たまたま都内で用があったので、帰りに映画でもと、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を観てきました。パチパチ!
原作未読ですが、押見修造は『惡の華』も『ぼくは麻里のなか』も大好きで、これは外さないだろうと。
以下、ネタバレあり。反転させて読んでください
今回、特に「笑ったら、殺すよ」の加代ちゃん役の蒔田彩珠が良かった。こういう子いたなあって。志乃ちゃん(南沙良)は、押見修造キャラだから仕方ないけど、かわいすぎる。おじさんは、それだけで応援したくなってしまうので、それってなんだかなーと自分で自分に苦笑しつつ、、、、(しかし一番は、やはり奥貫薫だったりする(^^;)
メインの3人はそれぞれに、他人と接する際の悩み、コンプレックスを抱えていて、始まったばかりの高校生活の中で一生懸命に居場所を探す。一人でいればバカにされないし、傷つかない。だけど、それは自分の考える「普通」の高校生活ではないから。
自分を好きになれないから、他人を好きになれない。自分に優しくできないから、他人にも優しくできない。孤独で傷ついた3人が身を寄せ合うかと思いきや、みんな自分に余裕がないので、相手の気持ちに寄り添えず、どこまでもふらふらと危ういんです。
文化祭に向けて練習、そして迎えた当日、体育館でのライヴ、、、お決まりのパターンかと思ってしまったので、よい意味で裏切られました。
「わ、わ、私をバカにしているのは!わ、私を笑っているのは!私を恥ずかしいと思っているのは!、、、、、全部、私だからっ!!」
鼻水垂らしながらの号泣絶叫シーンで、製作者の思惑通り、まんまと泣かされてしまいました。
そして3人とも何も変わらないで終わります。変わらないままだが、そのままの自分を受け入れていくのでした。
逃げる自分を追いかけてくるのは、いつも自分自身。現実の自分を責めるのは、いつも自分が勝手に作り上げた「理想の自分」なんですよね。
あとですね、原作もそうなんだそうですが、吃音とか、どもりという言葉は一回も出てきません。さらに、志乃ちゃん加代ちゃんの「しのかよ」が歌うのがザ・ブルーハーツやミッシェル・ガン・エレファントなのも、おじさんにはうれしかったです(^^)
作品が紹介された雑誌や新聞の切り抜きコーナー
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