生姜ちくわのぶらぶら山日記

趣味の登山を中心としたブログです。2014年11月より日本百名山登山開始、2018年9月23日全座登頂。

2014年12月6日 両神山(白井差新道経由)

2014年12月12日 | 日本百名山登山
日本百名山通いも四週目に突入。
この日の山は両神山。

【コースタイム】
9:05 白井差新道登山口 → 大又 → 10:05オオドリ河原 → 10:40~11:0ブナ平(休憩)→ 11:55~12:10両神山山頂 → 13:00~13:50ブナ平(昼食)→ 14:15オオドリ河原 → 大又 → 15:00白井差新道登山口


両神山は日向大谷から登るのが一般的だが、歩行時間が長く、登山口までの交通が不便で日帰りが難しいので、歩行時間が短く難所がない白井差新道より登ることにした。
この道は個人が所有しており、一日三十名限定、事前予約の上環境整備金として千円の支払いが必要、という珍しい道。

現地までは西武秩父駅からバスを二つ乗り継いで下車後1時間程度歩くことになるが、たまたま所有者のY氏がバス乗り換え場所の小鹿野町役場に行く用があるということで、ご好意で役場から車に乗せて頂いた。
当日はY氏のお宅で氏名や連絡先を記帳し、登山道の説明を聞いた。


天気は快晴。
登山道はよく整備されており、鎖場や痩せ尾根等の危険な場所はなく、とても歩きやすかった。
登るにつれて木々の間から両神山が姿を現した。

他の登山道と合流する尾根は薄く雪に覆われていた。
山頂の手前には鎖場が登場。

11時55分、両神山登頂。
登頂した日本百名山は5座目となった。
山頂は眺めがよかったがとても狭かった。

山頂から下山を始めて20分ぐらいたったころから雪が降り出した。
ブナ平で昼食。
あまりに寒かったので、雨合羽を着込んだ。
いつも通りカップめんを食べようとガスバーナーでお湯を沸かそうとしたが、途中でガスがなくなる。
ぬるいお湯のカップめんは麺が硬くておいしくなかった。


寒いので足早に下山。
登山口に15時ごろ到着。
下山報告と支払いのためY氏宅に立ち寄った。
Y氏より「バスの時間まで1時間半近くあるからお茶でも飲んで待っていたら」と声をかけられたのでご好意に甘えた。

お茶を飲みながらY氏と雑談。
Y氏は両神山の所有者の一人。
加えて埼玉県警察山岳救助隊の中心的存在で山のエキスパート。
遭難の事例や救助の話といった救助の現場の人ならではの話を聞かせてくれた。
ほどけた靴ひもを踏んだり、アイゼンのテープの緩みに気付かずバランスを崩して滑落したり、道に迷い来た道を引き返さずに進んでしまい崖から滑落して亡くなったり、とわずかな不注意で引き起こす事故が起きているという。
遭難者が生存している状態で救出されることが多いが、残念ながら亡くなっているケースもある。
中には足を切断しなければならないほどの凍傷を負った遭難者が足を切断することなく回復したり、滑落して数日前に足にひどいけがを負い命を落としてもおかしくない遭難者が生存していたり、と奇跡的な事例もあるという。

話の途中でY氏より多数の感謝状を見せていただいた。
山岳救助に対する強い誇りと情熱が感じられた。

Y氏より環境整備金の千円を支払うと、「領収書代わりに」と両神山の山バッジを手渡された。
おまけにお土産に自家製の干し柿もいただいた。
Y氏は有料の登山道の所有者でありながらも、商売っ気はゼロ、登山客との交流を楽しんでいるようだった。

Y氏は白井差入口バス停まで車で送ってくれた。
途中、立派な角の牡鹿が道を横切った。


白井差新道経由の登山では思いがけず面白い体験ができた。
これもY氏の人柄によるものだろう。
ところで、私は単独行が多い。
なんとか山岳救助隊の方にお世話にならないようにしたいものだ・・・。


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