四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)

2024年09月18日 05時47分08秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲き継ぐ 酔芙蓉 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。 主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。 今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。 私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「4.夕顔(ゆうがお)」
 空蝉にうつつを抜かしていたころ、源氏は六条に住む高貴な女の所に忍んで
 通っていた。宮中から六条に向かう途中、源氏は夕顔の咲く家に
住む女(夕顔)
 と知り合う。折しも六条の高貴な女との関係に気詰まりを
感じていた源氏は、
 この女に耽溺していく。近所の声が聞こえるような
家での逢瀬に嫌気が差した
 源氏は、女を廃院に連れ出す。その夜、源氏は
物の怪に襲われるような夢を見て、
 目を覚ます。源氏は魔除けをさせたが、
正気を失った夕顔はそのまま息を
 引き取った。悲しみにくれる源氏は瘧病を
患う。秋、病から癒えた源氏は、
 夕顔の侍女であった右近から、実は夕顔は
頭中将との間に子まで成した女で
 あったことを聞かされる。空蝉と夕顔との
はかない縁に、源氏は物思いにふける。
〇心あてに それかとぞ見る 白露の 光りそえたる 夕顔の花    夕顔
註)ふと目に留まった輝く君は、光源氏様でしょうか…。白露の光に映える
  夕顔が、美しく花開いています
〇寄りてこそ それかとも見めたそかれに ほのぼの見つる花の夕顔  光源氏
註)もしやなどと仰しゃらないで、もっと近く、なつかしく傍に寄り合い、
  その人かどうかたしかめてはいかがです
(返歌)
☆涼しげな 女主人の 心づかい 扇の上に 白い花のせて
☆推量の 二人の恋は 深まるも はかない運命 夕顔のように
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 垣根に美しく咲いていた夕顔の花。その花とともに香を焚きしめた扇に和歌が
 したためられ光源氏へ届けられました。一首目が、その「夕顔」の歌ですね。
 自ら積極的に光源氏へ歌を贈るという、当時の女性としては珍しい行動力と、
 香る扇に歌をしたためると言う、情趣豊かで雅な感性を身に着けた女性。その
 「夕顔」に光源氏が惹かれたことは想像に難くはありません。
 この二人の歌に対する作者の返歌は何れも二人の想いに寄り添い、その後の
 展開を暗示する意味深い歌になっています。
 作者の二首目の返歌「推量の・・・」の内容を、少し踏み込んで詠って
 みましたが、いかがでしょうか。
【参考詠】
★甘き香を まとい夜(よ)に咲く夕顔は 見守りいるや恋の滅びを

【詞書】「小鳥来る」は秋の季語です。渡ってきた色鳥、小鳥が庭先等に来ると、
  ああ、秋だなあと感じます。三首目は切手ですから厳密に言うと「小鳥」は
  季語として成り立たないかもしれませんね。でも短歌なので構いませんね。
☆鳥の名を教へてくれし亡き父の褪せし庭下駄 小鳥来る朝
☆朝なさな 色鳥戯(ざ)れる山門の 仁王の貌(かを)のゆるびゆくかな
☆愛らしき小鳥の切手 久々に故郷の友へ手紙を書かむ
                         みっちっちさん 
【解説】
 作者も言われる通り、小鳥は、その種類、行動、季節との関連性によって、
 様々な季語として俳句の中で表現されますね。短歌は季語の詠みこみを必須と
 していませんので、自由に発想し詠んで頂ければと思います。「小鳥」に
 まつわる
秋の情景を、味わい深く三首詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌には、朝の静かな時間に色鳥たちが山門で戯れていて、その
 光景を見ている仁王像の表情が和らいでいるかに感じる様子が詠まれています。
 この歌の魅力は、色鳥と人間の作り出した仁王像が調和している点にあります。
 鳥たちの自由な動きと、仁王像の厳かな存在感が対比されており、その対比が
 美しい情景を生み出しています。また「ゆるびゆく」という表現が、作者の
 優しい眼差しと共に、時間の流れや心の変化を感じさせ、私達を穏やかな
 気持ちにしてくれます。
 ちなみに、「色鳥」は秋渡って来る、美しい羽色の鳥のことで秋の季語となって
 います。ちなみに「朝なさな」は「朝な朝な」の音変化で「朝毎に」の意味です。

