライナ解放地域のダムを破壊した
 と発表しました。詠われているように、正に「言語道断!」の所業です。
 さらに、アマゾン「奇跡の詩」、「ブラスバンドフェスティバル2023」と、今日的なホット
 な題材を手際よく織り込み詠った手並みは流石と思います。ジャーナリスト的な視点を持った
 短歌には私たちも学んで行きたいと思っています。

【詞書】先日、伊豆に小旅行してクロを初めて動物園に連れて行きました。興味津々で
  動物さんたちを見ていました😄
☆ムフロンと 檻を挟んで ご挨拶
       動物園に お散歩デビュー
☆溶岩の 海に架かりし 城ケ崎
       吊り橋揺れる 初夏の荒波
                          クロママさん
【解説】
 愛犬クロちゃんと共に行かれた東伊豆、城ケ崎におけるご旅行の一齣が楽しく爽やかに
 詠われていて共感を誘います。
 一首目は、東伊豆町にある動物園「伊豆アニマルキングダム」での、「ムフロン」の
 赤ちゃんとクロちゃんとの出会いが微笑ましく詠われていますね。「ムフロン」は羊の
 原種とされるていますが、クロちゃんにとっては興味深い出会いになったことと思います。
 「お散歩デビュー」の表現が良いですね。

     「がく紫陽花 墨田の花火」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆むらさきの霧のむこうに母が顕つ 桔梗咲く庭 風の相聞
                         夕庵さん
★風薫る庭に桔梗のむらさきは母の遺愛の京小紋ふと
                         みっちっちさん
★春彼岸 母の形見の京小紋 リーフオームをして参りしことを
                         夕庵さん

☆薫風に歓喜のダンスするように なんじゃもんじゃのこの白い花
                         夕庵さん
★南風にああそうかいの花の精 踊れよ 白き踊り子たちよ
                         みっちっちさん
★紫陽花のま中に集う花の精 開く日待つや今日や明日やと
                         夕庵さん
★移り気のちさき妖精 紫陽花の色を変へゆくマジシャンなるや
                         みっちっちさん
★「移り気」とう紫陽花の前 素通りす何にこだわる罪なきものを
                         夕庵さん

☆寝転びて夏野は母と想ひけり 見上げる空は父とぞ想う
                         みっちっちさん
★しわぶきのひびく部屋には足遠く 明治の父はいつも寡黙で
                         夕庵さん
★ご自慢はのど自慢にて鐘ふたつ 父逝きてもうななとせなりき
                         みっちっちさん
★はつ夏のい草の敷物におい立つ 転(まろ)びて安らぐ古民家に来て
                         夕庵さん

☆嵐にも移ろい遂げる紫陽花の 変化に秘むる いのち羨しく
                         ポエット・M
★清流に万のいのちを産みつける 襤褸の鮎のひと世壮絶
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆けむるがに咲きみだるるやジャカランダ すさぶ梅雨をも 柔らかに受け
                         ポエット・M
【解説】
 満開のジャカランダを梅雨が容赦なく叩いています。「桐もどき」とも言われる青紫の
 花群れが
高木の上で霞んで見えます。それでも雨を受け流し咲いている様には
 「柔よく剛を制す」の言葉
ではありませんが、花のもつ包容力と矜持を感じます。
 そんな花に寄せて詠んでみました。


      「ジャカランダの花」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著(31)
  
7.折々の歌(10)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   ああ夢か
     幻なりと
       詠えども
         詠えば詠う
           哀しみ剰余

             我は夢
              我は幻
                しかれども
                  この哀しみの
                     気分実存

                       実存の
                        哀しみあらば
                           実在の
                            哀しみあらん
                               星の彼方に

          星空の
            彼方を永遠に
                駆け巡れ
                  我が哀しみよ
                     エコーとなりて

      百万本
       憂き世の我を
          緋につつむ
            高麗の川辺の
                彼岸花かな


     「がく紫陽花 白」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 今回は文字数制限により中止とさせて頂きます。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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