第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その113) 短歌の投稿を歓迎します!!
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
☆☆☆ 年末・年始の「水曜サロン」への投稿日程の変更を申し上げます。
☆☆☆ 2023年12月20日(水) 今年最終掲載日、締め切り 12月19日(火)
☆☆☆ 2024年 1月17日(水) 新年最初掲載日、締め切り 1月16日(火)
なお、締め切り時間は いずれも17:00です。
☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
第二部 「ネット短歌」 :返歌専用です。
「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。
「咲き盛る 山茶花」
「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」
【詞書】23年12月4日から8日までの「世界文化紀行」短歌より3首選択しました。
註)江戸百景「13景下谷広小路」より
☆広小路花見に向かう一行が 意気揚々と揃いの傘を
註)フランス紀行「ジャン・バティスト・ピガール広場」より
☆ベル・エポック香り漂わす広場には 芸術家たち愛した場所も
註)日本の祭り「赤穂義士祭」より
☆時を超え語り継がれる赤穂義士 人生賭けて本懐遂げる
浅間山明鏡止水さん
【解説】
作者の掲載される「世界文化紀行」の記事と、短歌は、居ながらにして世界の
歴史や、絵画、庭園、さらに詩歌にも触れることができ、フアンの方も楽しみに
していることと思います。私もその一人ですが・・・。
今回は「広小路花見」「ピガール広場」「義士祭」と、季節も、国も、時代も
異なるテーマを選んで詠って頂きましたが、何れもテーマのポイントを押さえて
内容の良くわかる歌になっていると思います。
三首目、来たる12月14日には赤穂市と、同時期に東京泉岳寺にても「義士祭」
が予定されています。詠われているように義士たちの仇討ちは「日本人の胸を
打つ歴史物語として語り継がれて」いますね。
現役時代この祭りについて「中央義士会」の会長さんから、丁寧にレクチャーを
受けた記憶があります。年々盛大に開催されているようですね。
二首目の「ピガール広場」のハイライトは、やはりムーラン・ルージュで
カンカンダンスの発祥地として知られていますね。詠われているようにパリの
良き時代(ベル・エポック)の香り残されている広場でもありますね。
こんな視点でも詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★優雅にも芸術香る良きパリの ムーラン・ルージュの風車が回る
【詞書】眩暈が完治して、紅葉の写真を撮ることを目標にしていましたが、
無理な様なのでそのことを含めて、詠ませて頂きたいと思います。
☆美しい紅葉の木を見つけども 手にカメラ無く遠くに眺める
☆散らざるを願いし紅葉(もみじ)治癒待てず 冬、山風に散りしけるなり
☆歴史ある「あけび」誌の中 先生の「水曜サロン」掲載祝す
西BOOさん
【解説】
二首目には、紅葉の写真撮影に期待を寄せていた作者の口惜しさと残念さが
溢れていますね。「冬、山風に散りしけるなり」に、その想いが篭もっています。
三首目の短歌、歌友のリコさんの御尽力で「掲載」が実現しました。
「水曜サロン」の広がりと、つながりのご縁を喜びたいと思います。
一首目の歌は、美しい紅葉に出会った喜びと、それを写真に撮ることが
できなかった悔しさ、そして紅葉の美しさに圧倒されたという、複雑な感情が
切なさも滲ませつつ詠まれています。また、リズム感も良く、読みやすい歌と
なっています。
なお、1句目で、「美しい紅葉」と表現されていますが、その具体的な様子が、
表現されれば、紅葉の美しさがより際立つと思いますが…、上の句に少し手を