【詞書】毎日が、猛暑日ですが、その中でも小さな秋を詠ませて頂きました。
☆日々猛暑止まずもだえ苦しむも ふと空見ると秋の雲かな
☆夜冷房つけることは絶えねども 虫の音の中眠り誘われ
                         西BOOさん
【解説】
 今年の夏の異常気象は、何れも「観測史上初」との形容詞がつきますが、
 「命の危険をともなう暑さ」とは初めて聞いた思いがします。CO2削減等の
 課題に、為政者は真剣に取り組んで欲しいとの想いにさせられます。
 そんな日々に、詠われているように「小さな秋」も見られホッとしますね。
 二首とも炎暑の中で「秋の雲」「虫の音」を見出し、季節の移ろいを
 鮮やかに詠って、好感のもてる歌になっていると感じます。
 それぞれ調べも含めて、少し手を入れさせて頂きましたがいかがでしょうか。
【参考詠】
☆日々猛暑 止まずもだえて苦しむも ふと見る空に秋の彩雲
☆夜(よる)もなお 冷房つける日々なれど 虫の音の中眠り誘われ

【詞書】庭でバーベキューをしたときのことです。
☆若きらのジュージュー肉の焼く傍で われは一匹の秋刀魚を焼きぬ
☆身を沈む午後の書店の籐椅子に 眠りを誘うインクの匂い
☆跨線橋のぼれば夕焼け広がりて 思わずたじろぐ天体ショーに
                         夕庵さん
【解説】
 「バーベキュー」「書店の籐椅子」「夕焼け」と、それぞれのテーマで
 三首を味わい深く、詠んで頂きました。
 特に、三首目に触れたいと思います。この歌は、日常的に利用する跨線橋と
 いう場所から、広大な夕焼けが広がる非日常的な光景へと視線が移り変わり、
 作者の感動と、一種の驚きとが表現されています。
 上の句の「のぼれば」という語が、作者の躍動感とともに、私達ももその場に
 立っているような臨場感を与えてくれます。
 下の句の「思わずたじろぐ」という言葉は、夕焼けの美しさに圧倒された作者の
 心の動きが率直に表現されており、共感を誘われます。
 また、「天体ショー」という句が、夕焼けを宇宙の壮大なショーに見立てており、
 比喩表現の美しさを感じます。
 この歌には、日常の中に隠された美しさを見出だす視点と、それを的確に表現する
 描写力があり、何れも秀逸と感じました。


     「未だ咲き継ぐ 芙蓉 薄紅」

【詞書】YouTube短歌:ワレ生きているか? ゴンドラの唄
☆ワレ生きているか?
 季節外れの熱秋風が通り過ぎていくだけ

【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 ゴンドラの唄は、大正4年に、作詞は吉井勇、作曲は中山晋平で
 発表された歌である。
 これを黒澤明が、1952年映画「生きる」で、主人公の志村喬に、
 ブランコに乗りながら歌わせている。大ヒットはしなかったが、
 徐々に、幾年にも渡ってヒットし、名曲となっている。
 命短し、恋せよ乙女。
 乙女と呼ばれる世代の年齢の数倍生きている小生は、今生きて
 いるのか?とふと思った。今日も猛暑日となって、自身の
 行動範囲は狭くなってしまった。
 作詞者は、吉井 勇(明治19年- 昭和35年)で、北原白秋らと
 「パンの会」を結成し、石川啄木らとは雑誌「スバル」を
 発行した耽美派の大正期・昭和期の歌人、劇作家、小説家である。
 あと何年?と思っていても、老人(少年)老い易く学成り難し
 だな~と思う。
 以下URLに、生きるを貼付しておりますので、お聴き下さい。        https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/7cfbe31100259bd8de5521b3f4b6d473
                         自閑さん
【解説】
 作者の短歌説明にもありますように、映画「生きる」は黒澤明監督の作品です。
 彼の巧みな演出と美しい映像が、物語の深みをさらに引き立て
ています。
 余命宣告を受けた市役所職員の渡辺勘治が、自分の人生を
見つめ直し、最後に
 何か意味のあることを成し遂げようと奮闘する姿を
余情豊かに描かれています。
 「ゴンドラの唄」はこの作品でも志村喬が
唄い、重要なパートとなっていますが、
 かつて「その前夜」の劇中歌
として松井須磨子によって歌われた歴史もあります。
 余命を宣告されて、改めて「生きる」意味を自らに問い、自分の人生を見つめ
 直した物語の主人公・渡辺勘治の問いを「ワレ生きているか?」と
引継ぎ
 詠った作者。下の句で「季節外れの熱秋風が通り過ぎていくだけ」
と突き放して
 詠っていますが、「意味のあることを成し遂げよう」との
志を秘めている故の
 詠いぶりと考えます。

