前に書いたかもしれませんが、もう、だいぶ前の話。
年末の夜、JR京葉線(武蔵野線直通)に乗っていました。帰宅ラッシュとはいえ、車内は、まだそこそこ余裕がある程度の混み具合。
舞浜駅で、頭にミニーちゃんの耳をつけて、ディズニーランドのお土産袋をもった人たちが、どっと乗ってきてました。夢の国で楽しんだ若い子たちですから、車内は弾ける様な笑い声や甲高い歓声でいっぱいになりました。
そのときです。
イスに座り、うつむいて、ずっと自分の靴先を見ていた、若いサラリーマン風の方が
「静かにしろーっ!!!」
と、鼓膜が痛くなるような大声で叫びました。
水を打ったように静まり返る車内。
しばらく、電車の走行音だけが聞こえていました。
、、、、、長くなるので続きは、また明日書きます。
というのはウソで、
次の駅で、何も知らない人たちが乗ってくると、やがて、いつのまにか普段通りの車内となりました。
みんな堰をきったようにヒソヒソ声で
「なにさっきの?」
「やばくね」
「ウケる。頭おかしーよね」
「お前が静かにしろっての」
などと言っていました。
だけど、私はその人が、ずーっと頭を抱えるようにして床を見ているのが、とても心配でした。
酔っているようには見えないし、仕事で何かあったのかもしれない、親が亡くなったのかもしれない、婚約者に振られたのかもしれない…。
この年末の、浮足立つ世の中で、苦しみを抱えて、死ぬほどつらい思いを味わっている人がいます。
ちょっとした言い間違いや、勘違いの言葉尻を捉えて、SNSやネット上で
「あなたは間違っている」
「これこれこうだから、お前はおかしい」
「謝れ」
などと、言って、相手を追い詰めたり、論破して悦にいっている人たちがいるのが切ないです。
誰だって、間違えるし、失敗もする。不安になれば、周りから見れば変なことやおかしなことも言います。普段できる事も出来なくなる。
「そんなことも知らないの?」
「こんなこともできないの?」
「今どき、そんな効率の悪いことを…」
そんな事を言って、あんまり、困っている人を責めないで欲しいです。できる人ならばこそ…。
普通の人は、頭にきたくらいでは、車内で叫んだりしません。でも、あの晩、彼は叫んだ。それくらい、いっぱいいっぱいだったのだろうと思うのです。
宇宙にすら行けるようになった現代で、こんなに豊かな日本なのに、なんでこんなに生き辛いのかなーって。
自分の子どもがいじめられたくないように、大切な人に自死して欲しくないように、同じ時代に生きる仲間のことを苦しめ、追い込みたくない。
やさしくなりたいなー。
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