加えて見ましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★くれないに燃えたつモミジに まみえるも 手にカメラ無く遠くに眺める
【詞書】先日奈良の紅葉を見てきました。昨年の紅葉とは違って時季がよかった
のか、何処を見ても紅葉一色でした。また、いつ行っても奈良の鹿は観光客の
くれるおせんべいにお腹もいっぱいなのか、おとなしくて優しい目をして
いました。
☆爺婆がお団子持ちて出てきそう むかしばなしの茅葺き茶屋は
☆黄葉のもみじ明かりに茅葺きの 茶店も日ぐれて鹿もねぐらに
☆手や足の朽ちた大和の仏たち 鹿と眠れよその身横たえ
夕庵さん
【解説】
奈良の紅葉は「奈良公園」でご覧になったのでしょうか。ここは、歴史と
豊かな自然に恵まれた歴史公園で、広大な敷地には、東大寺や興福寺などの
世界文化遺産や庭園や園地も隣接し、悠久の歴史を実感できる場所でも
ありますね。身近にこのような歌枕に恵まれているとは幸せなことですね。
三首の歌は、何れもこの公園の雰囲気を詩情豊かに詠い、私達をその場所に
誘ってくれます。
特に、二首目の歌は、紅葉の美しさと、夕暮れの寂しさが表現され、
ほのぼのとした雰囲気を醸し出す良い歌だと思います。また、「茶店も日ぐれて
鹿もねぐらに」と時間の経緯が無理なく詠われ、リズム感も良く朗詠したくなる
歌と感じました。
三首目の歌、建立されてから長い歳月、雨風に晒され「手や足の朽ちた大和の
仏たち」に寄り添う夕庵さんの優しさが滲み、調べも良い歌と思います。
人々を見守り、その魂を救ってきた「大和の仏たち」。もう充分役割を果たした
のだから「鹿と眠れよその身横たえ」と労をねぎらって歌を締めています。正に
現代の「神話」を紡ぎつつ慈悲の心を詠っていると考えます。
【詞書】ちょっとした、冬の日常風景などを三首、詠んでみました。
☆きんきんと冬の廚(くりや)に皿洗ひ 指の切り傷きりり痛みぬ
☆きりきりと小指の傷は痛めども こころの傷の癒せばよしと
☆木枯らしにシャッター街のがたと揺れ 犬の遠吠へ 風に千切れり
みっちっちさん
【解説】
詞書にありますように、日常風景を丁寧に詠んだ三首の歌に作者の柔らかな
感性と観察眼が光ります。
特に、三首目の歌は、木枯らしの吹きすさぶ街と、犬の遠吠が風に千切れながら
響くと詠われ、街の寂しさが鮮やかに表現され印象深い歌となっています。
なお、ゆれるシャッター街と、犬の遠吠の対比によって、木枯らしの冷たさと
街の寂しさがより際立って表現されています。このように二項対比によって
印象を際立たせる手並みには、いつも学んでおります。
また、木枯らしの吹きすさぶ街の中で、犬の存在は遠吠えをしつつも、唯一
温かな生き物であり、ホッとする点景となって歌の味わいを深めています。
「咲き競う 山茶花」
【詞書】YouTube短歌:メランコリック ラビリンス サティ「グノシエンヌ 第1番」
を聴いて
☆わたしはいつまでもダリの迷路から抜け出せずにいる
いったりきたり
自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
サティのグノシエンヌ 第1番を聴いていたら、サルバドル・ダリの絵と迷路を思い
描きました。ダリは、自分の無意識の中を絵画としたそうです。偏執狂的
批判的方法と意味不明のものらしいです。
そう言えば、夢を見て、どうしてそう言うのを見たかを誰も説明できないですね。
エリック・アルフレッド・レスリ・サティはフランスの作曲家。「音楽界の異端児」
「音楽界の変わり者」の異名で知られ、ドビュッシーやラヴェルに影響を与えた
そうです。画家シュザンヌ・ヴァラドンやダダイズムのトリスタン・ツァラ、
フランシス・ピカビア、アンドレ・ドラン、マルセル・デュシャン、マン・レイ
などと近しいとの事。アルコール乱用のために肝硬変を患っていたサティは1925年
亡くなったそうです。
「グノシエンヌ」第1番は、サティが24歳の1890年作曲。拍子記号も小節線もなく、
音楽と時間に対するサティの自由な思考が窺え、「思考の隅で…あなた自身を
頼りに…舌にのせて」などと書き込まれているそうです。