 映画「生きる」で、主人公・渡辺勘治は、市民のために公園を作ることを
 決意し、余命をかけて役所の官僚主義と戦いながら、最後の力を振り絞って
 公園作りのプロジェクトを成功させます。

 作者は謙遜していますが、「新古今和歌集」の資料発掘と、研究は民間の
 研究者の域を越えて、学術的にも貴重な意義を持ち、存在感を放っていると
 考えます。
映画「生きる」の主人公の熱意に通じるものも感じます。

【詞書】連日猛暑。近頃は「暑いぜ!」の熊谷市など内陸で暑さが厳しい
  ことでよく名前が上がる地名ではなく、やたら聞くのが福岡県の
  太宰府市。35度越えの日数が今日で59日を記録したそうな。
  菅原道真もびっくりだろうと言いたくなりそうなこの暑さ…。
  人の事言えんぞ、な京都市の隣に住んでますが、何しか暑い!!
☆太宰府に東風(こち)・南風(はえ)・西風(にし)・北風(きた)
            吹きまくり フェーン現象 連日酷暑
【詞書】真田広之さんが主演、プロデュース、演出などをして、日本から
  俳優さん達も多数参加し、ほぼ日本語で演じられ、字幕付きで放送、
  配信された(10話)ドラマ、「SHOGUN 将軍」がテレビ放送に与えられる
  「エミー賞」を主演男優賞、作品賞など18部門を受賞という快挙を成し
  遂げました!バンザーイ!🙌徹底して“戦国時代収束期の日本”の
  表現にこだわり、「誤解された日本を描く時代を自分の代で終わらせ
  たい」と真田氏が発しただけに、日本人が見ても違和感を抱かないよう、
  細部までチェックして作り上げた作品だということで、(かかった
  費用はさることながら)素晴らしい作品になったようです。かなり
  昔ですが、「奥様は魔女」の再放送を見ていて、日本人が出て来る話
  (ダーリンの取引先の人か何か)で、当時中学生くらいだったかの
  私が「…それは違うやろ~」とテレビに突っ込まずには居られ
  なかった頃に比べて多少ましになった昨今でしたが、まだ描かれ方に
  「何か…」という感じが拭いきれなかったんですね。しかし、真田氏
  始め日本人の俳優陣、スタッフの方々、真剣に“日本“て向き合った
  ハリウッド側のスタッフさん方の真剣勝負なコラボレーションが、
  かくも素敵な「時代劇」を作り上げました。
  皆さん本当におめでとうございます。
☆海渡る 情熱ハリウッドに咲きて 
       “SAMURAI”は今「侍」と成りぬ
【詞書】大阪の御堂筋の“ど根性スイカ🍉”の話(皆さんで美味しく
  頂かれた…という後日譚も含めて)をご存知な方もいらっしゃるかと
  思いますが、今日のニュースワイドなどで見たのは、京都の烏丸五条の
  交差点を西へ少し行った辺りだと思いますが、国道1号(烏丸通り)の
  中央分離帯でまたしても“ど根性スイカ”が有る!という話です。
  御堂筋のより大きくてきれいにまん丸なスイカが育ってました。
  逞しいなあ~!!母など「誰かが(ひっくり返したり)世話してるん
  やって」なんて言ってますが、さあどうなんだか…。半端なく
  超暑っい!京都市内でこの先無事に育つといいんですが…。
  大阪の方は御堂筋の“ど根性スイカ”から採って育てた“2世”を
  皆さんが味わうという映像を見ました。…なんにせよ、この時期
  スイカは美味しいですよね。
☆“ど根性スイカ”育つや分離帯
        国道1号烏丸(からすま)五条
                         ちがやねこさん
【解説】
 「太宰府猛暑」「SHOGUN 将軍」「ど根性スイカ」と、今回も新鮮な時事に
 ついて、作者の独自の視点から、味わい深く詠んで頂きました。
 一首目の歌、太宰府市での猛暑日の連続記録が観測史上最長という報道が
 ありましたが、いくつかの要因が重なったゆえとのこと。ここは内陸部に
 位置しており、熱風が海風で冷やされることがないため、気温が上がり
 やすいうえ、詠われているように「フェーン現象」もあったようですね。
 異常現象を、このような歌に遺していくことも記録文学としての短歌の
 役割と感じます。またユーモアのセンスも、韻律もあり良い歌と思います。
 二首目の歌、「SHOGUN 将軍」への真田広之さんの、自らの全存在をかけた
 こだわりと
歴史認識に頭が下がります。18部門の受賞もさることながら
 「誤解された
日本を描く時代」を終わらせたいとの決意と、それを
 ハリウッドという特別の場で
やり切った事実に拍手を送りたいと思います。
 彼の「侍」魂と、実行力を讃えたいと
思います。 
 三首目の歌、「五条通」中央分離帯のスイカは、鳥などが運んできた種から
 自生した可能性が高いということで、大阪の御堂筋のスイカと同様に実生で
 結実することは「奇跡に近い」とのことですね。通常スイカは他の作物に
 接ぎ木して育てる
必要があるにも関わらず、「ど根性スイカ」は実生から
 育ち結実したとのこと。
「ど根性」の所以ですね。これらも異常気象ゆえの
 一現象かもしれません。

