現在と共通する過去の考えや仕組みは、我々の関心を引きつける。そのとき歴史は我々の鏡となり、我々は歴史から自分の来し方を知ることになる。そこにある歴史は我々の思考の産物であり、真実や真理のようなものではない。しかし、我々は歴史によって過去の人々と一体感や関わりを得ることができ、自らのアイデンティティを確立することができる。我々は歴史によって我々になることができる。
現在と異なる過去の考えや仕組みもまた、我々の関心を引きつける。そのとき歴史は他者となり、我々は歴史から自分の限界と可能性を知ることになる。そこにある歴史は我々の思考に制限され、過去にあったすべてではない。しかし、我々は歴史によって他者がいることに気づき、他者とどのように折り合いをつけていくかを学ぶことができる。また、自らの限界と可能性を正確に見通すことで、自らの思考をより広くより深くするきっかけをつかむことができる。
歴史研究とは、現在から過去をみる行為であり、現在の人間の思考の枠の中で行われる人間の研究である。そこに現在との共通点に注目するにしろ、相違点に注目するにしろ、人間は自らを知ることになる。人間は、歴史の共通点に注目することで自らの存在を確かめ、歴史の相違点に注目することで他者の存在を認めることができる。歴史は、私を時間を超えて他者とつないで我々にし、私を自分の枠と現在にとらわれる思考から自由にしてくれる。
主要参考文献
〇E・H・カー(清水幾太郎訳)『歴史とは何か』岩波書店、1962年(原著1961年)。
〇サム・ワインバーグ(渡部竜也監訳)『歴史的思考―その不自然な行為』春風社、2017年(原著2001年)。
〇リンダ・S・レグィスティック、キース・C・バートン(松澤剛ほか訳)『歴史をする―生徒をいかす教え方・学び方とその評価』新評論、2021年(※抄訳、原著2015年)。
現在と異なる過去の考えや仕組みもまた、我々の関心を引きつける。そのとき歴史は他者となり、我々は歴史から自分の限界と可能性を知ることになる。そこにある歴史は我々の思考に制限され、過去にあったすべてではない。しかし、我々は歴史によって他者がいることに気づき、他者とどのように折り合いをつけていくかを学ぶことができる。また、自らの限界と可能性を正確に見通すことで、自らの思考をより広くより深くするきっかけをつかむことができる。
歴史研究とは、現在から過去をみる行為であり、現在の人間の思考の枠の中で行われる人間の研究である。そこに現在との共通点に注目するにしろ、相違点に注目するにしろ、人間は自らを知ることになる。人間は、歴史の共通点に注目することで自らの存在を確かめ、歴史の相違点に注目することで他者の存在を認めることができる。歴史は、私を時間を超えて他者とつないで我々にし、私を自分の枠と現在にとらわれる思考から自由にしてくれる。
主要参考文献
〇E・H・カー(清水幾太郎訳)『歴史とは何か』岩波書店、1962年(原著1961年)。
〇サム・ワインバーグ(渡部竜也監訳)『歴史的思考―その不自然な行為』春風社、2017年(原著2001年)。
〇リンダ・S・レグィスティック、キース・C・バートン(松澤剛ほか訳)『歴史をする―生徒をいかす教え方・学び方とその評価』新評論、2021年(※抄訳、原著2015年)。
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