この曲を聴いて、何故ダリの絵と迷路を思ったかは、私にも説明できないが、
そう思いました。
下記URLに、サティの曲をアップしておりますので、御聴き戴ければと思います。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/eeaaf764e66e6e8904f76f563f6c2783
【解説】
サティ「グノシエンヌ 第1番」の題名は、古代ギリシアのクレタ島にあった古都
クノーシスに由来するというのが定説だったようですが、最近は、ほかの説も出て
来ているようですね。
ご案内頂いた曲を視聴させて頂きました。この曲の持つ東洋的な雰囲気も良い
ものですね。なお、ダリの絵画には、迷路がしばしば登場しますが、迷路を人間の
意識や無意識の複雑さを表現する手段として用いていると言われています。
サティの「グノシエンヌ」の曲と、ダリの絵画とをコラボさせ人間の意識や無意識
の複雑さを、歌で表現しきる作者の技法の冴えを感じます。ただ、
「いったりきたり」と詠うことで、迷路に惑いながらも楽しむ「大人のゆとり」が
この歌から感じられます。今回も、作者の曲と絵画、さらにその歴史も踏まえた
見識の深さに学ばせて頂きました。
【詞書】数日前に大阪箕面の滝の紅葉を観に参りました。片道3キロ往復6キロは
私にはなかなかハードで帰途やっと駅に近づいて来た時に、たまたま笹川良一
親子の銅像の横に石の椅子がありましたので座らせてもらいました。その折り
詠いました歌でございます。
笹川親子の像は笹川氏が年老いた母親をおぶったものでしたから、疲れ果てて
いた私もついこのお母さんのようにおぶってもらいたいと思ってしまいました。
☆庭園のやうな箕面の滝道を歩いて帰る紅葉のころ
☆つかれたる我の座りし石椅子のそばに立ちたる笹川親子
「推敲後:疲れたるわれの座りし石椅子のそばの孝養親子の像よ」
☆わが横に立つ銅像の母親はおんぶされゐる子の良一に
suisenさん
【解説】
大阪箕面の滝の紅葉を観に行かれ、片道3キロ往復6キロを歩かれたとのこと。
おっしゃるようにハードな道行きになったことと思います。疲れた状態で
笹川氏の「孝養の像」を眺めると「私もおぶって」との想いに自ずからなりますね。
そんな想いも滲ませて詠んだ三首の歌には、箕面の紅葉の美しさを愛でながらも、
疲れへの思いが勝っているかに感じました。
二首目の歌は、口語的でリズミカルな分かりやすい歌となっています。
なお、詞書がありますので結句の「笹川親子」は銅像である旨が分かりますが、
短歌の一首独立を前提に考えますと、「孝養の像」等の名称で表現される方が、
歌の趣旨がより明確になるのではと考えます。
なお、その後作者にこの歌を推敲して頂きましたので合わせて、掲載させて頂き
ます。ちなみに、笹川良一親子の「孝養の像」は、かつて全国に35体設置された
とのこと。
【詞書】先日、お墓参りを兼ねて故郷を旅してきました。故郷はまだ紅葉🍁が
残っていますがボチボチ散る時期に入っているようです。
☆故郷の 川に舞い散る
もみじ葉に
想いを馳せる 懐かしき人
☆幼き日 駆けて遊んだ
もみじ丘
夕陽に映える 落ち葉はらはら
☆南国の 生まれ在所に
もみじ散る
数え切れない 思い出乗せて
クロママさん
【解説】
「お墓参りを兼ねて故郷を旅」されたとのこと。この季節に紅葉を見ながらの
墓参は格別の思いであったことと思います。その想いと、懐かしさが三首の歌の
それぞれに溢れていると感じます。
特に一首目は、故郷の川に舞い散るもみじの葉を通じて、故郷につながる懐かしい
人への深い思いが表現され、しみじみとした想いの伝わる歌と考えます。さらに、
自然の風景と人への感情が巧みに結びつけられ、強い共感を呼び起こします。
また、季節の移り変わりとともに感じる切なさや郷愁も感じられ、全体的に、
詩的な表現と、情感の深さが見事に調和した良い歌だと思います。
【詞書】昼間に姉に呼び出されて、宇治川べりの喜撰橋のたもとを通り過ぎた時、
塔の島(宇治川の中州。公園になっています。昨日、TBSの「冒険少年」という
