昨日、三原沼田家文書所収予定資料から広島ゆかりの漢学者の書をピックアップして展示した、資料展示会の全日程を終了しました。6月26日・7月9日の2日間午後の日程で実施しました。
私は学芸員の訓練を受けていないので、素人的な展示会を脱することはできませんでしたが、貴重な資料をたくさんの来場者に見ていただきました。開設(復興)1年目の研究室のため準備・片付け等は主に自分ひとりでしましたのでちょっと大変でしたが、準備・待機では少し日本東洋教育史研究室のゼミ3年生3人に手伝ってもらいました。
来場者からは好評の声を聴かせていただきました。「三原にこんな人たちがいたのか、と見直しました」とか、「博物館とかだとウィンドウの向こう側遠くに見るような貴重な資料を間近に見られてよかった」、「資料を近くや横から自由に見れて、凹凸や質感等を堪能した」といった感想をいただきました。書の文字を読み取って、内容を類推しながら「ああだ、こうだ」解釈し合う場面もあり、来場者にとってとても楽しい時間になったようです。最近、歴史学習における学習者同士の歴史解釈の交換・議論が大事だと言われていますが、そんな時間を提供できた気がします。
私が待機していたときは解説役も果たしました。私自身の研究成果を踏まえて、沼田竹渓・香雪(良蔵)の親子関係や、宇都宮龍山と沼田親子の関係、龍山門下の三原・尾道担当学区取締としての近代学校制度立ち上げに関する功労等を中心に解説しましたが、意外に面白がっていただき、光栄でした。研究活動の一般還元の取り組みにもなりました。
専門外の学生から、「チラシを見て、なんで漢学者なんだろうと思っていましたが、漢学者の歴史は教育史でもあるんですね」という感想ももらいました。「広島の教育者の書」資料展示会にした方が伝わりやすかったかな…?と思いつつ、日本教育史の専門ではない学生の歴史認識を更新する機会にもなったようです。
当日の活動報告記事を、来場した院生が作ってくれました。ぜひ見てくださいね。→こちら
教育学プログラムが昔から管理してきた各教育学資料室の可能性も示せたような気がします。
ちなみに一番人気はこちら。上部にある書は良蔵の手によるものですが、それ以上に、沼田竹渓を囲む家族団欒の様子(軸には「一家団栗之図」と書かれています)を描いたであろう絵に皆さん興味津々でした。いい絵ですよね。私も気に入っていますし、沼田家一族の方々も気に入っていらっしゃいました。
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