☆心字池 さざ波起こる そのもとに 鷺は静かに空を見つめる
                         ポエット・M
【解説】
 公園の一隅に造られた比較的大きな心字池。「心字池」との説明は
 歌友の皆さんにはいらないと思いますが…、その形が漢字の「心」の
 草書体に似ていることから名付けられたとのことです。その池に
 さざ波が立っており、その源に青鷺が静かに空を見つめている姿が
 見えました。泰然自若とした姿にも見えますが、その足を微かに
 動いているかに感じました。
 空を見つめる鷺の静かな佇まいと、その足の微かな動きに反応し
 さざなみの起こる情景を何とか記憶に留めたくて歌に詠んでみました。
 なお、心字池には三つの橋が架かっており、それぞれが過去、現在、
 未来を表しており、これらの橋を渡ることで心身を清め、神聖な
 場所へと進む準備が整えられると言われています。かねてからこれらの
 橋を幾たびか渡って来ましたが、未だ、整わない自分を感じています。


     「咲き盛る 昼顔の花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(55)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

36.「 短歌の章」 香港交換教授(1)

   去りにし日の戦の事も想ひ出ず 
           かくも夕陽は静かなりしか

   上弦の大き月出ず 
       たまきはる命を懸けしかの時も見つ

   鳳凰樹ほのかなる花も盛り過ぎて
          陽だまり暖たかく冬に入るなり


【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)ネット歌会

2024年09月18日 05時06分58秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く むくげ 八重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆夜 冷房つけることは絶えねども 虫の音の中眠り誘われ
                         西BOOさん
★鳴き出した虫の音色は子守歌 秋もそぞろに月も出で来ぬ
                         夕庵さん
★中秋の名月を待つ半月は 西の空のみ雲を浮かべる 
                         西BOOさん 
★盃に月を映して名月を 愛でつつ1首 君に贈らむ 
                         夕庵さん

☆跨線橋のぼれば夕焼け広がりて 思わずたじろぐ天体ショーに
                         夕庵さん
★架橋より君乗る列車見つめたり 秋夕焼けに点となるまで
                         みっちっちさん
★帰京する孫を見送る空港に 言葉にならぬ涙の笑顔
                         夕庵さん
★言葉なく涙で笑ふ人のゐて こころ複雑 人間だもの
                         みっちっちさん

☆愛らしき小鳥の切手 久々に故郷の友へ手紙を書かむ
                         みっちっちさん
★膨らんだ想いの手紙海越えて 羽あるように離島への旅 
                         夕庵さん
★海と山超へ困難な旅終へし 小鳥へ託す友への想ひ
                         みっちっちさん
★友よ友 如何に居ますやひとり居の日々思いやる足も萎えしと
                         夕庵さん
★ひとり居の花を愛する友垣へ 花に囲まれ御身(おんみ)豊かに
                         みっちっちさん
★小袋を百個縫うのが目標と友は励みぬミシンにむかい
                         夕庵さん
★妣(はは)作のワンピース着て澄まし顔 我十歳のセピアの写真
                         みっちっちさん
★洋裁を習い始めて縫う服は 母へレースの白いブラウス
                         夕庵さん
★洋裁が好きなりし妣(はは)の作品は あまた箪笥に遺されてゐる
                         みっちっちさん
★リメイクの得意なりしも寄る年に 紙と鉛筆あれば満足
                         夕庵さん