番組で伊沢拓司さんがここでギターを弾いていましたw)の上流側の先を
みたら凄い川霧!昼間なのに…とおもいましたが、雨が上がってからそれだけ
気温が上がったんでしょうね。けっこう幻想的でした。昼日中でしたが…。
☆雨上がり昼間の気温が上がりおり
宇治の川面に霧が漂う
ちがやねこさん
【解説】
川霧は川面と大気の気温差によって生まれると伺ったことがありますが、川霧は
幻想的でありロマンチックな雰囲気を醸し出していますね。
そんな想いが、「宇治の川面に霧が漂う」の下の句に読み込まれ、味わいのある
歌になっていると感じます。川霧は明け方によく見られますが、昼間に見られて
幸運でもありますね。
かつて、私も、川霧の幻想的な写真が撮りたくて明け方から二時間近く寒い中、
河口で粘ったことがありました。しかし、とうとう発生せずあきらめた苦い
記憶があります。偶然とは言え労せず見られ、さらに歌に詠みきることは素敵で
ありますし、凄いことと思います。
☆小径には菊の一叢あふれ咲く そこのみ照らす冬の夕陽は
ポエット・M
【解説】
師走になり、夕暮れが一気に駆け足でやってくると感じるこの頃です。早くも
西に傾いた夕陽が、木々を縫って小径の菊の群生に降り注いでいます。
あたかも「天使のはしご」に浮く菊の花の様相ですが、ひときわ輝いて見える
菊を改めて見直した次第です。
秋から初冬にかけて季節を彩る他の花に比べ比較的地味な花でもありますが、
夕陽に照らされて咲く菊の花の美しさに目を見張ってしまいました。そんな菊の
花に寄せて詠んでみました。
「溢れ咲く 菊の花」
「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(20)
「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
6.「短歌の章」 雪(1)
すぐろなる空より雪は舞ひ来り
わが胸に積む今朝の清しさ
雪降るを幼な子の如く待ちて居し
妻は 雪もて茶をたてて来ぬ
しらじらと雪舞ふ街の夕まぐれ
この淋しさの美しきかな
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
【水曜サロン紹介】前週に引き続き紹介させて頂きます。
リコさんの所属される短歌会発行の短歌誌「あけび 12月号」のコラムに
「水曜サロン」を次の通り紹介して頂きました。
「あけび誌」
「ネット短歌会」 リコさん(執筆)
私はインターネットの短歌サロンに参加しています。
gooブログ・「四季の彩り」の「口語短歌・ 水曜サロンの会」で検索して下さい。
1週間分の投稿(一人三首まで、詞書は1首200文字程度)を代表者の
ポエット・Mさんが纏めて毎週水曜日に更新されます。
第一部と第二部(ネット歌会)に分かれて掲載されます。代表者のポエットMさんは
現役時代に大型コンピュータのソフトウエア開発者の傍ら短歌を続けて30数年です。
今は日本歌人クラブに属しておられます。令和5年9月13日に「水曜サロン」は
100回の節目を迎えました。この短歌サロンのポリシーは、「短歌を自由な発想の
下で作成し、交流し学び合う広場を目指してやっていきたいと考えています。社会の
潮流に迎合することは必要ありませんが、それらも踏まえつつ自らの思いの表現手段と
して、また記録手段として、更には言語芸術の作品として短歌を紡いでいければと
思っています。」とのことです。色々な方が投稿されていますのでサロンの詠草は、
和歌らしい、優雅、上品、情熱的と多種多様です。日頃なじみのない短歌は私の
新しい視点の気づきの参考になります。
【運営にあたって】
(1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
場合もありますので、ご容赦願います。
(3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
(5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
了