☆朝なさな 色鳥戯(ざ)れる山門の 仁王の貌のゆるびゆくかな 
                         みっちっちさん
★網越しの阿・吽の像に許し乞い 東大寺の門をくぐりぬ   
                         夕庵さん
★朝夕の気に大仏の頬やはに 秋澄みゆける奈良東大寺
                         みっちっちさん
★秋天に奈良東大寺の黄金(きん)の鴟尾 世界遺産を鹿と見上ぐる
                         夕庵さん
★金の鴟尾 緑の海を泳ぎたや 奈良公園を鹿と戯(ざ)れをり
                         みっちっちさん
★鹿とても酷暑を避けて昼寝する 風はやさしく睫毛くすぐり
                         夕庵さん
★昼寝より覚めて遊べる子鹿へと 深きまなざし向ける母鹿
                         みっちっちさん
★お辞儀して餌をおねだりする鹿に かこまれ悲鳴の観光客は 
                         夕庵さん
★バス乗れば異邦の少女にかこまれて 異邦の言葉に浸る楽しさ
                         みっちっちさん
★バスは我が足ともなれば時刻表 頭に入れて待ち時間なし
                         夕庵さん
★好きなのはマイカーなれど バスの旅ぼうと景色を眺めるもよし 
                         みっちっちさん
★車窓より見渡す田んぼにひこばえは 元気に芽吹き風にそよぎぬ
                         夕庵さん
★車窓より風にたなびくうす雲の 刻々変はりゆく空ながむ
                         みっちっちさん
★さらさらと砂の雲かや秋の空 指より落ちて彼岸花さく
                         夕庵さん

     「未だ咲き継ぐ ききょう」

☆空蝉に命もあるや夕映えに つかむ爪さえ放つ輝き
                         ポエット・M
★君はもう長いトンネル抜けたろうか 羽化した蝶はいま飛び立ちぬ
                         夕庵さん
★今まさに朝日を浴びて羽ばたきぬ 羽化する蝶は 煌めきまとい
                         ポエット・M
★蝶の旅 羽をたたみて安寝せよ 愛しきものへ語りかけむと 
                         夕庵さん
★海峡を たえだえ越える蝶の旅 愛しき吾子の食草求め
                         ポエット・M
★親と子の情愛かくも尊きに 人道背くは恥とこそ知れ 
                         夕庵さん
★子に注ぐ親の情愛深きゆえ 親にならねば分からぬものも
                         ポエット・M
★故郷を捨てし男(ひと)ゆくふる里へ 雪に埋もれて老母(はは)ひとり住む
                         夕庵さん
★捨てがたき ふる里今も胸裡に 母につらなる優しき山河 
                         ポエット・M
★あの男(ひと)は母に甘えにふる里へ 山も木立も影絵のなかを
                         夕庵さん
★影絵なす けむる山河に抱かれし 母なる里の緩やかなとき 
                         ポエット・M
★ふる里の入り口すでに無人駅 夢か現のなかをさ迷う
                         夕庵さん
【詞書】かつて通学に使っていたふる里の駅は、今は無人ですが存在しています。
  新幹線の駅がすぐ近くにでき、路線が異なるため二つ並んで使われており、
  近代的な駅舎と、古き時代の趣を残す駅舎の新旧の対比が微笑ましいです。
★ふる里の無人の駅は凛と立つ 新幹線の駅にならんで
                         ポエット・M
【詞書】ふる里への返歌は浅田次郎の小説「母の待つ里」を読んでの発想です。
☆ふる里の沢の流れに蛍とぶ 提灯かざして母の呼ぶ声
                         夕庵さん
【詞書】現代人の「ふるさと喪失」の深さを描き、心の原風景を思い起こさせる
  小説「母の待つ里」の主人公、松永徹ら三人の想いを詠ってみました。
★ふる里をもたぬ人らの胸裡に 静かにしみる「母」の言の葉
                         ポエット・M
★なつかしきお国なまりの囲炉裏端 乾きし心を満たすおふくろ
                         夕庵さん
★おふくろの なまりなつかし囲炉裏端 思えばここで命養う
                         ポエット・M
★偽りの子の名刺胸に旅立ちぬ 母も寂しき一世であったか
                         夕庵さん
★血縁を越える愛情育みて 「母」子の絆 深まりゆくや
                         ポエット・M
★読み終えてふる里恋し我もまた 尋ねてもみむ 兄住む町へ 
                         夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める コスモス」

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                     了

コメント (6)
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